北見市移住日記002「Nトリのカーテン物語」
先日投稿の『北見市にやってきた」をお読みいただきありがとうございました。
「面白かった。次回も期待してます」というお声をたくさんいただいてしまい、かなりハードルが上がった感がバリバリなのでありますが・・・。
な、何しろ・・・時間がございません。
一時的なものなので、間もなく平時に戻るのではないかと思います。
もっとも、新しい環境、新しい生き方、新しい仕事の仕方なので、新しい「平時」を作り上げている段階とも言えますが。
何もかも一人でやっていますので、何かの作業に手間取っているとあっという間に時間が経ち、全てが押せ押せになり、気がついたら夜中になっている日々が続いています。
この日記も「組織ラジオ」同様に、下書きなし、推敲なし、(ほぼ)修正なしで、あくまでも自然体でいくしかないと考えております。
ぜひお読みください。
【カーテンとラックを買いに・・】
さて、北見市に着いて最初の仕事は、新しい事務所兼住居の現場を見て、必要なものを手配することでした。
一日も早く事務所と住居を整えないと、その先の活動も見えてこないので遅くても5月中。可能であれば半月で普通に暮らして仕事ができる状態にしようと決めました。
生活上では、家電とカーテンが、事務所では、収納家具が重要であることが分かりました。
家電(冷蔵庫、洗濯機、電子レンジなど)については、北見市在住の姪に相談して通販で手配し、初日はまずは、家具と言えばここ、「Nトリ北見店」で、事務所の収納家具と、カーテンを注文することにしました。
Nトリ北見店はでかいですね。
いろんなものに目移りしますが、前のめりなボクは誘惑をものともせず、近くの係の方にすぐに聞きました。「カーテン売り場はどこですか?」。
やること山積なので、うろうろ探している暇はないわけです。
意気揚々と教えられた場所に行くと、ドーンとオーダーカーテンの看板が出ているではありませんか。
ボクの手には、一生懸命計測した窓のサイズのメモが握られています。
必死になって、巻き尺片手にカーテンレールの長さと、事務所の収納家具周辺のスペースを計ってきました。
何しろ、家のことはほとんど全て妻任せだったボクにとっては、何もかもが初体験。
今回の移住計画は「初めてのお使い」の総合演習のようなもので、何もかもがドキドキストーリーです。
北見に来て最初の仕事であるNトリでの買い物は、自動車教習所で言えば、運転を教わる前から難易度抜群の坂道発進から始めるようなもののように、感じられていました。
いよいよ運命の時は来ました。
係の方が不在で肩透かしをくらいながらも、近くの忙しそうに何かの商品補充をしている女性に、計測してきたメモを握りしめ訴えます。
今「あの~、カーテンをオーダーしたいのですが」
係「あっ、計って来られたんですね」
話が早い。ボクの説明を聞いた彼女は言う。
係「それでしたら、少し余らせてでも100x150の既成品でいいでしょう。大きい方も150x200で少し余っても大丈夫でしょう」
「このコーナーに、各種サイズ、柄のカーテンとレースがありますから選んでみてください」
⇒ ここで今野誠一の心中に深く分け入ってみよう(NHKBSの「英雄たちの選択」風)
(どうやらこの係の方は「オーダーしたい」と言っているボクに既成品を売りたいらしい。珍しい営業姿勢だ。オーダーの方が儲かるんではないのか?)
(あのドーンとあるオーダーの看板は本当にオーダーのためのものなのか。売り場の雰囲気作りにしては手が込んでいる)
(ひょっとしたら、ボクがオーダーに値しない人間と一瞬の洞察力で見抜かれてしまったのか)
(それとも、カーテンというものは本来既成品で買うのが常識で、どうしてもちょっとの妥協も許さない“彼女が言う少し余らすという発想が許せない”人がチャレンジするところなのか)
(一旦帰って妻に電話して相談するなどという自律性のない行動は許されない)
(さてどうしたものか)
(ここまで有無を言わさぬ合理的な彼女の提案に、ここは一丁乗ってみるのも得策ではないか)
などと、カーテン購入についての考察を行っている間に、商品補充のミッションに直面している係の女性はさっさと作業に戻ってしまっていました。
どうやら、カーテン本体も相棒のレースも、いくつかのサイズラインナップがあって、ちょっとの違いは、大は小を兼ねるで妥協して選び、現物をレジに並んでちゃっちゃと購入するシステムらしい。
なるほど、イチイチオーダーしていたんでは効率が悪いし、第一必要な時にリアルタイムで手に入らないではないか。
システム大いに感心しつつ、色と柄において決断力を発揮して、3つの窓のセットを選ぶことに成功しました。
カーテンと、事務所の収納棚を選んで、配達を頼んでホテルに戻ることにしました。
数日後に、オフィスの収納棚と、3組のカーテンが届く手はずであります。
【配送間違い疑惑勃発せり】
時空を越えて、話を数日後の「カーテンと棚の配送の日」に飛ばしましょう。
数日後、配送のS川K便さんが配達に来られました。
初日に買ったNトリのカーテン3セットと事務所用の棚であります。
棚はいくつかの箱に分かれて、間違いなく届いたのですが、カーテンの箱はなく、頼んだ覚えのない「押し入れ収納BOX」の箱が届いています。
今「お兄さんさ、これは頼んでないんだけど、間違ってるよ」
S川「それはこっちに言われても・・・」
今「こっちも置いていかれても困るんだけど」
