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夏祭り放浪記 その3:夏祭り「南北朝」時代と逃げ上手の職員

はじめに

 この記事は、「夏祭り放浪記」その3である。今回は、当局からの「代替案」提示と、夏まつり中止の説明会における当局との対峙の二本立てでお送りする。他編もぜひ読んでいただきたい。


6月13日――彼方より電撃的に到来した「ホコテン」――

 13日の朝8時、夏まつり実行委員会より一通のメールが届いた。

突然ではございますが、皆様にご案内がございます。
例年、夏まつり開催同日に、大阪船場繊維卸商団地協同組合様主催で、
箕面キャンパス前の道路にて歩行者天国を開催しております。
大阪船場繊維卸商団地協同組合様から、夏まつりに出店予定だった団体様が
歩行者天国へ出店も可能
であるというお話をいただきました。
出店可能な企画は、屋内、館内、ステージ企画のみと伺っております。
大変申し訳ございませんが、保健所の露店許可証の申請期限に間に合わないため、
模擬店企画の出店はできないとのことです。
(略)
・出店料に関して
現時点では発生しないとのことです。
(略)
また、歩行者天国のもともとの出店数に限りがございますので、
多くの方にご希望いただいた場合は抽選にて出店団体様を決定すると伺っております。
(略)
また、今回はまだ希望調査の段階ですので、
こちら(注:出店希望のグーグルフォーム)を記入して出店が確定するわけではございません
あらかじめご了承ください。

この朝、可能性ではあるが、(少なくとも元々夏まつりに出展する予定だった団体には)「歩行者天国(ホコテン)への出展」という道が電撃的に開かれた。要するに、実行委員会側が「代替案」を出してきたということだ。そして後に、これは当局が(おそらく「自主学祭」の機運に対抗して)提示させたものということが明らかになる。

 なおこの日、13日(木)・14日(金)の昼休みに、「夏まつり中止についての説明と、返金を行う会」を行うという連絡が実行委員会より届いた。

夏祭り放浪記 その2:役者、出揃う
https://note.com/goodboy4523/n/nc554d86b9e86

説明会を行う当日にこのような重大な連絡を行うというのもいささか困った話ではあったが、混迷した状況の中、実行委員会を責めるわけにもいかなかった。

ともかく、以後「夏まつり」の代替は複数形で言及されることになった。一つは(ダンスサークルの)自主学祭=(私の)個人夏祭り」、もう一つは「ホコテン」である。ここに、世継ぎを残さず崩御された「夏まつり」の王位請求者が2者現れる「南北朝時代」が始まった。そしてたちの悪いことに、どちらとも開催は確定ではなく「可能性」で語られるものだった。

 記しておくべきことは、ホコテンを主催する大阪船場繊維卸商団地協同組合には一点の「悪意」もない――むしろ、極めて慈善的であった――ということだ。開催まで1ヶ月を切った時に転がり込んできた「夏まつり」からの出展者という孤児の一個分隊のために、多大なる費用と労力を費やしてもらったし、それについて恩に着せるような態度も一切なかった。あえて責任を求めるとすれば、それは孤児から親を奪った者であり、孤児を引き取った者ではないだろう。

何をなすべきか?――「分断政策」へのスタンス――

 この、個人夏祭りの出展者に対する「分断政策」とも思える――そして実際その可能性が高い――「ホコテン」に対し、どのような態度で臨むべきかというのが、王位請求者の1人たる「自主学祭」「個人夏祭り」の首領として箕面キャンパス2階の事務室の壁に懸賞金を付されて顔写真が貼られているであろう私に突きつけられた課題であった。
 元々「夏まつり」に出展する予定だった団体は「ホコテン」に出られる可能性がある。しかもタダで。さらに、自主学祭とちがって「ホコテン」は当局お墨付きで正当性もある。設備も、学生によるニワカ作りの自主学祭よりはほぼ確実に良いだろう。
 こうなれば、物の道理として、「ホコテン」に出られる団体はそちらに流れることが容易に予測された――そうするのが合理的だ――。しかし、よく考えてみると、ホコテンはむしろ個人夏祭りにとって害どころか助け舟ではないか?
 この時、私の頭の片隅には自主学祭・個人夏祭りの規模が大きくなりすぎている――このままだと収拾がつかなくなるのではないか――という悩みがあった。特に、団体として出展を希望する者の中には、自主学祭の脱法性に懸念を持つ者もいた。自主学祭への出展により、団体に累が及ぶのではないかということだ。私が代表を努める英語専攻の有志団体「語劇祭英語専攻」内でも、その懸念が上がっており、自主学祭への出展に二の足を踏んでいた。はっきり言って、出展した団体の安全にまでにはさすがに責任は取り切れない。
 さらに、ダンスサークルが計画している自主学祭案は、予想される関係者が質・量ともに多い。そうでなくても、「個人夏祭り」の時点でまとめきれるか微妙なほどの出展希望者が集まっていた。そしてそもそも、ダンスサークルの自主学祭と私の「個人夏祭り」をどう兼ね合わせるかということ自体、五里霧中の状態であった。

