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講演時にいただいたご質問に回答します(その2)

Makoto Sone|イノベーション・カタリスト

 続きです。

ワークショップを行ってもなかなかいいアイデアが出なかったり、次のフェーズに進まないがコツはあるか?

メンバーの関与の具合が重要です。積極的に関与されている場合と、懐疑的で一歩引いてやっていると如実に影響します。とくに、出てくる数に影響します。

メンバーをどう乗せるか、またメンバー選定がポイントになると思います。その次に、ファシリテーターのテクニック重要です。

まとめると、組織設計が次の観点で重要になってくると思われます。


デザイン思考を活用したアイデア創出と仮説検証はどのくらいの期間ですすめるのか。スケジュールの立て方は?

プロセスが規定しているものではなく、期間はその事業自体に左右されるものではないでしょうか。期間でアイデアが創出できるとか、仮説が検証できるとか担保できるものではありません。
出てくるまでやる。やっぱりだめだった、という結論になることもあります。それでもいい、という組織体にしていく必要があるが、ピラミッド型組織だと難しい。というのが、以下の書籍にも書いてありますのでご参考ください。


CJMなどのワークを行うときに社内を巻き込むコツは?またワークショップを行う意味は?

緊張感が思いもしないアイデアが出る可能性もある。そのために集中した場や強制発想法というのもあります。
「限られた時間」「メンバーの多様性」「一箇所」で強制的になにか生み出す、という場をつくることで、数と幅が担保でき、数と幅が質を担保していくものです。

一回、小さく初めて成功体験をつくり、それをずっと繰り返していくことが大事かと感じます。一回で終わらずに、日常業務に取り入れていく。ワークショップするぞ、といって集めるのではなく、日々、自然発生的に行われるのが理想です。



なんでワークショップを嫌がる人がいるのでしょうか?理由が知りたいです。

理由は2つあるとかんがえています。
まずひとつめは、自己開示の苦手な人・集団・組織である場合です。この場合、フラットに意見し合うことが難しいため、ワークショップが成り立たない場合があります。その失敗体験をされている場合もありそうです。

もう一つは、ワークショップ経験組で、1度のワークショップにいろいろ期待をかけすぎた結果、期待と違った結果となってしまったために、「ワークショップ意味ない」と感じるのかもしれません。
または、よいインサイトを発見できたにもかかわらず、それを「上司に説得」したり「説明」したりする形でプロジェクトを進められるパターンです。本来、サービスデザインによるインサイトは共感が重要なため、その説明する対象の方も一緒にプロセスに入っていただく必要がありますね。

このように、「ワークショップ」自体のあり方ではなく、それを行う「組織」が望ましい形になっていないことが、嫌悪される原因として多いのですが、そこをワークショップの問題にしても解決しません。組織に踏み込む重要性は、「デザイン経営宣言」などでも重要なトピックとして挙げられています。

参考


基本的なこととして知っておかなければならないことを学べる書籍などはありますか?

サービスデザインにおける基本書籍としては、以下に挙げさせていただきます。


ネット上でワークショップを開催するときの工夫はありますか?

 同僚のnoteにそのものズバリがありますので、紹介させてください!

合議制によりアイデアの斬新さがなくなってしまうが回避するポイントは?

合議制にしないのが理想です。
評価ポイントを先に考えるのですが、そこに「今までなかったもの」などを入れることで、最初に合意しておくことで、「アイデアの斬新さ」を担保しましょう。
できそうなアイデアを選ぶではなく、新しいアイデア、新しい会社を作ると考えるなど前提が重要です。
一部上場の企画部門などはもともと思考が柔軟な方が多いので、かなりアイデアは発散する印象です。そのように数をだしたうえで、とんがったアイデアの中点をとるでもいいのではないでしょうか。


「今までなかったもの!」というのを評価ポイントにすると、「儲かるかどうか」という視点が抜けませんでしょうか?

「今までになかったもの」は多数決による凡庸なアイデアの採用を避けるための方法であり、単一の軸で評価しよう、という文脈ではありませんでした。仰るように儲かるかどうかの視点は大切ですが、数・量が必要な場で経済性の評価ポイントを入れることで、数・量がでなくなってしまうことが多いので、儲かるかどうかは次のポイントで検討することが多いです。

また、正攻法では儲からないが、違うビジネスモデルを考え出すことで儲かる、といったアイデアも出てくることが多いです。アイディエーションは1回のワークショップではなく、多数・複層的に行うことをおすすめします。


評価ポイントは、評価者が決めるように思いますが前提としておくとは具体的にどのように進めることでしょうか?

事業としての評価と、ワークショップで出てきた意見の評価ポイントを別にして考えております。ワークショップ内で数と量を出しやすくする方法となります。


自社の得意分野を活かせるアイデアを創出しようとすると、ニーズとうまく合致しない場合がある。こういう場合の対応策についてアドバイス頂ければ助かります。

(1)でも書きましたが、課題とインサイトが同時にミートすることは、まずない、というのが率直な印象です。ミートさせようとすると、「いまあるものをうまく活用する」という方向でこじつけが発生してしまいます。自社の強み弱みから、ユーザーのペインゲインを演繹しても意味がありません

まずはニーズを掘り下げることからすすめるべきだと思います。
バリュープロポジションキャンバスにおけるペイン・ゲイン・理想を見つめたうえで、自社の提供できるものとぶつけるイメージとなります。


gainとpainは「理想」に対して、挙げていくとのことでしたが、その「理想」はどのように(どのような基準で)設定するのでしょうか?

そとから「理想像」を与えるのではなく、
バリューグラフや共感マップで、共感することからはじめてください!そうすれば、こじつけではない「理想」をご自身で見つけられるでしょう。


会社のお金が使えない段階でエンパシーを得るにはどのようにすればよいでしょうか?街中・現場での人間観察でしょうか??

ぜひ、ご自身の身の回りから始められることをおすすめします!

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Makoto Sone|イノベーション・カタリスト

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Makoto Sone|イノベーション・カタリスト
株式会社ゆめみ CDO サービスデザイナー Difference Inc. Director | HCD-Net認定人間中心設計スペシャリスト | PMI認定PMP | SA認定CSM | AWS認定CP | 多摩美TCL修了 | 関西大学卒 | TOEIC870