【創作BL】明日に向かって❸

医療機器メーカーの外回り営業を終えた次の日、
ユウキが所属している部署内のチームミーティングがあった。青柳さんが直属の上司となる社員全員で、現在の案件の進捗状態と今後の改善策について話していく。そこには、自分の進捗をここぞとばかりにアピールしたいもの、自信がないから声を上げたくないもの、様々な面々が揃っている。ユウキはというと、自分は事実仕事をしてきたわけだから、毅然と振る舞い、それなりの批評をもらおうとたくましい気概で挑んだ。そして、いよいよ進捗状況の報告会がはじまる。ユウキの番が来た。
「先日、杉本医療機器メーカーさんに訪問して参りました。新商品のレントゲンを開発する予定があるそうですが、半導体は他社と迷われているそうです。ただ、弊社のアフターフォローについて詳しく説明したところ検討いただけるとのことです」
順調な滑り出しのプレゼンだった。また、曲がりなりにも自分自身の行動計画をきちんと話していた。
そこで、青柳さんが口を挟む。「入社して間もないけど、新しい取引先を開拓する努力が見えてるね。
すごい頑張ってると思う」珍しく、称賛の言葉をいただけて、ユウキはほっと肩を撫で下ろす思いだった。


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