「ホコテン」正義論――風船の「ガス抜き」――

 ここで、「何のために自主学祭をやるのか」ということを考えてみた。確かに、規模はできる限り大きい方が良い。しかし、第一目標は何か。それは、7・6に問題なく自主学祭を貫徹することである。そもそも私にとって自主学祭は「阪大における学生自治の回復」に向けた取り組み――降って湧いた機会ではあるが――の一環である。私の運動は↓の記事に書かれているような理論に基づいている。

要するに、「技術上は可能なこと」であるものの実際は(当局や「空気」に)「忖度」されて行われないようなことをあえて行い、それを周知することで、「忖度」の戦線に後退を迫ろうということだ。
 これに基づけば、ある程度の自主学祭を開いて、「開かれた」という情報がある程度周知されれば、それで目標は達成されることになる。逆に、「自主学祭をやる」ということが広く知られた――実際知られていた――上で、「やっぱできませんでした」とポシャってしまえば、阪大の学生自治にとってはむしろ後退という結果になってしまう。そして、イベントというのは風船のようなもので、規模が膨らめば膨らむほど、少しの刺激で破裂してしまう。
 であれば、ホコテンに出られる団体はホコテンの方に行ってもらった方が、膨らみすぎた風船の空気も適度に抜けて良いのではないだろうか。しかも、個人夏祭りには夏まつり中止後に初めて「参加したい」と集まった者もおり、彼らは当然夏まつり中止に対する代償であるホコテンに出ることはできないのだからこちらに残る。
 だからこそ、自主学祭に興味があり、かつホコテン出展権を持つあるサークルの代表から、「結局どちらに出ればいいんだろうか」と聞かれた時も、「正直ホコテンの方が良いと思う」とホコテンに誘導した――ホコテン出展も「可能性」でしかなかったため断言はできなかったが――。

一抹の不安――放浪再び?――

 しかし、ここに一抹の不安があった。当時のプランは、「ダンスサークルがキャンパス前の市の敷地を借りてくれるからそこを使えば良い」という前提に頼り切っていた。しかし、ダンスサークルがホコテンの方に行ってしまえば、当然ダンスサークル主催の自主学祭自体がお流れになってしまう。その場合、我々は再び安寧の地を失った流浪の民と化すことになる。ダンスサークルはこの時点では「ホコテン出れるかも未確定なので、自主学祭については様子見」ということで、ダンスサークルが抑えている敷地を今すぐ引き継げるわけではなかった。だが、ダンスサークル離脱に備え、どこか別の場所を確保しておきたい――特に、当局に手を回される前に――。この不安が解消されるまでには2日を要することとなった。

6月14日――決戦の「説明会」――

 そして来る14日金曜日、夏まつり中止についての「説明会」の日が訪れた。ここで、中止にまつわる裏の事情、突如浮上した「ホコテン」の真相、そして「個人夏祭り」につながる言質を得られるはずだった。特に、事前に実行委員会にメールにて「ある程度の決定権を持つ職員も同席させてほしい」と頼んでいた。彼に何を聞いてやろうかと理論武装の大軍拡を進めていたのである。

 説明会は箕面キャンパス1Fのホールで行われる手筈となっていた。私は他の出展者に向けたアピールとして準備した、「自主学祭やりたい!!!」と印刷した紙を裏表に入れたクリアファイルを手に、会場に入った。

「自主学祭やりたい!!!」は単なる願望であるし、「興味ある方~」の前には小さく「私の服に」とも書いていた。注意されたら「夏まつりとは全く関係ありませんが?言論の自由を抑圧するんですか?」と抗弁するつもりだったが幸運にもその機会は訪れなかった。

ちなみにこの時、前の席にはスーツ姿の男性4人が座っていた。机に乗せた肘に顎を乗せた姿から、私はこの時地域の方の出展者かと思い、自主学祭に興味を持ってもらえればと思いクリアファイルをこれ見よがしに持っていた。だが、彼らの正体と、この行為の無意味さがおよそ20分後に判明する。

