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【後編⑶】感情のオープンなコミュニケーション

前回のあらすじ

人がマウントを取りたがる心理的要因に対し、心理的健康を促進するために6つの項目に分けてみました。

教育の充実
 …フィンランドの事例。『生きる力』の育成と総合的な人間形成に焦点を当てた教育。
感情のオープンなコミュニケーション
社会的なサポートシステム
労働環境の改善
多様性と包摂性
適切なメディア表現


今回は、2つ目の感情のオープンなコミュニケーションについてみていきたいと思います。

2.感情のオープンなコミュニケーション
感情のオープンなコミュニケーションが奨励される環境が社会において重要であることは、その影響を最も端的に示す事例として、ニュージーランドに焦点を当ててみましょう。ニュージーランドでは、メンタルヘルスに関するスティグマを減少させ、個人が感情を開かれて表現しやすい社会風土が築かれています。

まず、ニュージーランドではメンタルヘルスに関するスティグマを減少させるための積極的なキャンペーンが展開されています。例えば、政府や非営利団体による広報活動が、メディアやオンラインプラットフォームを通じて広く行われています。これらのキャンペーンは、メンタルヘルスに関する偏見や無理解を減少させ、感情や心の健康に対する理解を深めることを目的としています。

また、ニュージーランドでは学校や職場などでメンタルヘルスに関するトピックがオープンに取り上げられています。学生や労働者は自分の感情や心理的な状態について話しやすい環境が整備され、専門のカウンセリングやサポートが提供されています。これにより、個人は抱える問題や感情を適切に共有し、サポートを受けることができるようになっています。

ニュージーランドでは、メンタルヘルスに対するオープンなコミュニケーションが一般的な文化となりつつあります。一般の人々が感情や心の健康に対して理解を示し、他者の経験に対して共感を示すことが奨励されています。このような社会風土が、感情を表現しやすい環境を生み出し、メンタルヘルスの問題に対する偏見を軽減しています。

事例として挙げられるのは、ニュージーランドの「Depression.org.nz」キャンペーンです。このキャンペーンでは、メンタルヘルスに関する啓発活動が積極的に行われ、ウェブサイトやSNSを通じて広く情報が提供されています。また、このキャンペーンでは「Getting Through Together(一緒に乗り越えよう)」というスローガンが掲げられ、感情や心の健康についてオープンな対話を奨励しています。


総じて、ニュージーランドの事例は感情のオープンなコミュニケーションがメンタルヘルスに対するスティグマを減少させ、個人が感情を表現しやすい社会風土を築く上でどれほど重要かを示しています。このような環境が整備されることで、個人は感情や心の健康に対してオープンで健全な対話ができ、メンタルヘルスの問題に対する理解が深まります。

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