見出し画像

石田衣良 娼年、逝年、爽年、を読んで。

★女性に人気の映画『娼年』
私がこの作品を知ったのは、Amazonのプライムビデオのおすすめからだ。どういうアルゴリズムでおすすめに出てきたかわからないが、タイトルと松坂桃李のビジュアルの良さに唆され見ることになった。最初に、耳の聞こえない女の子が、娼夫になるための試験台として使われているシーンはかなり衝撃的だった。後に彼女が、娼婦の母親と絆が深いことを知り、本意で持ってやっていることが分かり安心したのを覚えている。友人にもこの映画の話をするとかなり盛り上がる。やはり、松坂桃李が体を張って演じているだけあり、見応えのある作品になっている。

★三部作を通しての感想
静香さんが出所するところから、第二部が始まって行く。リョウが娼夫になっている事実に絶望した恵であったが、後にクラブパッションの経営に携わることになるのがとても衝撃的だった。またリョウが出会っていくお客様のストーリーも娼年と同じように辿ることが出来て、常に新鮮味のある内容だと感じる。また、途中で新しい登場人物の性同一性障害を持つアユムが登場する。アユムの葛藤を、リョウが一緒に向き合い、アユムの親御さんを説得するシーンが感動的だった。

★Anotherストーリー『初めて彼を買った日』
この三部作にはAnotherストーリーがあるのはご存知だろうか。この作品には、リョウのお客様側の視点でリョウの魅力とそれぞれのお客様の人生観が描かれている

★最後に私のお土産話
この作品に関して、友人と盛り上がったと記したが、その友人に「娼年の続きの小説を読んだから貸すよ」と貸したはいいものの、活字を読むのが苦手だという理由で読まれないで返ってきた。この話の続きを知らないのはもったいないことだから、自分は本が読める人間で良かったと思う。セカンドストリーがまた映画化されれば、喜んで見に行くが、今のところ全ての結末を知っているのは活字が読める人間だけで、とても誇り高いことだ。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?