逃げ上手の職員

 「説明会」は、夏まつり実行委員会幹部一同がホール前に並び、一斉に頭を下げることで始まった。

説明会の会場となった箕面キャンパス1階の「大阪外国語大学記念ホール」。「阪大・大阪外大の卒業生をはじめ、多くの方からのご寄付により設置されたホール」らしいが、大人が学生を矢面に立たせ頭を下げさせ責任逃れをするために使われることになると知っていれば彼らも寄付などしなかっただろう。

その後、実行委員会幹部による経緯や返金対応、ホコテンについての説明が始まった。内容としては、公然の「秘密」が公然の「事実」になっただけであり、新しい情報はなかった。まとめると、以下のような内容であった。

・中止は、5月24日の会食時の未成年飲酒が発覚したことが原因である。飲酒の強要や未成年飲酒による急性アルコール中毒はなかった。
・大学側からの正式な処分は7月に決定される予定であり、現時点で来年度の開催の可否は未定である。
・SNSの投稿削除は、会員のプライバシー保護のため大学当局側から指示を受けて行ったものであった。何の投稿も残らない状態でアカウントだけ残すのは不自然と考え、アカウントも削除した。結果的にこの判断が混乱を招くこととなり、猛省している。
・参加費は返金する 規約には「返金しない」と書いていたが、委員会の都合での中止となるので返金します
・大阪船場繊維卸商団地協同組合主催の同日の歩行者天国に出れるかも
歩行者天国は、「夏まつり実行委員会と関係ない」ため開催されるし出れる(かもしれない) 歩行者天国出展についての詳細は未定

大阪大学共通棟研究会
https://x.com/OU_sci/status/1801101792983634331
パノプティコンの真ん中にいる人🍉@木陰だめライフ
https://x.com/LBB_4523/status/1801490569371267568

そして、実行委員会の幹部が「では質問対応に移ります」と言った・・・待て。職員はどこに行った?

 質問を求めて手を挙げたのは私だけだった。マイクを手にするや否や、「職員さんはどこにいらっしゃいます?」と聞くと、振り向いたのは件の机に乗せた肘に顎を乗せたカッターシャツ4人衆だった。彼らは説明会中、学生が頭を下げる中それを他人事のように眺め、あわよくば学生を矢面に立たせ自分たちは逃げおおせようとしていたのだ(実際、木曜日の説明会で彼らは逃げおおせた)!例え実行委員会の未成年飲酒があったとしても、夏まつり中止の直接的な原因は中止の処分を下した当局にあり、責任の一端を負っている外面くらい取っていいはずだ。何たる卑劣さ!

 職員の責任からの「逃げ上手」は許さない。すかさず「皆さんの所属と名前を教えてほしい」と尋ねると、言うに事欠いて「我々は職員しか答えられない質問が来たときのためだけにいるので『自己紹介』はしない。先に質問を言え」とヘラヘラした様子でのたまった。

果たされた?「説明責任」

 ただ、ここで揉めて、聞くべきことや取るべき言質を逃す訳にはいかない。大人しく「先に質問」をしてやることにした。

 本題に入る前に、様子見にジャブを仕掛ける。「『SNSの投稿削除』は大学からの指示ということだったが、具体的にどこの誰が指示したのか?」。すると、観念したのか4人衆の一人が立ち上がり、「吹田学生センターの〇〇です。私が指示しました」と言って答弁を始めた。ちなみに、説明会を通して発言したのはこの職員だけだった。あとの3人は終始口を開かず身分も明かさずに終わった(一人は箕面キャンパス事務で、火曜日に我々が相対した▲▲だった)。何しに来たの?
 ともかく、この質問に対する答弁は、「学生の画像が拡散されたりして『必要以上の責を受けることがないように』消すよう指示した」ということだった。突然の垢消しで騒動になったことについては、「消すことで不信感を抱かせるところまで想像が至らなかった」ということらしかった。お前ふんぞり返ってたけどちゃんと騒動の責任の一端負ってるやんけ。「ではなぜ出展者への『中止』の連絡が遅れたのか?」と聞くと、「メールで連絡すると『情報が錯綜してしまうため』、対面での説明を望ましく思っていた なので出展者への連絡が遅れた」と返ってきたが、連絡しなかった今回の方がよっぽど情報が錯綜している。ちなみに、この時半笑いで時折タメ口になっていたので「敬語使ってくださいね」と釘を差しておいた。 

