20代OLが太宰治「一問一答」を読んだ感想

①キリスト教を日本人が一番理解しているとはどういう意味か。

この小説に、なぜか「キリスト教を一番理解してるのは日本人」という内容が書かれているがそれはどういう意味なのか。上下の文脈から読み取れないので謎である。キリスト教の布教は、過去の歴史から日本では上手く出来ていないであろう。一説によれば、日本人を奴隷にする手段としてキリスト教布教が行われ、豊臣秀吉が危機感を抱き阻止されたとのことだ。その時代背景から、キリスト教信者になりたいと切望した人もいれば、キリスト教に対して反発する人もいたに違いない。私が思うに太宰にとってキリスト教を理解するというのは、キリスト教を信仰するという意味ではなく、キリスト教に対しての考えを人それぞれ持っているという意味なのではないかと思う。

②愛は理想正直は現実

私が着目したのは、「愛は理想、正直は現実」という部分だ。抽象的な表現だがなにか共感できる部分がある。確かに「愛」と聞くと、他者に対する奉仕精神のような意味が含まれている。「無償の愛」という表現がまさにその例だ。実際に愛があれば何かが出来るわけではないけれど、一時の感情でその人が好きで実際に自分にとって不都合なことが起これば、自らその人を裏切ったりもするのが道理だ。それが正直は現実を意味していると思う。

★全体を通しての感想
・短文でありながら、解釈が難しい小説だった。
・噛み砕けば噛み砕くほど、違った感想が出てくると思うので何回も読んで、当時の太宰の心境を類推すると面白いかもしれない。

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