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今週のグッドデザインを紹介します(3/11〜3/15)

今日は、 3月3週(3/11〜3/15)のとれたてグッドデザイン5点をまとめてご紹介します!



3/11 博物館[陸前高田市立博物館]

東日本大震災により被災したおよそ46万点の文化財や展示資料を救出・再生し、ふるさとの歴史と文化を次世代へと継承する博物館。

陸前高田市立博物館

受賞者によるデザイン紹介
東日本大震災により施設は全壊、資料も壊滅的な被害を受けた。約46万点の被災資料を救出し、70を超える全国の専門機関・博物館の支援による修復作業に努め、世界に前例のない津波被災資料再生博物館を目指した。震災を経て、ふるさとの宝である資料に、世界へ発信する意義が付与された「生きている展示」として新たな価値創出を目論んだ。

審査委員からのコメント
東日本大震災の津波で被災した文化財・展示資料を救出・再生させ、2つの博物館を合築し新たな構成で展示している。群としてダイナミックに見せる展示、手に取れる標本箱など、資料を息づかせる新たな体験を提供する。これまで大切にされてきた資料の丁寧な救出や半身ずつ異なる表現の展示としたツチクジラの剥製からは、地域の歴史の上に私たちが生活していることや、日々新たな層が加わり地域をかたちづくっていることをあらためて意識させられる。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/16279

3/12 電動アシスト付自転車[遊歩リベルタ]

安定性があり高齢者でも横転リスクが低い、電動アシスト付き4輪自転車。

遊歩リベルタ

受賞者によるデザイン紹介
運転免許を返納した方や2輪自転車の運転に不安を抱える方など、主に高齢者を対象にした、横転リスクが低く、安定性の高い電動アシスト付き4輪自転車。 前後大型バスケット採用による運搬性能の高さが特長。

審査委員からのコメント
転倒不安の少ない4輪の電動アシスト付き自転車であるが、この車両の利用が想定される高齢者などのユーザーの立場に立って、丁寧な設計を完遂していることを高く評価した。後傾姿勢での着座は、4輪ならではの安定性を活かしており、身体への負担が少ないだけでなく、乗車時の見栄えのよさも生み出している。理にかなったフレームの全体構成や、シンプルなカバー類も、デザイン性の向上に大きく貢献している。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/16864

3/13 橋梁[気仙沼湾横断橋]

三陸沿岸地域の復興を担うリーディングプロジェクトとして事業化された気仙沼湾横断橋。災害時の道路ネットワーク確保および緊急活動支援、交通課題緩和、産業・観光支援を目的とし、東北復興のシンボルとして位置づけられた橋である。

気仙沼湾横断橋

受賞者によるデザイン紹介
三陸沿岸道路は2011年の東日本大震災の津波により甚大な被害を受けた三陸沿岸地域の復興を担うリーディングプロジェクトとして事業化された。その中の象徴的な構造物である気仙沼湾横断橋は、宮城県気仙沼市の市街地を通る全長1334mの橋梁であり、気仙沼湾を渡る部分は橋長680mの3径間連続鋼斜張橋である。

審査委員からのコメント
東日本大震災の後に三陸沿岸地域の復興を担うリーディングプロジェクトとして事業化された橋梁プロジェクトである。橋梁の完成によって、気仙沼をつなぐ新たな二つのゲートが創り出された。一つは象徴的な主塔形状による気仙沼の東西地域をつなぐ陸のゲートであり、もう一つは支間300mの橋桁による気仙沼湾の南北方向をつなぐ海のゲートである。三陸の豊かな海と島を背景に、凛と佇む橋梁の姿に地域を守りつなごうとする強い意志を感じるのは評者だけではあるまい。陸と海つなぐ気仙沼の象徴として、地元市民に長く愛される橋となることを願ってやまない。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/16730

3/14 ヘアドライヤー[cadre hair dryer]

軽量で大風量。収納時には四角に綺麗に収まりシンプルでコンパクトな設計のヘアドライヤー。

cadre hair dryer

受賞者によるデザイン紹介
「暮らしと一体化する」をテーマとして、使用時には機能面の充足を、使用していない時にはインテリアとしてのデザイン性を満たすことで、利便性のみならずより良い生活を演出することを狙い設計しました。高機能かつ家具のようなデザイン性を持ち、ユーザーが満足感を得られるヘアドライヤーを実現。

審査委員からのコメント
優れたデザインと機能性を兼ね備えている点を高く評価したい。特に、シンプルかつ洗練されたデザインが洗面台の空間を質的に向上させている。その設計思想に、家電が「暮らしと一体化する」という点が明確に反映されているといえよう。軽量で収納時に四角になる構造は、コンパクト性と持ち運びの便利さを実現しており、片手で冷風や温度調整が可能な点や、マグネットでフィルター取り外しが容易な設計は、ユーザーの利便性を高めている。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/14028

3/15 複合建築[Grove(グローブ)]

メゾネット形式を基本として、1〜2階が店舗と事務所、3〜4階が賃貸住宅、5〜6階と7階が住戸で構成されている。半屋外空間により外部と動的な関係を持った、新しい積層建築。

Grove(グローブ)

受賞者によるデザイン紹介
間口9.1m、奥行き38.4mの細長い土地に対し、半分を半屋外空間として周辺との動的な関係を持った新しい積層建築です。メゾネット形式を基本として異なる用途やスケールが複合する、街がそのまま立ち上がったような建築となっています。また場所ごとにアドホックに空間を紡ぎ出すことで、自由に使い倒される豊かな場をめざしました。

審査委員からのコメント
店舗、事務所、賃貸住宅、オーナー住宅などを、半外部を多用した立体的な構成とすることで、建築物としてユニークな外観を獲得していることにまず目が向く。様々な用途が混ざるということがそのまま形になったかのような建物であり、これから時間を経て、実際に様々な使われ方をする中で、どのようにこの建物が変化・成長していくのか、とても期待される。もちろん、この場が、関わる人や地域におけるユニークな体験をもたらすことに結び付いていけるのを大いに期待したい。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/19724

この連載では、グッドデザイン賞インスタグラムで毎日1点ずつアップしている受賞作品をまとめています。
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