 ジャブはほどほどにして、本題に入る。「夏まつり『中止』は誰がどのような会議で決めたのか?」。返ってきた答えは、「『学生生活委員会』というところがあり、そこで決定された『と思ってもらって構わない』」だった。なお、この返答は不正確であったことが分かることになるが、それはまた後の話。
 よし。ここで勝負に出る。「あくまで『夏まつり実行委員会が活動停止になったため、中止になった』のであり、『夏祭り』自体が中止になったわけではないという認識で正しいか?」。
 答えはだった。これで、「夏まつりが中止になったんだから自主学祭はやめろ」と言われても「『夏まつりの中止』と『自主学祭の開催』は全く関係ない、そう言いましたよね?」と返せる。

 求めていたものは手に入れた。そろそろ引くとしよう。私はマイクを置いた。

6月14~17日――職員からの一通の「脅迫状」――

 昼休みの「説明会」の後、私は阪急の普通列車に乗っていた。京大・パレスチナ連帯キャンプの「中の人」(以後「A氏」とする)に会い、構内で活動を行う場合のノウハウを学ぶためだ。その時だ、火曜日に応対した箕面キャンパスの職員▲▲から一通のメールが届いたのは。

 このメールは、火曜日の「自主学祭のためにキャンパスの貸し出しは可能か」「そうでなくても、市の敷地を借りて自主学祭を行っても良いか」という質問への返答として送られてきたものであった。しかし、メールの内容は、「大阪船場繊維卸商団地協同組合のご厚意で歩行者天国に出展できるようになった」という質問の返答になっていないことを12行にわたり長々と書いた後に、

希望する団体は、□□君(夏まつり実行委員会幹部)からの出店希望調査に回答いただき、大阪船場繊維卸商団地協同組合様のご厚情に応え、地域と大学の交流の機会となるよう協力いただければと考えています。

ご相談いただいた箕面キャンパスの3階のピロティ貸し出しは、大学から許可することはできません。以上の事情を踏まえ、地域との協働事業の妨げにならないよう行動していただくようお願いします

と締めくくられていた。キャンパスの貸し出しは元から期待していなかったので良いが、「地域と大学の交流の機会となるよう協力いただければと考えています」「以上の事情を踏まえ、地域との協働事業の妨げにならないよう行動していただくようお願いします」とは何事か。要するに「面倒事を起こすな」という「圧力」ではないのか。さらに、このメールは、説明会のすぐ後に送られてきた。まるで、私が金曜日に説明会に来ることを分かっていたように。私のSNSを監視しているのか、あるいは・・・と陰謀論者になってしまいそうになった。

 私は「忖度」要求をフル無視した返答をよこした。

お世話になっております。▲▲様(職員)は火曜日対応頂いた方でしょうか、その節はありがとうございました。

・夏まつりが中止になったことについて、既に準備を進めていた団体、発表の場が無くなり残念に思っている団体が多数ある。
有志で集まって、小規模になって名前が変わっても構わないのでイベントを開催することはできないか?
箕面キャンパスの場所さえ貸してもらえれば、自分たちで開催する。

・箕面市のデッキについては、貸し出しの依頼を行い、有償で貸してもらうことができそうだ。
上記がだめな場合は、箕面市のデッキのみを使用して、そのスペースを利用して、箕面市から許可される範囲で、可能な団体に出店いただき、イベントを開催してもよいか。

頂いたメールに記載の通り、上記二点について質問させて頂きましたが、
質問へのご回答の内容としては、「夏まつりに出店予定だった団体については、歩行者天国への出展が可能な可能性がある」「『箕面キャンパスの3階のピロティ』の貸し出しは、大学から許可することはできない」の二点という認識でよろしいでしょうか。

お忙しいところと推察されますが、その中で対応頂いており感謝しております。よろしくお願い致します。

メールの職員が火曜に対応した職員かを確認するとともに、結局連絡の中身は「夏まつりに出店予定だった団体については、歩行者天国への出展が可能な可能性がある」「『箕面キャンパスの3階のピロティ』の貸し出しは、大学から許可することはできない」の二点だけだろ?と念を押した。

ちなみに、月曜日にさらに返答が来て、

箕面市のデッキの使用については、大学で判断できません。
3階でのイベントの開催にあたっては、適切な安全対策や近隣への事前周知等配慮が必要となります。

ただし、7月6日については、既にお知らせされているとおり、大阪船場維卸商団地協同組合様より夏まつりに出店を予定していた団体については、ご配慮いただけることになりましたので、
地域との協働事業の妨げにならないよう行動していただくようお願いします

