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金魚タウン

平均的なことは安心感を与えてくれる。逆に、偏りや狂気じみたものは、心の内をゾクッとさせる。人間が日常に安心を求める中で、スパイスのような少しのドキドキも求めるのは、人間の好奇心が強いからだろう。僕はよくスパイスを求めてグーグルマップを眺める。見つかるほとんどは平均的な街だ。繁華街があり、住宅地や農地があり、大小の道路がそれらを結ぶ。だけど、ときどきヘンテコな街を見つけるのだ。

あるとき、僕は異常に池の多い街を見つけた。最初は農業用水を貯めるための池かと思ったけど、それにしてはあまりにも多すぎる。これは、何かおかしい。すると、池がたくさん集まる中心に「金魚のふるさと郡山金魚資料館」という場所を見つけた。そう、これらの多すぎる池は、金魚の養殖池だったのだ。これだけたくさんの池があるのだから、相当たくさんの金魚がこの地図の中で泳いでいるに違いない。

この金魚タウン、ぜひ行ってみたい。金魚資料館はもちろんだけど、金魚の水槽付きの自動改札機の設置された駅や金魚が描かれたマンホール、金魚グッズを集めたお土産屋なんかもあるらしい。

偏りのある街は、想像を膨らませてくれる。ここに住む人たちはどんな風にこの池の広がる景色を見ているんだろう?金魚の養殖を生業としている人たちは、どんな暮らしをしているんだろう?金魚は何匹いるんだろう?どういう経緯があって、金魚タウンが誕生したんだろう?などなど。

実際にそこに行っていないのに、もう頭の中では旅が始まっている。僕の場合、地図から始まる旅が多い。地図は最高の旅のガイドブックだ。タモリさんならきっとわかってくれるはず。これからもスパイスの効いた街をこっそり見つけて、脳内旅行を楽しむのだ!


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