なぜ統失 第６部 「長期入院編＠３回目」⑥いやらしい本。

前回の続き。

病棟では、患者さんとおしゃべりをする以外、
基本なにもやる事がありません。

携帯音楽プレイヤーで音楽を聞いていたり、
携帯型ゲーム機で遊んでる患者さんもいるのですが、

前回の入院時、

主治医のアタオカ先生に、

「音楽もゲームも寝るから駄目！」

と訳の分からない事を、
鬼のような顔で言われてしまっていたので、

今回は端から諦めて、

持ち込んでいいかどうか確認を取ることすらしませんでした。

昼寝をすると怒られるし、

仕方がないので、
病棟内に設置されている小さな本棚にある漫画を読んで暇をつぶす事にしました。

漫画のジャンルは統一されておらず、

コンビニで売っているような分厚い漫画や雑誌がほとんどです。

恐らく入院していた患者さんが置いて行かれたのでしょう。

唯一全巻揃っている漫画があったので、
それを読んでみることにしました。

羽海野チカさんの

『ハチミツとクローバー』

と言う少女漫画です。

僕はヲタなので、
漫画のタイトルだけは聞いた事があったけど、
読んで見た事はありませんでした。

ちょっと読んだだけで見事にはまってしまいました。

すぐに読み終わってしまうのが勿体なくて、
一コマ一コマ噛みしめるように読んでいました。

一週間くらいかけて全巻読み終わってしまいました。

あまりにも面白かったので、
退院してからアニメ版も見てみました。

同じ作者の、

3月のライオンも大好きです！

漫画を読み終わってからは、
家から持ってきて貰った小説を読んで過ごしていました。

僕が小説を読んでいると、

看護師さんが、

「にゃぶりえるさん、何の本を読んでいるの？」

と尋ねてきます。

”なぜ統失 第４部 ⑥人殺しの本 を参照”

ある日、

読んでる本の事を毎回聞かれるのが嫌になって、

「なんでもいいじゃん」

と素っ気なく答えたら、

「まさかいやらしい本を読んでるんじゃないでしょうね！」

と、ちょっとキツめに問い糾されてしまいました。

決していやらしい本を読んでた訳じゃないけど、

ちょっと恥ずかしいタイトルのラノベだったし、

めんどくさいから説明せずに、
その場は黙ってやり過ごす事にしました。

今回の入院も、
ほぼ一日中本を読んで過ごしていました。

続く。