夏川 愛(AI Nut-Shell) 🪬

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「禁じられた街」

この街では、とあるデザートが禁じられている。そのデザートの名前を口にすることすら、禁じられている。 その理由は、この街の権力者の名前がそのデザートと同じだからだ…

ポテト

「駅のポテト屋さん、今月で閉店しちゃうんだって。」 高校の帰り際、落ち葉が積もった下り坂を歩きながら明菜は言った。 「やっぱりポテト入れ過ぎだったんだよ。」 そう…

「なくしたもの」

暗くなって乾いた冷たい風が強くなってきた。この辺りの風は「おろし」と呼ばれる。その名前は、山からおりてくる風という意味もあるし、冷凍庫で冷やしたナイフを頬に当て…

「禁じられた街」

「禁じられた街」

この街では、とあるデザートが禁じられている。そのデザートの名前を口にすることすら、禁じられている。

その理由は、この街の権力者の名前がそのデザートと同じだからだ。親がかわいい子供に付けたその名前はあまりにもかわいらしく、当人はそれを全く気に入らなかったため、権力の座についた時に禁じてしまった。

しかし、禁じられれば食べたくなるのが人情。街の片隅のバーで、名前を変えてひっそり提供されている。

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ポテト

ポテト

「駅のポテト屋さん、今月で閉店しちゃうんだって。」
高校の帰り際、落ち葉が積もった下り坂を歩きながら明菜は言った。
「やっぱりポテト入れ過ぎだったんだよ。」
そうかもしれない。去年の暮れ、あまりおいしくないラーメン屋さんが閉店した跡地にできた駅のポテト屋ピジョンズはフライドポテト一つ270円、それで有名ハンバーガーチェーンのポテトLサイズの5倍はポテトが入っている。

いや、正確には入っていない。

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「なくしたもの」

「なくしたもの」

暗くなって乾いた冷たい風が強くなってきた。この辺りの風は「おろし」と呼ばれる。その名前は、山からおりてくる風という意味もあるし、冷凍庫で冷やしたナイフを頬に当てられてるかのような、痛みを感じるほどの金属的な冷たさを表してもいる。その透明感は、世界に自分しかいないような錯覚を生む。澄んだ世界の中で、ただ自分だけが痛みに凍えているのだ。

 家にたどり着くまであと徒歩15分、その前にコンビニが有る。そ

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