見出し画像

酸素ハウス(7日目)茶トラゆずとの幸せな日々 vol.37

7日目(金)
レンタル会社の開始時間を待って、ペット用の酸素ハウスのレンタルを申し込みます。
ハウスの大きさ、新旧機種のどちらにするかなどのお金にかかわる事は事前の説明を受けます。
家に届けてくれ、使い方の説明をしてくれるようにお願いします。
「明日届けてくれるって」
電話中も近くでなにか言っていたお父さんが、
「明日かー、港北区なら取りに行くよ。苦しそうなゆずの姿を見てられない!」
届けてもらう事しか頭になかったので、
(ほっほー。お父さんも必死じゃないの。)
再度電話し、3時に取りに伺う事に変更します。
取りに行くとなると、大きさや重さなどが気になります。パンフレットやスマホで確認すると、新型機種の方が音が静かで、重量が7キロほど軽い様です。それでも15キロ以上あり、ハウスも8キロあります。
腰に自信の無いお父さんにとって、7キロの違いは大きく響きます。再再度電話で、謝りながら新型機種に変更をお願いしてやっとひと段落しました。
日頃ケチケチし少しでも金額の安いほうを選びがちな性格ですが、出費は気にしていられません、非常事態です。
(こんな時に使わないでどうするんだ。今でしょう!)

奈々はリモートワークがあるので、お父さんと2人で、ゆずを病院に連れて行き、ゆずごはんとゆずトイレも助手の方に預けします。
夕方迎えに来るからがんばってね。

港北区に向かう車中で
「そういえば、夜ご飯食べると直ぐにお父さんの布団の上で寝てたよねー」
「帰って来た時に玄関までお出迎えしてくれない日もあったよね」

常に、どうして肺炎になっちゃったんだろうっと思いを巡らせている私の頭は、過去のゆずの行動を思い出し考えています。
ゆずはしょっちゅう寝ているのですがある程度のルーティンに沿って1日を過ごしています。
静かに寝たい時もあるので1人で離れている事も多いのですが、夜ごはんの後は比較的ソファや、クッションの上にいる事が多く、特に私と2人の時は横でくつろいでいる事が多かったと思います。
お父さんのベッドで寝ている時も、布団の中に入って、顔だけちょっと出している様子ではなく、布団の上にいるのは比較的少なかった気がします。
もちろん暑くなって来たので上に移ったとも考えられます。
「布団をホジホジするのも、面倒だったのかな?調子悪かったのかな…?」
向かう途中で雨が降り出し、どんどん酷くなって来ます。
(わー、出し入れが大変だ!)

幸いにも雨は酸素ハウスを運ぶ時小降りになり、降り終えた後に家に帰り着きました。

酸素ハウスの組み立てはとても簡単で、手で回すネジだけで出来ます。少しの穴、開閉小窓があります。本体機器もボタンひとつで、およそ35%濃度の酸素がハウス内に吹き込みます。調整機能のボタン類は一切なく、指一本方式です。
素人があれこれ調節出来ない仕様になっているのでしょう。
吹き出し部分に顔を近づけて呼吸してみますが、私にはわからないほどの違いです。逆に少し嫌な感じです。
(こんな感じでいいのかな?酸素を必要とするゆずが吸えば楽になる空気なのかな…)
本体機器の音が少し気になるので、廊下にだし、管を延ばして遠ざける事に、新機種でもこの音だから旧機種にしなくてよかったと思いました。
疲れたので、ゆずの引き取りは奈々にお願いしていましたが、直前にゆずが頑張っているんだからと、思い直し、3人で向かいます。

先生に酸素ハウスを取りに行きスタンバイオッケーな事を伝え、家での指示を仰ぎます。
「苦しく、腹式呼吸があるうちはハウスの中に入れ、呼吸が楽になって落ち着いたら出してあげた方がいいですよ。ハウスにずーっと入っているのも負担はあるからね。」

ゆずはずーっと腹式呼吸になってしまっているんですが、その場合はずーっとハウスの中でいいんですか…?疑問は残りますが、とにかくハウスに入れて様子を見てみよう。
帰りがけ、ごはんを食べない対策で、子猫用の細かくなったごはんを買いますが、お父さんのリモートワークの会議時間を失念していた事に気付いて急いで家に戻ります。
(はー、ひと段落、疲れた…)

和室にセットした酸素ハウスにゆずを入れ、観察。水、ごはんも置いてみると、水を飲んでいます。もう長い事水を飲む姿しか見ていません。家族それぞれが自分の仕事をこなしつつ、ゆずを見に和室に行き、酸素ハウスの小窓から手を入れてゆずの身体に触れてみます。
           つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?