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状況をひっくり返す爆弾的思考

親業をやっていると、やりたくないのにやらなければならないタスクに追われ、ストレスを覚えることがある。

たとえば子どもの弁当を作ったり、子どもの朝の準備を手伝ったりするための早起き。
たとえば手が離せないときに限っての「うんち、おしっこ」。
たとえば急いでいるときのダダっこ。
「こんなときに限って」の失敗や行動は、もはや子どものお家芸だ。

ストレスを最小限に、パフォーマンスを最大限にしたいせっかちな私にとって、子供の不合理な挙動はかなりのストレスである。

とはいえ、子どもに効率ばかり求めるのも酷だ。

そこで私は、そうした状況でストレスを抱えないよう対策した。

なんてことはない、「いざとなったらすべてに自分のルールを適用する」だけである。

たとえば今朝、私は少し寝坊をした。

息子の弁当を作らなければならないし、登校の付き添いもしなければならない。

「時間がないから手早く弁当を作らなければならない」
「間に合わせるために急がなきゃ」となるのが普通だと思う。

しかし、そうやって自分を追い詰めるとパフォーマンスが下がるだけでなく、イライラや焦燥感が周囲に伝染し、周りにまで悪影響を及ぼすので最悪だ。

そこで私はこう考える。

「間に合いそうになかったら、お弁当は後で学校に届けるね」
「遅刻しちゃっても、まぁいっか」
「ま、何とかなる」

つまり「登校時間を守らなければならない」「お弁当を持参させなければならない」という常識や思い込みの方を捨てるのである。いざとなれば自分側のルールを適用すればいい。この安心感があると、朝からイラついたり子どもに「早くしなさい!」と八つ当たりしたりせずに済むというわけだ。

これを私は「爆弾的思考」と呼んでいる。文字通り「最悪、爆弾で全部ぶっ壊して一から建て直そう」というやり方だ。

この考え方は子育てに限らず、あらゆる社会活動において有効である。

たとえば顧客との商談において、「最悪、この顧客と縁を切ることになってもいい」「最悪、条件を呑んでもらえなくてもいい」という思考を、私は前提として持っている。

諦めとは違い、爆弾的思考として重要なのは「建て直し」まで視野に入れていることだ。

「最悪、この顧客と縁を切ることになってもいい。仮にそうなったら内容を改良し、さらに条件のいい顧客に売り込もう」
「最悪、条件が呑まれなくてもいい。相手が納得するようブラッシュアップして再度交渉しよう」といった具合である。

自分の第一希望の結果とは別に、第二、第三希望くらいまでプランを用意する。つまり対案や代案を用意しておくと、仮にA案がうまくいなくても「B案があるから問題なし」といった具合に、状況にメンタルを左右されることなく適切に対応できるのだ。

ただしこれを上手に行うには、先述したように「登校時間を守らなければならない」「お弁当を持参させなければならない」という常識や思い込みを捨てる技術と勇気が必要である。

「顧客との関係を現状維持しなければならない」
「この契約を成立させなければならない」
「商談を一発で成功させなければならない」という思い込みを捨てるのだ。「捨てる」というより「最初から持たない」といった方が正しいかもしれない。

百発百中とはいわないが、こういう爆弾的思考があると、物事はかえって円滑に進行し好転すらするから不思議である。人間関係や恋愛においても同様だ。

つまり追い詰められた状態よりも、余裕がある状態の方が人はパフォーマンスが上がるし効率よく動ける上、物事を適切に判断できるのである。

さぁ、あなたはどちらをとるだろう。

大した意味のない常識や思い込みに縛られて、ストレスを抱えたまま最悪のパフォーマンスで必死に地べたを這いながら生きるか。

それとも無意味なものはさっさと捨て、対案と代案でストレスなくパフォーマンスを最大化し、コーヒーを飲みながら優雅に日々を楽しむか。

私は断然後者だ。

なお、今朝は無事にお弁当を作り、いつも通り息子の登校に付き添い、意外と時間に余裕を持って行動できた。爆弾的思考があればこその逆転勝利といえよう。

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