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【後編】ソーシャルGOODなCOFFEEを飲みながらSDGsの17の開発目標「貧困をなくそう」をテーマにスペシャルゲストと語り合う。

第一回目は「貧困をなくそう」がテーマ。世界の貧困問題と向き合うとはどういうことか?ソーシャルビジネスの実情は?自分たちにできることはあるのか?ゲストをお迎えして、GOODCOFFEFARMS代表カルロスと一緒に語り合いました。(後編)

中編からの続きとなります。

カルロスさん、テレビでご紹介されているとお伺いしました。沖縄にも拠点が増えるんですよね。

カルロス)話題になりました、まさか自分がテレビに出るとは思わなかった(笑)


 私たちはGOODな農家のファミリーとGOODなCOFFEEを作っています。約200の農家が集まる生産者団体として運営しています。今回は縁があって沖縄の農家とつながりましたが、今後は他の地域にもGOOD COFFEE FARMSのファミリーが広がって欲しいと思っています。そうして「バイシクルをつかったコーヒー生産のノウハウ共有」が彼らの未来の生活に繋がって欲しいと思っています。
私が大事にしているのは、「人」です。まずは人、そのあとノウハウ、そして最後にマーケットだと考えています。マーケットまでブランドが浸透してはじめて一つのサイクルが完成する。サイクルできるようになって、はじめてエコノミーになる。ノウハウを活かしてまたどこかでチームをつくって、新しい助け合いが生まれる。それこそ経済の本質じゃないでしょうか?マイルールは「困っている人」、その人達にチャンスをあげたいと思っています。

GOOD COFFEE FARMSの名前の由来は「自転車でつくる」サステナブルなコーヒー、GOODなテイスト、GOODなクオリティ、ってことですか?


ビジネス・・レザー・・ファクトリー!
グッド・・・コーヒー・・ファームス!

カルロス)なんか似ていませんか?

(一同爆笑)

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カルロス:なんか似ていませんか?

原口)似てるかもしれませんね(笑)

カルロス)どちらもわかりやすい伝わる名前です。私はブランド名を考えるときにどれだけシンプルに伝わるかを考えました。いいことやっていても最後は「質が大事だと」思っています。前身のブランド名はDARKS COFFEEだったんです。コーヒーには、その焙煎度合いによって彩り豊かなグラデーションがあるので、「みんなの好きないろんな味があるよ。」と表現したかった。それぞれのベストセレクションを楽しんで欲しいとの思いから命名しました。質にとことんこだわったスペシャリティコーヒーです。
そうしていたら生産農家の仲間に「GOODなコーヒーをつくっているんだね!」と言われたんです。ハッ、と気づいたんですよね、シンプルに「GOODはコーヒーとは何だろう?」と。結局のところ、作るのも飲むのもどちらも人なんです。いいことをやっていますよ、だけではなく「スペシャリティコーヒー」として製品のクオリティを保つことをGOOD COFFEE FARMSは大事にしています。バイシクル製法で作る人も幸せになって、スペシャリティコーヒーの品質で飲む人も幸せになる。それが結果として、社会にいいことに繋がっている、それが理想だと思っています。

コーヒーと革製品との違いは感じますか?

原口)そうですね、コーヒーのように体に入るような製品の場合は、生産背景を特に意識するのではないでしょうか?

カルロス)コーヒーでも、私はその意識がまだまだ足りていないと思っています。おいしいかどうかだけではなく、ブランドの想いや製品のつくった背景も意識してほしいと思いますね。そういえば、使うストーリーをイメージできるビジネスレザーファクトリーさんの動画、素晴らしかったです。


ビジネスレザーファクトリーで働いている人はこれまでも社会活動をしていた人なんですか?

原口)いえいえ、そんなことはありません。私たちの仲間のほとんどが店頭で販売接客をしているメンバーですが、多くの仲間たちは「貧困問題を何とかしたい!」と思って、これまで生きてきたわけではないですね。でも大量生産・大量消費に違和感を感じたり、自分の力を何か社会のために使いたいと思っていたりする仲間たちだと思います。そんな彼ら彼女らが、事業背景を自分の五感として知ることはとても大切なことだと感じています。ビジネスレザーファクトリーでは、日本で働くメンバー全員が、バングラデシュの自社工場に定期的に訪れるツアーをしています(*新型コロナウィルスの影響で一時中断、今後再開予定)。誰がどんな顔で、どんな思いで、この商品を作っているのかを知ることは、日本のメンバーにとっても価値になっていると思います。
一つエピソードを紹介させてください。ある日本のメンバーに店舗でバングラデシュの仲間を感じるときはいつですか?と質問したんです。すると彼は「刻印のミスをしたとき」と答えたんです。

