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夜、蝋燭を灯して。

  化物蝋燭  著・木内 昇

当代一の影絵師・富右治に大店から持ち込まれた奇妙な依頼とは(「化物 蝋燭」)。越してきた夫婦をめぐって、長屋連中はみな怖気を震うがその正体は?(「隣の小平次」)。名手が江戸の市井を舞台に描く、切なく儚い七つの大江戸奇譚集。

あらすじより

ネタバレあり

①隣の小平次    早桶屋✖️夫婦

 長屋に引っ越してきた新婚夫婦の旦那さんが、もうこの世の人ではないと噂が流れてドギマギしましたが、切ない真相でした。
 もう一組の熟年夫婦のわだかまりも解決して安心しました。心地の良い読後感です。

②こおろぎ(虫編に車)橋    薬屋✖️七十七日

 終盤、所々の違和感が解けて切ないながらも腑に落ちました。母は強しだな。

③お柄杓      豆腐屋✖️転生

 これも夫婦の話。来世まで心配してもらえるなんて、幸せ者だな。微笑ましい未来に頬を緩めました。

④幼馴染      油問屋✖️疫(フレネミー)

 切ないながらも心温まる結末の話が多い中、これは異色でした。お咲が結婚式の夜に提案したことに無邪気ささえ感じられ、人の闇を目の当たりにした感じです。

⑤化物蝋燭     影絵師✖️跡継ぎ

 どんな化け物が出てくるのか、怖々でした。当代随一の影絵見てみたいな。

⑥むらさき     紙問屋✖️後悔

この話が、一番輪郭がぼんやりして掴みどころがなかったです。

⑦夜番        修繕屋✖️付喪神

 見えないものが見える乙次とお冴の関係性が良かったです。この2人でシリーズ化して欲しいくらいです。

各話で感じたことをまとめてみました。木内さんの、しっとりした世界観が心地よいです。

以上、ここまで読んで頂きありがとうございました。
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