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enspace

雑貨や飲食のお店の多い肴町公園界隈にあって、ビル一棟をリノベーションしたスタイリッシュな外観の施設が、東北最大級のシェアオフィスenspcaseさんです。支店経済都市である仙台で、自ら新しい事業を起こそうとしている東北の人たちをサポートし、人や情報のハブとなるenspacesさん。そのコミュニティマネージャーである可野沙織さん(以下:K)にお話を伺いました。

-- enspaceはどんな場所なのか、事業についてまず教えていただけますか。
K enspaceは、東北で新たに事業を立ち上げたい人やビジネスの芽を育てていく環境を創り東北のハブとなることを目的として事業を行っています。具体的には、設備としてシェアオフィス、コワーキングスペース、レンタル会議室を備えていて、入居者の方々に対してバックオフィスワービス、コミュニティサービス、起業・創業支援サービスなどのサービスを提供しています。組織の母体は東京に本社を構えるIT会社です。もともと事務所とマンションだったこの建物を一棟まるごとリノベーションして、事業をスタートしたのが2018年です。

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-- 可野さんはespaceの立ち上げ以前から母体の会社にいたんですか。
K 私はenspaceの立ち上げから今の会社に参加しました。出身は宮城県の登米で、前職では東京でコールセンターなどのマネジメントの仕事をしていました。前職の時に企業同士の交流会があって、当社の代表の吾郷と知り合いました。その時に吾郷から東北で事業を立ち上げる話を聞いたんですが、吾郷の東北に対する想いがすごくて、東京にこんなに東北の可能性を感じている人がいるのかと驚き、それがきっかけでenspaceのプロジェクトに関わるようになりました。現在はコミュニティーマネージャーとして、入居者さんたちのビジネスを広げるためにサポートをしています。

-- 入居者さんの属性として地域的な特徴はありますか。
K 大きくは、東北に本社を置く企業さんと、関東に本社を置く企業さんがいます。関東の企業さんは、自分たちの技術や商品を地方が持つ課題の解決に還元したいと考えていて、東北各地の人から生きた情報を得ることを大切にしています。その点で、enspaceには東北の情報が集まりますし、私たちスタッフが日常的に入居している社員さんの話し相手や相談に乗ることができるので、単純に賃貸オフィスを借りる以上のメリットがあり、東北のビジネスへの足掛かりにすることができると思います。

-- 入居者はどういう業種の方が多いですか。
K 圧倒的にIT関係の企業さんが多いです。あとは、珍しいところだと整骨院もあります。その方曰く、整骨院というのは人の健康に関わる魅力的な仕事だけど、将来を担う若い人には地味な業界だと思われていて、採用などでアピールが難しいらしいのです。そんな中で、施術をする色々な場所があったとしても、enspaceのような場所に構えているということで、若者に対して、この会社は新しいものに関心があって、様々な人が行き来する、かっこいいオフィスで働くということに理解のある会社なんだ、というふうにメッセージになるのだそうです。そういう使われ方はおもしろいですね。

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-- 学生インターンの方もよく見かけますが、学生と運営するのはどんな想いがありますか。
K 目的意識の明確な学生は社会やビジネスの現場を知りたいと思っていて、一方で企業にとっても学生の行動力や柔軟なアイディアというのが刺激になります。enspaceはそういう学生と企業を繋げる場所になりたいという想いで学生のインターンを受け入れています。あとは、学生のうちに起業を考えている学生もいるので、そういう学生と企業を繋げる役割も担いたいと思っています。

-- 学生とプロジェクトをともにすることは、長い目で見ると、同じ想いで地域を盛り上げていくような、同志を作ることにも繋がっていきそうですね。
K そうですね。enspaceのインターンを経て社会に出て行った学生には、将来は東北を一緒に盛り上げてほしいという想いはあります。私自身もそうですが、自分が育った地域や、学生時代を過ごした街に思い入れを感じている人はたくさんいると思います。社会人になってスキルを身につけて、東北に帰ってきたらこういう事業を起こそうと考えた時にenspaceがあれば、私たちが彼らの事業を支援することもできると思います。そうすれば、仙台という街が活性化して、東北のさらに広い地域にその熱量を届けることができます。そうして、この地に生きていく人として、活躍してくれたら嬉しいなと思います。

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-- ビルの軒先にベンチをおいたり、シェアサイクルのスペースを設けたりと、外との関わり方なども意識されていると思います。また、肴町公園の地域清掃にもenspaceのスタッフの方が参加しています。地域との関わり方で考えていることはありますか。
K 地域に愛される場所になりたいですね。たまに軒先のベンチにおじいちゃんやおばあちゃんが座っていて、お話をすることがあります。楽しい時間を共有して、顔の見える関係ができてくると、ローカルコミュニティの信頼関係が深まっていきます。世代を超えて日常的なコミュニケーションが自然と生まれるようになれば、それがこのエリアの価値になると思います。いろんなスキルや個性をもった人がたくさんいるし、このエリアを訪れる人はそういうおもしろい人に出会っていると思うので、そういった人たちがうまく掛け合えばこのエリアでおもしろいことができそうですよね。

施設情報
enspace
仙台市青葉区国分町1丁目4−9

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