初めての新しい機材をみんなが使うために。 ーいつもの言葉でなくても、触ったり他の感覚で伝わるものがあってもいいですよね。
今日は、創作表現を広げるための今まで使ったことのない新しいデジタル機材を導入するにあたって、障害のあるメンバーたちがスムーズに使えるように行った工夫をご紹介します。 何らかの参考になれば幸いです!
(冒頭のイラスト by たむちゃん)
誰でもすぐに使ってもらえるようにわかりやすい手引き書を作りました
Good Job! センターでは、新しい3D制作ツールを試験的に使わせてもらっています。(詳しくは前回、前々回を)新しいツールの導入にあたって、機材の基本的な動作である「彫ってみる」「回してみる」「つまんでみる」「滑らかにしてみる」などの基本的な操作で創作にチャレンジすることにしました。
そのため、まず行ったのが、障害のあるメンバーでも自分で扱えるように、誰が読んでもわかりやすい基本的な使い方の手引書を作ること。
東京在住のエンジニアの方が、去年奈良にきてくださった際に3日間Good Job! センターに滞在してくださり、マニュアルの手引書を作成してくれました。
そのエンジニアの方が、どんなコマンドで何の基本操作ができるのか、写真付きでわかりやすく整理してまとめてくださったものを、使用時の共通マニュアルとして活用しました。
ちょっとお見せしますね。
↓内容はこんな感じです↓
一番はじめの基本的な取り扱い方<ペンの持ち方や設定>
基本の使い方 その2<材料をさわる、彫る、回す、掴む、滑らかにする>
基本の使い方 <クレイの荒さを調整、移動させる等>
こんな感じで誰が読んでもわかりやすい操作マニュアルを作成しました。
言葉では伝わらなくっても
スタッフの藤井さんは言います。
「機械の特徴としては、手で3DCGに触れて触覚で入力する仕組みの装置なんです。感覚の中でも視覚にはかなりアプローチされているけれど、触覚を生かした入出力を体感することは、まだまだこれからの領域とされているんですよね。」
確かに、今は入力も出力もほとんど「目でみる」作業の連続ばかりかも…!
言葉やコード等を使う以外のコミュニケーションツールが得意な人もたくさんいるはずです。
「ものづくりの世界は、手渡しじゃないけれども、見聞きししないと伝わらないことが結構多いんです。口頭での引き継ぎだったり、図や文章で伝えることが圧倒的に多いけれど、言葉では伝わらなくても視覚や触覚では伝わりやすいとか。そういうために技術が存在してもいいんじゃないかなと思います。」
そして、スタッフの平松さんがメンバーの皆さんと使って感じたことをコメントとして残してくれましたので、最後にご紹介します。
***スタッフ平松くんのコメント***
[Freeformを使ってみて感じたこと]
・メンバーの仕事(得意なこと)が増えた
・デジタル機材への興味関心を持つメンバーが増えた
・表現の幅を広げるきっかけになった
→ 平面から立体へ。粘土以外にもPLAやTPUなど新しい素材へのアプローチにもなる
[これから期待できること]
●「感覚」の教材になりうる
→ 感覚はもっとも伝えにくいモノの一つ。
言葉では「やわらかい」「硬い」といったことや力の「強い」「弱い」などは伝わりにくいが、Freeformの感覚ツールを用いることで直に「感覚」を伝えるツールになり得るのではないか。
●生活の質が向上する
世の中に障害のある人へ向けた、日常生活用具はたくさんでてきているが、個人に対しての細かいニーズに応えることのできる用具は少ない。オーダーメイドをすればそれも可能であるが、費用が高い…。しかし、Freeformを使うことで、3Dデータが容易に制作でき、プリンターで出力できるようになれば、より個人に適した用具を作り出すことができ、結果、その人の生活の質を向上できるきっかけになる。
シリーズで3回に分けてお伝えしてきました試験的な新しい機材の活用篇。
私たちも今回初めて使ってみた3D造形ツールのFreeformですが、読んでいただいた方が、「今はそんな機材もあって、障害のある人たちの自己表現の幅を広げるためにそんなこともできるんだ!」と何らかの興味を持っていただけたら嬉しいです。
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今日ご紹介したツールはこちらです↓
粘土造形の感覚で有機的な3Dモデルを作ることができるエンジニアツール
“Geomagic Freeform"
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