S川「我々商品のことは分からないんで、Nトリさんに電話して下さい」
何ともやり切れない気持ちで、納得がいかないままサインして、お客様サービスセンターに電話する。
電話が繋がると、
「何それはどこに電話して、ネットの何々はどこどこに電話してね」
「で今から用件の種類を言うからこれだ、っていう番号押してね」
「でもってこの電話は録音してるからね」
と遠々とお話があって、ようやくこれかな?っていうサービスの種類の番号を押すと・・・
「電話は大変混み合っております。しばらくお待ちください・・」って。
品物違ってるって伝えたい時にこの流れって、温厚なボクでもマジむかつくね。
おまけに「なおお待ちいただいている間も○秒ごとに10円かかります」って。
ギャオー、ゴジラに変身して北見のNトリに攻め込みたい気分だわい。
しばらく待ってオペレーターに繋がります。
今「頼んでいない物が届いたんですよ。カーテンと棚を頼んだのに、棚と押し入れの収納BOXが届いて」
オ「お調べしますので注文番号をおっしゃってください」
番号を伝えると・・・
オ「確かにカーテンを3セットとレースを3セットご注文いただいてますね。ありがとうございます」
今「でもね。届いたのは、どうやら押し入れの収納BOXのようなんですよ。まだ開けてないんですが、どうしましょう?」
オ「そうですね。今野様、その箱に貼ってあるシールに同じように番号が記載されているはずなんですがご覧いただけますか?」
番号の記載されている場所を聞いて、書いてある番号を伝えると・
オ「今野様、同じ番号ですね。番号からしますと間違いなくカーテンでございますね」
今「お言葉ですが、見たところこれは間違いなく収納BOXでございますよ。どうしたらいいでしょう?」
オ「そうですね~・・」
と、二人の間に大沢誉志幸のヒット曲がしばらく流れる(もちろん曲は「そして僕は途方に暮れる」)。
少し経って、ボクの頭脳に電流も流れる。
今「こ、これはひょっとして・・・」
オ「今野様、いかがされましたか?」
今「ひょっとしてこれは、箱を流用してるのでは?」
オ「そうかも知れませんね。今野様箱を空けてみていただけませんか?」
今「大丈夫ですか?空けて本当に収納BOXだったら、番号同じだから、って買わなくちゃいけないなんてことは・・」
冗談を言っている場合ではないわけであるが、そうでもしないと大沢誉志幸が頭から消えず・・・。
オペレーターさんのお墨付きを得て、箱を開いてみると・・・。
ジャジャジャーン。
当たり~!!
押し入れに使う収納BOXの大きな箱の下の方に、カーテンが救出を待っておりました。
収納BOXの箱でカーテンが運ばれて来るってことがあるんですね。
オペレーターさんは、解明された謎を一緒に喜んで下さって、もう戦友のような気分で大盛り上がり。
とってもいい方だった。
今「箱を流用する場合は、表にその旨書いた方がよいかも・・ですね」
オ「貴重なご意見を社内で共有させていただきます」
一騒動だったけど、お客様サービスのオペレーターの方がとってもいい方だったので、ヨシとしよう。
【カーテン事件はまだ終わらない】
外箱は収納BOXながら、中身は待ちに待ったカーテンとレース。
ボクは、注文に成功し、待望の現物を手にした達成感に心躍りながら、それまでやっていたことをそっちのけで、カーテンつけの作業に移行します。
最初に、メゾネット上階の事務所の窓に、その次にベッドルームに、順番にカーテンとレースをつけていきます。事務所とベッドルームの窓のカーテンは同じサイズです。
カーテンというの不思議ですねえ。
カーテンをつけただけで、部屋が部屋らしくなり、数段グレードがあがり、住む者のテンションを上げてくれます。
さていよいよ、3セットの最後は、カーテンの花形リビングルームであります。
レースを順調につけていきます。
さて、カーテン本体をつける段になって、凍り付くボクであります。
本来の幅は150センチメートルのはず。
レースは正しく150センチメートルの商品でたった今つけたばかりですが、なんとなんとカーテンはどっちからどう読んでも「100」の文字が目に飛び込んでまいります。
引き算してみますと、50センチ足りないということになります。
さっきまで感じていた、「注文に成功し、待望の現物を手にした達成感に心躍る」気持ちは、もちろんどこかに消え失せ、奈落に落ち込む気持ちと闘いながらサービスセンターに電話をしました。
「サイズを間違えて注文してしまいました。在庫があれば今すぐ取り換えに店舗に行きたいので北見店につないでください」
お~、なんと冷静沈着、かつ機敏な対応であることか。
これ以上の打開策はないわけであります。
お店につながり、同じ話をしたところ、係の方の容赦のない反応が・・・
「あ~、さっきまであったんですがちょうど在庫が切れたんですよ」
天は我を見離した・・・。
「ちょっと入荷は確認してみないと・・」
さらに天は我を見離した。
入荷の時期がちょうどボクが東京行きの日程にぶつかり、北見に戻る5月11日に交換に行くことになり、最も早くつけたかったリビングのカーテンは、お預けとなったのでありました。
まあ、楽しみは最後まで取っておけと申しますが・・・11日にリビングにカーテンがつくことだけを楽しみに、生きて行きます。
なんとドラマの多いカーテンでありましょうか。
この調子でいくと北見での思い出がどんだけできることか・・。
楽しみでもあり、恐れも感じながら生活は始まっていくのでありました。