と改めて圧をかけられた(「やってもらって構いません」と言えばいいところで「大学で判断できない」という言い方をする)。「『地域との協働事業の妨げにならないよう行動していただくようお願い』って越権行為ではないのか?」と刺して見たかったが、藪蛇になって妨害行為をされても困るので、

ご懸念されているであろう点についてですが、私としても、大阪船場維卸商団地協同組合が、中止にされた本年度の「夏まつり」に出展予定だった団体/企画を歩行者天国に受け入れんしていることについては、人道的であると考えておりますし、そちらに出展できる団体はそちらに出展するのが最善と思っておりますので、ご安心いただければと思います

と宥めてやったら、それ以降返信は来なかった。

「ホコテン」分断政策説?

 また、当局がここまで「地域との協働事業」(=ホコテン)の「妨げ」(=自主学祭)を嫌うということ、そして、ホコテンの話が急に出てきたこと(発表された木曜日にはまだ「出れるかもしれない」という段階だった)から、「ホコテン」は当局の「自主学祭」に対する対抗措置・分断政策ではないかという疑惑も浮上した※1。当初は代替案もなく中止するつもりだったのが、火曜に我々が自主学祭の話を事務に持っていったため、その後焦った当局が「ホコテン」という代替案を急遽用意し始めたのではないか。「ホコテン」という代替案により、自主学祭の規模縮小ないしは消滅を目論んでいるのではないか・・・
 ここで一つ資料を見せよう。金曜日の説明会後に来たメールについて、「12行にわたり長々と」というのは具体的には次のような内容だった。

既に昨年度夏まつり実行委員会委員長の□□君からメールで案内され、昨日、本日の説明会で説明があったとおり、夏まつりの重要なステークホルダーである大阪船場繊維卸商団地協同組合様から、夏まつりに出店予定だった団体について、可能な範囲で歩行者天国へ出店してもらうことも可能であるという連絡をいただいています。
昨日(木曜日?)、学部長、専攻長と同組合様に相談に行きましたが、夏まつり開催中止により、多大な迷惑をかけているにも関わらず、次年度以降の夏まつり開催復活に期待いただき、地域と大学の交流の機会が途絶えることのないようにと、歩行者天国は予定どおり開催したい、夏まつり中止により出店ができなくなった団体(飲食の模擬店を除く)、ステージでの発表を予定していた団体で希望される団体は、可能な範囲で歩行者天国内、COM3号館館内での出店及び歩行者天国内にステージを設置し、発表できるように準備も検討したいという温かいお言葉の説明がありました。

 「学部長、専攻長と同組合様に相談に行きました」ということより、ホコテンは実行委員会ではなく、事務・教員レベルでの話であることがわかる。当局が自主学祭への対抗措置という積極的な動機から「ホコテン」を押し出し自主学祭を潰そうとしたのか、組合から「ホコテン」の打診を受け、なけなしのメンツを守るためという消極的な動機からかは知らないが、とにかく当局から見ると「ホコテン」と「自主学祭」は相容れない存在のようであった。真相の一端は、後に離脱することになるダンスサークルの話により明らかになる(その4にて扱う予定)。

※1 この時点で、ダンスサークルが主導すると見込まれる「自主学祭」と、私が提唱する「個人夏祭り」の間の関係は不明確だった。ただ、前者が大規模かつ、他団体も広く受け入れる意図を示していたことから、前者が後者を包括する形を朧げながら想定していた。

 話を戻す。電車は目的地に着いた。改札を出て、待ってくれていた京大のA氏と合流する。華の金曜日夜(というには少し早かったが)、二つの旧帝大の「ウラ」を肴に美味い酒と料理を頂いた(全額奢っていただいた 感謝)。使わずに済み「ムダ知識」になればいいなと思いながら、京大のキャンプを当局からいかに守りきったかという話を聞いた。ちなみに先述の圧力メールは、「その2」で紹介した地域住民の方にも共有した。憤りを共有していただいたようだった。

その4へ

 次回は、当局の圧力によるダンスサークルの離脱と最終的な会場となる「チカノバ」の発見を扱う。これまでが激動の日々すぎて1日ごとに数千字を解説に要していたが、そろそろそれも落ち着いてくるころだ。次回も乞うご期待。


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