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第17回 プレゼント

2021年春、夫が仕事で東京に滞在している間に、大学に合格した息子は上京した。食事付きの寮に入ることになった息子の生活の基盤を、夫が整えてくれた。
「〇〇(私)は今まで頑張ったから、ここからは俺に任せて!」と言ってくれたので全面的に任せた。(感謝!)

数日後、帰宅した夫が「受験お疲れ様。二人で選んだよ」と言ってプレゼントを渡してくれた。思いがけないことで驚いた。「袋の中に〇〇(息子)からの手紙も入ってるよ」と言ったので、プレゼントより先に手紙を開けた。

ママへ、と書かれた懐かしい息子の文字を見た瞬間、涙が出そうになった。そこには、18年間の感謝の思いが綴られていた。私が陰ながらサポートしていた細かなことも、ちゃんと息子に伝わっていた。途中から私は号泣し、涙が溢れて止まらなかった。涙でかすむ文章を繰り返し読んだ。そんな私を見て夫は「そんなに感動すること書いたのかー」と笑っていた。(笑う所?)

ようやく涙が止まり落ち着いたところでプレゼントを開けた。某ブランドのピアスだった。新生活の準備で忙しいのに、わざわざ二人でお店に行って選んでくれたのかと思うと胸が熱くなった。

感動に包まれながら息子にLINEをした。気恥ずかしくて伝えられなかった私の想いを切々と書いた。書きながらまた泣けてきた。すぐに息子から返信が来た。ふなっしーのオッケーナッシーのスタンプのみで、少し拍子抜けした。親子の温度差はこんなものよね、と自分を納得させたら涙が引っ込んだ。笑


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