#43_「自分にできないことを、他人に要求しない!」
今、あらためて、この言葉を大事にしようと思います。
この言葉は、上野千鶴子さんの著書『情報生産者になる』に登場してくる言葉です。
教師は子どもたちに対して、いろいろなことを「やりなさい」と言います。それも「今のうちにやっておくといいから」という、ほとんど明確な根拠もなく……。
教師が子どもたちにある行為を要求するとき、私は教師が拠って立つべき原理のようなものがあると考えています。その原理(のようなもの)は2つあります。
1.「自分にできないことを、他人に要求しない!」
たとえば、子どもたちに「毎朝10分間、読書をしましょう」と言うとします。このとき、教師が「毎朝10分間の読書」ができないのであれば、子どもたちに言うべきではないと思うのです。
それじゃあ、「自分にできることは、なんでも、子どもたちに要求していいのか」と言うと、そうではありません。
2.「自分ができて、かつ、『よい』と思ったことを、子どもたちに提案してみる!」
たとえば、まずは教師自身が「毎朝10分間の読書」をやってみる。そして、教師自身が「あ、これって、いいなあ」と良さを実感したとしたならば、子どもたちにも「やってみないかい?」と提案してみる。この順序は、極めて大事だと思います。
今、学校にはいろんな活動があります。それらの活動のなかに「教師自身ができないこと」が、実はあるのではないでしょうか。まずはそれを見つけてみたいのです。そして、自分にできないことであれば、子どもたちに要求することを思い切ってやめてみたいのです。あるいは、自分ができて、なおかつ、自分がそれを「よい」と思うものがあれば、自分の「よさの実感」とともに、子どもたちに提案してみたいのです。
学校は、そうやってつくられていくべき空間ではないでしょうか。
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