刻印サービスの説明はこちら

原口)刻印でミスをしてしまうと、その商品は販売することはできなくなります。その時に「バングラデシュのメンバーの顔が浮かぶ」と言うんです。せっかくみんなが一生懸命作ってくれた製品を自分がダメにしてしまって申し訳ない、と。そう思うほど、日本のメンバーはバングラデシュから渡された「バトン」に責任をもって、お客さまにお届けしています。ビジネスレザーファクトリーを象徴するエピソードだと思ってます。

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バングラデシュの自社工場にて。

原口)ちなみに彼は、学生時代には社会課題への関心は全くありませんでした。ビジネスレザーファクトリーで働きだして、途上国の現況を初めて知ったんですよね。直接会って、見て、聞いて、触って、感じて、みんなで事業の意義を理解することが、事業にとっても大切なことだと思います。

確かに肌感覚がなく、現地のリアルが掴めないところもあります。消費者も「直接たずさわる」ことの大切さを感じます。どんな取り組みを考えていますか?

原口)いい質問ありがとうございます。今後、消費のあり方が変わっていくと感じています。情報社会では、消費者がブランドをちゃんと調べることができる。だから、企業としては、一時的で表面的な「いいこと」は通用しないと思います。私たちの場合も同じです。私たちは、ぜひ自社工場にお客さまをお連れするツアーができるといいな、と考えています。生産者と消費者が顔が見える関係性になる「顔が見える消費」になっていけば、社会はもっとよくなると思います。

 カルロス)顔が見える消費、いいですね。GOOD COFFEE FARMSのコーヒーはエシカルでありスペシャリティコーヒーです。 エシカルな生産背景とプロダクトのクオリティの両方のストーリーを伝えるべきって思うんです。豆の焙煎の香りとか、お客様にとってのリアルを大事にしたいと思います。

原口)そうですね。ものづくりである以上、最終的に戻ってくるのはプロダクトやサービスのクオリティーだと思っています。お客さまが選んでくださる理由はそこにあり、その上でブランドを応援し続けてくださる理由は、ブランドの事業背景にあると感じています。だから、これからも「クオリティー」には、ずっとこだわっていきたいですね。

最後に読者には「社会課題」にかかわりたい人もいるとおもいますが、ひと言ずつお願いいたします。

カルロス)小さいことからでもやっていこう!と伝えたいです。身近なコミュニティでいいんです、それは家族、友達、仕事仲間、ボランティア活動、自治会、なんでもいい。いまあなたが参加しているチームのサポートをするのが大事だと思います。そして、「何を選ぶか」も大事です。身の回りのものの生産背景やストーリーを知って選んでみてください。ステップはまずは知ること、つぎは知ったら行動する。いまはSNSでシェアできる時代です、情報もキャッチできるし自分が選んで良いと思ったものは、積極的に広げていってほしいです。

原口)できることはたくさんあると思います。よく「消費は投票だ」と言われますが、日々の営みの中で、私たちが何を選ぶのか、で未来は変わる。消費者として、社会にとっていいものを選ぶことも、またひとつの社会貢献だと思います。微力かもしれないけど、無力ではない。過去の事例で、社会運動は全体の人口のたった3.5%が変わればその社会活動は成功する、と言われています。たった”3.5%”です。その3.5%にあなたがなることができれば、社会は確実に変わっていくと思います。

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カルロス:Do You like COFFEE?次回は、みんなでグアテマラに行きましょう!


本日は皆さん、ありがとうございました。

原口さんの言葉は力強かった。「人間が行動することで社会や環境が再生していく、私たちの力でもしかしたら社会は変わる可能性がある。世の中は多くの社会課題があり、それを知れば知るほど、世界に絶望してしまうときがある。もう生きていれないと思うときがある。私がやっていることはどんな意味があるのか?と問うときがある。だけど、無力ではない、微力だけど無力ではない。だから行動してほしいと思います。」「消費は投票」、普段私たちが使うもの、口にするもののことをどれだけ知っているだろうか?SDGsの開発目標は指標として大切だけど、その先にある「行動」にまで移していくことが難しい。特別な行動はいらない、まずは生産背景を知ることだけで社会活動の一歩が始まる。

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