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25歩 無理に誰かにならなくても、たぶん大丈夫


入社した当時から、憧れている上司がいる。


自分の部門以外のことにも精通していて、話の伝え方がとても魅力的。仕事が中途半端だとめちゃめちゃ叱られるが、頑張ったときにはきちんと労をねぎらった言葉をくれる。
この人のために頑張ろうと思える人が、会社にいるのはありがたいことだと思う。


入社してしばらくは、どうやったらその人みたいになれるだろうと考えてみることが多かった。
こう考えそう、こうやって発言するかな、ここが気になるところだろうな、と。

この考え方もある程度は勉強にも成長にも繋がる。
課長なら、部長ならどう考えるか。視座を高くすると、自分の考えの欠落や資料の不備にも気づくことが出来る。

しかし入社してしばらく経ったときに
あの人のコピーをするだけじゃダメだと気がついた。




「外資系トップの思考力」という本に登場する日本GEの元CEO 熊谷 昭彦さんはアメリカに出向したときに、無理にアメリカ人の交渉術に馴染めずに最初は失敗をしたそうだ。値上げ交渉についてきて欲しいといった部下に同行したはいいが、英語もままならない状態で、条件をのんでもらえずに帰ることになったという。

それを経験したあと、怒るようにとにかく言いまくるアメリカのやり方から、日本でやってきた交渉方法に切り替えたという。

じっくり相手の言うことを最後まで聞く。そうすると、相手が疲れてくる。(たしかに怒るのって、すごくエネルギーが要る。)
その後で、「仰っていることはわかります。けれども我々の値上げにはこういう理由があるんです。」ととにかく丁寧に、根気よく伝える方法だ。
そうしたら、相手が値上げの要求の半分を了承したんだとか。アメリカ人の部下は驚いたという。


算数と違ってビジネスの世界は答えがひとつではない。誰かの成功例でも、自分のときに正解になるとは限らない。


入社した当時の私は、憧れている上司のようになりたいと思ったが、最近は自分なりのなりたい理想の姿を思い描いて仕事をできている。まだまだ道のりは遠いけれど。今日も一歩ずつ、諦めず。


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