なぜ統失 第6部 「長期入院編@3回目」⑦看護実習生さんが閉鎖病棟にやってきた!
前回のお話⬇️
閉鎖病棟に入院して暫く経ったある日、
看護学校から実習生が数名ほど、
病棟に研修にやって来ました。
そして、その中の一人が、
僕の担当に付いてくれる事になりました。
体格の良い男性で、
歳は僕の一つ下だそうです。
朝から夕方まで、
付きっきりで僕のお世話をしてくれます、
ずっと僕の隣について回るので、
いつもの様に一人で読書をする訳にも行かず、
仕方なく、二人して黙ってベッドに腰掛け、
適当な雑談を交わながら、
夕方まで時間を潰しました。
実習生さんは、
以前は某大型家電量販店に勤めていたそうですが、
人間関係が嫌になって退職をされたそうです。
看護師を目指そうと思ったキッカケは、
2chの転職板に、
30代で転職するとしたらどんな職業が良いかと書き込み、
にちゃんねらーのアドバイスをもとに決断をされたそうです。
僕も2ちゃんねらーだったので、
親近感が湧き、
色々な話をしました。
実習生さんもかなりのヲタで、
マニアックなアニメやゲームの話で盛り上がりました。
僕は家電製品が大好きなので、
家電量販店の裏話を色々と話して貰いました。
エアコンや洗濯機、冷蔵庫など、
自分で設置できない物以外は、
基本、アマゾン等のネット通販で買った方が遥かにお得だそうです。
今ではそんな事常識ですね☺️
病気の話は、統失になったキッカケの話を含め、
妄想だと捉えてしまうだけなので、
勿論、何も話しませんでした。
精神科は楽だけど、給料が安いので、
精神科への就職は考えてはいないと語っていました。
僕が、まだまともに話が出来る人だったので、実習が楽で助かったそうです☺️
ある日、二人してベッドに腰掛けていると、
偶々、白衣を着たアタオカ先生が、
乳母車を押しながら、
廊下を徘徊しているのが目に入りました。
「あっ、あれが僕の主治医の先生です!」
「えっ!?、あの人先生だったんですか!?」
「僕、てっきり患者さんだとばかり思ってました…」
「いえ、先生です…」
確かに、ヨボヨボで頭もおかしいし、
患者さんに見えない事もないけど、
白衣着てますよ?
それでも医者に見えないって…
どんだけぇ〜😩
そして、またある日、
実習生さんと一緒に、
気晴らしに、病院の外の敷地を散歩する事になりました。
「にゃぶりえるさん、シャバの空気が吸えますよ!」
実習生さんは、冗談ともなんとも言えないセリフを吐き、
「絶対走って逃げ出さないで下さいよ!」
と、僕に念を押しました。
散歩の最中に、
学生の頃は足が速かったと言う話をすると、
実習生さんが、
ちょっと競争をしてみようと言い始めました。
ゴールの位置を決め、
ヨーイどん! で、二人して、全力疾走で駆け出しました。
僕は、長らくベッドでほぼ寝たきり生活を送っていた事もあり、
バランスを崩し、派手に転んでしまいました。
そして、
全治約1ヶ月のデカい擦り傷を負ってしまいました!
そのせいで当分湯船に浸かれませんでした。
未だにその時の傷が大きく足に残っています。
実習生さんは後でこってりと絞られたのでしょう。
しばらくしょんぼりとうなだれていました。
実習生さんは一週間くらいで病棟から去って行きました。
次回へ続く。
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