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【休職のススメ⑥】劣等感という名の毒

今回は短めに、私が休職までに至った決定的な原因について書きたいと思います。

休職するまでメンタルを病んでしまった理由はいくつかあり、それが同じタイミングで何重にも重なったことが原因でした。

①先輩のパワハラ
②結婚による引っ越しと通勤時間の増加
③子どもの出産による家事育児の負担増加
④職場異動
⑤劣等感

一見すると①の理由が一番大きく見えます(実際ある程度は占めていますが)。しかし、もっと根深い根本の原因は⑤の劣等感でした。

詳しく説明していきましょう。


休職する2年前、私は自分の希望で以前とは異なる職場に異動していました。同じ仕事を続けるだけでは自分の成長に限界を感じていたからです。

異動前は会社からある程度良い評価をもらっており、それでも新しい職場では一から学ぶつもりでした。

そのため、未経験の職場では会社からの評価が下がってしまう覚悟はありました。
実際には異動してしばらく経つと以前の職場のように良い評価をもらえるようになりました。

ではなぜ劣等感を抱くことになってしまったのか。

それは【自己のハードルを上げすぎてしまった】ことにあります。

上司から見れば未経験の割に頑張っているように見えたでしょう。実際得意分野では結果も出していました。
しかし私の心の中は常に劣等感で埋め尽くされていました。
その職場で長くいる人たちに知識や経験で全く歯が立たないと感じていたのです。

職場は技術職なので、異動して一、二年の自分が経験で勝てるはずがありません。しかし私はその経験量を周りと比較し、永遠に追いつけないような焦燥感と劣等感を抱いていました。

さらに劣等感は努力のエネルギーになると、あえて心の葛藤をそのままにし、仕事に邁進しました。ここで結婚と出産が影響してきます。

私は育児も家事も手を抜きたくありませんでした。仕事が終わったら晩御飯の準備や洗濯、トイレや風呂掃除は毎日のタスクでした。
さらに育児がそこに加わり、結果として、自己研鑽のための残業時間がほとんど取れませんでした。

独り身の時は劣等感をエネルギーにして時間をかけて努力し、様々な問題を乗り越えてきました。
受験や就職活動、仕事でも同じように乗り越えてきたため、それが自分の中の正攻法になっていたのです。

しかし結婚して子供ができ、努力のための時間が本当に取れない。なのに劣等感をエネルギーにして努力しようとする。
気持ちと現実のギャップが次第に大きくなり、メンタルが少しずつ削られていたと思います。

その未来永劫解決できない問題にとうとう耐えられなくなり、休職するまでに至ったのです。


ではどうすればよかったのか。

これは単純で【劣等感を持たない】に限ります。正確には【劣等感は毒という認識を持つ】ことです。

そもそもこの劣等感、ほとんどが自分の認識の仕方で変わってきます。劣等感は自分自身の問題とも言えるわけです。

例えば私が休職してしまった職場、私よりやる気もなくてできない社員は何人もいました(もちろんできる人も何人もいました)。

ではその人たちはメンタルをやられていたでしょうか。彼らは驚くほど好き勝手仕事をしていましたし、成果も出ていませんでした。
それでもメンタルはなんともなく、周りから嫌がられても平気で仕事をサボっていました。

私はメンタルのために仕事をサボったりしろと言っているわけではありません(それも多少必要な能力ですが)。
大事なのは、今自分が劣等感を感じていること。そしてそれは毒になるということを認識することです。

実は今でも劣等感を感じる場面はたまにあります。性格を変えるのはほとんど不可能ですし、実際には適度な劣等感は薬にもなります。

今の私は劣等感を感じたら、その劣等感の存在を認識し分析し、そしてそれが過度に溜まると毒になることを理解してます。
そうするだけで、いい距離感で劣等感と付き合えるようになり、薬として活用することができるようになりました。

最近入社したての若い人がメンタルを病む話をよく聞きます。
その原因が【自己の理想と現実とのギャップにより生じる劣等感】なら、対処法はあるよ、と教えてあげたいです。

いい学校を出た若者が社会に出たらほとんど役に立たない(正確にはまだ役に立つだけの土台がない)。
そこで感じる劣等感をしっかり認識し、うまく付き合うことができる。それが、会社でやっていけるかのポイントになってきます。


まとめ

【劣等感は毒になる】

ぜひこれだけでも持ち帰ってください。

それでは

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