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デザイナー、ディレクターはPMPをとるといいと思う

このnoteについて

人間中心設計スペシャリストでサービスデザイナーである私が、PMPの資格取得のために勉強をしていて、デザイナー・ディレクターもぜひとったほうがいいなと思ったので書きました。

PMPとは


デザイナー、ディレクターもPMPをとればいいと思う理由

PMP試験の元となるPMBOK(Project Managementa Body Of Knowledge)が純粋なマネジメント方法論の体系であるからです。

プロジェクトマネジメント能力を測る試験として、日本の独立行政法人 情報処理推進機構が実施する情報処理技術者試験の一区分である[プロジェクトマネージャ試験]と比較されることが多いですが、

プロジェクトマネージャ試験は、IT分野を対象とした国家試験として、対象を情報システム開発・運用側に属し、システムアナリスト(ITストラテジスト)の策定したプランを具体的に実行するために開発プロジェクトの最高責任者としてプロジェクトを組織し指揮、監督を行う者という技術者の試験

であるのに対し、

PMP特定の分野に依存しないプロジェクトを対象とした民間資格

です。

その意味で純粋なマネジメント方法論の体系といえます。

IT分野のプロジェクトマネージャが職種としてなにをすべきか?ではなく、
プロジェクトマネージャの役割とはなにか?その実践方法は?再現性は?
というところが主眼となり、汎用性があります。

PMPで学べる内容

5つのプロセス群:立上、計画、実行、監視コントロール、終結
10の知識エリア:統合、スコープ、スケジュール、コスト、品質、資源、コミュニケーション、リスク、調達、ステークホルダー
にまたがつ49のマネジメントプロセスを中心に展開されます。
これは職能・職種、分野を問わないものです。

PMBOKでの重要なエッセンスとしては、

・まず上流から確認していけ(根源となるプロセスまで確認)
・フローに則れ(マネジメント計画書と、ベースラインと、変更管理)
・ステークホルダーとスコープを握れ(まずスコープ内外を確認)
・付け焼き刃の対応はしない(まずリスク調査し、全てを誠実に報告)
・リスクと教訓の共有大事(まず記載、そして振り返りで共有)

ということが繰り返し強調されます。

これはデザインプロジェクトに限らず、どんなプロジェクトでも重要な観点となります。

またPMBOKを学び、PMP試験対策をするにつれて、どの知識エリアの内容を使えばよいのかがわかり、また日常的に振り返ってそういう習慣がつくようになると思います。

具体的には?

デザインプロジェクトとの親和性が高いと思ったのは以下の箇所です。

■スコープマネジメントの計画プロセスである「要求事項の収集」

ここは、
プロジェクト目標を達成するためにステークホルダーのニーズや要求事項を定義、文書化し、マネジメントするプロセスで、
プロジェクトマネジメント計画書や、ステークホルダー・エンゲージメント計画書をもとに、以下のような方法を使って要求事項を定義していきます。

方法
・フォーカス・グループ(専門家やステークホルダーを一同に集める)
・ファシリテーション
・ノミナル・グループ技法(ブレインストーミング+投票)
・親和図、KJ法
・JAD(ビジネス分野と開発チームが一同に集まるセッション)

これは、人間中心設計のプロセスでおこなう「利用状況の把握と明示」、「ユーザーと組織の要求事項の明示」とほぼ同じです。

そのため、人間中心設計とPMBOKの両方の知識・技法を用いれば、どちらの形のプロジェクトであったとしても対応できるようになると思います。HCDでは要求事項の収集を厚くやるイメージです。

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■スコープ、品質、コミュニケーションのマネジメント

人間中心設計での大事になる、「ユーザーおよび組織の要求事項を満足」したか?の判定ですが、PMBOKにもスコープの妥当性確認、コミュニケーションの監視として記載されています。
要求事項を満足したかの確認の技法として会議、ファシリテーション、表現をつかっていくことになります。

品質マネジメントにおいても以下が重要な観点となります。
①要求事項の適合(仕様が要求を満たしているか?)
②使用適合性(顧客の真のニーズを満足させているか?)

この②番目はとくに人間中心設計やデザイン思考が大事にするところです。

■気持ちになって考える

PMBOKでも人間中心設計でも大事にされているのが「(相手の)気持ちになって考える」という共感です。

これは対顧客のスコープマネジメントだけでなく、チームの育成やチーム内のコミュニケーション・マネジメントでも大事ですね。

■デザインプロジェクトで陥りがちな罠

コミュニケーションマネジメントの計画がしっかりできていないと、適切・適時にコミュニケーションが図れません。
またリスク共有の大事さ、また受け入れ段階での要求事項とのズレをなくすには、事前のスコープの握りと、スコープのコントロールが重要なのは言うまでもないことです。

純粋なマネジメント方法論の体系ので、教材としてはよいと思います。

人間中心設計、デザイン思考、スクラム、PMBOK

結果として、上記を全部もって使い分けできるのが、知識的にも実践的にも最強じゃないかな?と思います。

PMPが取得できればあとはスクラムでコンプリートなので、がんばります。

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