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軒の出について考える 商品化ムズイ。。

こんにちはテンプラです。

軒の出。屋根の先端がどのくらい壁から出ているか。

以前グッドデザイン賞では、特別な工法で2m超の軒の出を出した商品で受賞した事があります。
日本でいえば、大きく軒の出を伸ばすと和風なイメージが強いでしょうか。軒の出を深くして前回書いた様な縁側(中間領域)を演出できますね。また夏は日を遮り、冬は日を取り込む様なパッシブな日の調整を行う効果もあります。
私の提案したのは、軒下空間を半外部空間として捉えて自宅でアクティブに活用できる仕組みをセットで提案しました。

欧州でいうと石の建築が多いので軒の出が無い様な印象があるのでは。タイトルの画像の様に、案外軒の出が深い建築もあります。フィレンツェの建築ですが、私の知っている知識では、ミラノなど各地域に比べて深い軒を持っているかも。1mくらい出ている屋根もあったり興味津々。。もしかしたら降水量多いかもしれませんね。

私の本業の家の商品化で軒の出を語りますと、特に木造住宅の4号建築という部類(建築基準法で決まっている)で商品化をする場合は4号建築は壁量計算と言って、しっかりとした?構造計算をしなくても良く、また軒の出の深さの基準もありません。本来建築物は構造計算(許容応力度計算)をすることがベースですが、4号は現状甘いと。(4号特例)
近年は台風被害なども増えてますので軒をあまり出すのは風に対する影響もあり怖い。
最近は4号でも許容応力度計算ベースにしないと駄目!という動きもございますが、たぶん法規的には暫く変更ないでしょう。もちろん4号でもしっかりと許容応力度計算されている会社は沢山あります。

4号建築の壁量計算ベースで、私が提案する場合は、軒の出は500㎜もしくは色々補強しての750㎜を限界の軒の出としています。
逆に最近は木造でも軒の出0㎜(軒の出が無いように見える)にして、キューブ上のデザインを演出するニーズが高いです。
これはコルビジェの時代から始まったモダン建築、コンクリート建築のキューブ(四角く見える家)状のデザインを想定したもの。
それを木造でも同じ感じに見せる建設会社もたくさんいらっしゃいます。

良いのですが、軒の出0は雨仕舞に注意。ここだけ。

しっかり施工されている建設会社も、たーっくさんいらっしゃいます。
が、テキトウな会社も正直ございますのでご注意を。

軒の出0の木造住宅の商品化は、なるべくならしたくない。。。しっかりした納まりや雨仕舞いに対応できる資材はあるのですが、仮に利用しても結局は人が作りますので施工不良はある前提で考えたい。
商品化は基本的には誰でも80点取れる施工、設計、デザイン等を目指したいので、軒が浅い納まりはムズイのです。

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