ぐっばい2022
2022年が終わる。早い。
ここ数年、私の人生はまるで光の波と粒のようにうねりながら、しかし明確に加速している。来年は2023年。スタンリー・キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」の時代設定から20余年が経過するわけだ。時間の経過に伴ってどんどん未来が遠のいていく不思議な世界線に生きている感覚である。
さて、カサンドラ症候群からの回復を宣言したのが2020年だったか。あれから2年。さまざまな可能性に満ちた2年だった。
昨年の2021年も飛躍的な年だったと記憶している。療養期間を終え、社会復帰に向けて活動の場と収入を増やすことを目標に行動し、それが達成された年だった。
実際のところ、収入はほどほどのところでセーブした。稼ぎ過ぎても都合がよろしくないし、そもそも私はあまり収入にこだわっていない。月収10万円だろうが100万円だろうが、生活レベルはさほど変わらないだろう。食べきれない分の魚まで釣らないのと同じである。資源を守るために、時にはリリースもためらわない。2021年はそんな年だった。
収入より、どれだけの市場を持っているかの方が重要である。
それはともかく、2022年の今年はさらに飛躍的で、事業を立ち上げるために必要な機材や資材の導入、商品のプロトタイプの設計など、何年もかけて練り上げてきた事業計画を具体的に動かすための準備に着手した年だった。仕事もプライベートもいっそう順調で、もしかすると私の人生においてもっとも幸福な年の一つだったかもしれない。
赤ちゃんが誕生して家族がもう一人増えた年でもあった。いろいろな意味で人生の転換期だったと思う。
「新年の抱負」などぶっちゃけどうでもいいが、来年は人生を変える動きを起こしたいと思っている。準備期間を終え、いよいよ計画を実行するタイミングだ。
この計画は私にとって人生の一大プロジェクトである。さまざまな検証を重ねて紆余曲折もあったが、試行錯誤した甲斐があり方向性とプランがかなりの高精度で固まった。
とはいえ、まだまだやらなければならないことはたくさんあるし、これからぶつかるであろう未知の課題も山ほどあるだろう。
しかし、いまだかつてこんなにポジティブなパワーに満ちた自分はいない。やる気や意欲とはまた少し違う、強いて言うなら精気にあふれた状態とでもいおうか。プレッシャーはない。リラックスし、ただ自分の人生がより良くなることにわくわくしている。
ところが、一つだけ無視できないジンクスがある。
長男が生まれた7年前、私は「家族のために頑張ろう」と一念発起し新たな事業を立ち上げ、最終的にカサンドラになって失敗した。あの当時と、次男が誕生した今の状況がやや似ているのだ。
当時の私はとても張り切っていた。事業はある程度成功し、海外にも順調に進出して、世界を股にかけてビジネスを展開した。
以前と違うのは商材と、私自身の状態だ。
商品に対する思い入れや情熱はあったものの、当時のビジネスはどちらにしても長くは続けていなかったと思う。商品や市場そのものにやや懐疑的で、自分に合うマーケットではないと感じていたからだ。
まして本業でなかったこともあり、いつでも撤退できる用意はあった。ある意味、練習感覚だったのだ。きたるべき日のための練習と実験の場である。お陰で商売のイロハやグローバルビジネスにおける根幹などいろいろなことを学べた。
その「きたるべき日」とはつまり、私が今後の生業とする仕事を生み出す日である。
やがてその仕事は会社組織となり、息子の将来の安全と幸福を担保する一つの資産になるだろう。
その第一歩となる日を、来年中に迎えることになるはずだ。
人生に新たな要素を取り込むということは、未知のリスクをも取り込むということである。しかし当時のように今の私は力んでいないし、リスクへの視野も広い。ビジネスのテクニカル以外のことも学んだ。そして何よりも「やらなければならない」「やるべきだ」というプレッシャーを自分に課していないのが大きい。
これは、私のこれまでの商売人生においてもっとも重要な気づきかもしれない。
「楽しめる仕事をしろ」である。
楽しもうとしてはいけない。
「楽しんでいる」と自分で言い聞かせてもいけない。
純粋に素直にまっすぐに楽しんでいることが重要だ。
実はこれがなかなか難しい。
2021年から2022年にかけて、ようやくこれができるようになった。
新たなカードを武器に、人生をさらに磨きたい。
来年もよろしく。
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