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第36章

縮めたいと思うなら、一度それを伸ばしてやればいい

弱めたいなら、一度強くしてやろう

落としてやりたいなら、一度もちあげろ

奪いたいなら、一度与えよ

これはあの孫子も兵法で述べていること

動かないものは必ず動かせる

一方を指向するものは他方を指向する ナベシ

美しくなろうとするとブサイクになる

賢くなろうとすると愚か者になる

金持ちになろうとすると貧乏になる

エトセトラ

なぜなのか

それがタオだからだ

タオは極端にとどまることを許さない

極は必然的に他極に移る

だから無為自然の中庸が良いということになるのだ

さて老子に戻る

これを奥深い「明知」と呼ぶ

第27章で出てきた明知だ

すなわち、個々の事象にとらわれず、タオの流れを観察できる能力である

人間固有の欲望や知性に左右されず、タオの流れのままに心を制御する能力

少し深入りするが、彼はタオの流れにしたがって行動を決定するため

事象にとらわれた目から見ると、彼の行動は意味不明に映る

脈絡を無視して優しく振る舞えば、底意があると邪推され

伏線を無視して言うべきことを言えば、残酷だと捉えられる

タオの流れに従うことは、非情な運命を背負うことににもなる

だが本当にタオな人は、決して他人と争わない

(だからナベシはもちろん出来ていないw)

(老子がどこまで出来たかは分からないが、生涯これと戦った人だったろうと思う)

他人と争わなければ、柔らかいままで、硬いものに打ち克つことができる

魚は淵から離れてはいけない

つまり、君主たるもの、人民や国家のことから離れてはいけない

しかし、無駄に人民や国家に介入してはいけない

頭脳や知恵や小賢しい技を駆使するような政策によって統治してはいけない

すなわち、タオの流れで統治せよ、と言っている 

(道:米フロリダOver seas highway)