なぜ統失 第6部 「長期入院編@3回目」⑦実習生さんがやってきた!
前回の続き。
閉鎖病棟に入院して暫く経ったある日、
看護学校から実習生が数名ほど研修にやって来ました。
一人、僕の担当に付いてくれる事になりました。
体格の良い男性で、
歳は僕のひとつ下だそうです。
朝から夕方まで、
付きっきりで僕のお世話をしてくれるそうです。
とはいっても、
僕は普段大人しく本を読んでいるだけなので、
別段することは何も無かった筈です。
ずっと僕の横について回って来るので、
仕方なく、二人して黙ってベッドに腰掛けているか、
適当な雑談をして時間を潰していました。
実習生さんは、
某大型家電量販店に勤めていたそうなんですが、
人間関係が嫌になって退職されたそうです。
看護師になろうと思ったきっかけは、
2chの転職板で、
30代で転職するとしたらどんな職業が良いか相談をして決断したそうです。
僕も2ちゃんねらーだったので親近感が湧いたのか、
色々な話をしました。
話をしていて、
実習生さんも相当なヲタだなと感じました。
アニメやゲームの話ばかりしていました。
僕はガジェットなんかの家電も大好きなので、
家電量販店の裏話も色々と話して貰いました。
統失になったきっかけの話は、
妄想と取られてしまうので勿論話していません。
精神科は楽だけど給料が安いそうで、
精神科への就職は考えてはいないと語っていました。
ある日、
病院の敷地内を気晴らしに散歩することになりました。
実習生さんが、
「にゃぶりえるさん、シャバの空気が吸えますよ!」
と冗談ともなんとも言えないセリフを吐き出しました。
そして、
「絶対走って逃げ出さないで下さいよ!」
と念を押されました。
散歩の最中に、
僕が学生の頃は足が早かったと言う話をすると、
実習生さんが、
ちょっと競争をしてみようと言い出しました。
ゴールを決めて、
ヨーイどん! で全力疾走で二人して駆け出しました。
僕はベッドでほぼ寝たきり生活を送っていたという事もあり、
バランスを崩して派手に転んでしまいました。
全治1ヶ月のデカい擦り傷を負ってしまいました!
未だにその時の傷跡が足に残っています。
実習生さんは後でこってりと絞られたのでしょう。
しばらくしょんぼりとうなだれていました。
実習生さんは一週間くらいで病院から去って行きました。
続く。
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