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【日記15】術前検査

こんにちは
九芽です。

時は2023年3月。
入院一週間前に受けた術前検査日の話です。

内容はこんな感じ↓

・血圧測定
・採血、採尿
・呼吸機能検査
・心電図
・入院前の面談
・胸部のレントゲン
・麻酔科の診察
・口腔外科、矯正歯科の最終説明

まるで迷路。

いろんな箇所を回って検査を受けるので、とにかく歩きました。
出発する前に施設内の地図をもらって、行く順に番号までふってもらっていたのにも関わらず、すぐに辿り着けないこともしばしば…。

その時、近くにいた受付のクラークさんが声をかけてくれて、「ここから二階に上がって…」と丁寧に説明してくれました。

本当に助かりましたし、嬉しかったです。


採血

今回はスピッツ6本。
カラカラと音を立てながらトレーに入ったそれを見るとさすがに緊張します。

ぽたぽたとしか溜まってくれない血液、スピッツを手際よく変えていく看護師さんの手。

「ちょっと苦しくなってきたでしょ」
4本目に入った頃、そう話しかけられました。

採血をしてる時は、手が内側から絞られている感覚というか、日常生活では感じないものがある気がします。

だからこそ。
「痛い?」でも「ごめんね」でもなく、自分が今現在感じていながら言葉で表現できない感覚を言語化してくれたことに安心しました。

「少しずつだけどね、ちゃんと採れてるからね」

見れば分かること、感じれば分かることではあるけれど、それをあえて伝えてくれる、その安心感はかなり大きかったです。


呼吸機能検査

廊下のソファで順番を待っていた時、ドアの向こうからものすごい声量の掛け声が聞こえてきて、「これを私もやんのか…」と少しビビったのを覚えています。

呼吸機能といえど、普段通り息をしてればどうにかなる、というものではありませんでした。

吸って吸って吸って吸ってーー!!!
 頑張るー頑張るー……
 思いっきり!吐いてーーー!!

良いデータが取れるまで何回もやり直し。技師さんの掛け声は回数を重ねるたびにヒートアップしていって、負けじと頑張る私。

何回やり直ししたかなあ、
ようやくコツを掴んだ時には、息ハアハアの酸欠状態でした。

「…部屋からすごい声聞こえてきたけど、大丈夫だったの…⁇」by母

入院前の面談

入院に関わってのオリエンテーションということで、事務の方から色々なお話を聞きました。

病院のパンフレットを使って、必要なもの、病棟の地図、注意事項、レンタル用品などについて説明してもらいました。

あとは、医療費のことも。
私は高校生なので、子どもの医療費助成が適用されることになります。
食費やレンタル用品以外は全て対象になるため、助成が何もない場合と比較して負担額はかなり抑えられることが分かりました。


歯科麻酔科の診察

人生初の麻酔科でした。
手術の時に担当してもらう先生と対面。

同意書とセットになった説明書類で麻酔のリスクなどが伝えられ、手術を受ける方へという題名のパンフレットなどを用いて、当日の流れを教えてもらいました。

今回私が受けるのは全身麻酔。
他の医療と同じように、スタッフの方々は安全を保つことを最優先に動いてくれますが、100%安全な麻酔はないそうです。

そういったリスクは、確かに割合で見ればとても小さな数字ではあるけれど、その可能性は確実にそこに存在しているのが事実。

不安を一つずつ先生たちと共有するために、検査や問診の機会は大事にするべきだな、と思いました。


口腔外科

全ての検査が終了し、麻酔科、矯正歯科も回り終えたのは2時を過ぎた頃。最後に口腔外科に行きます。
溢れ出るラスボス感。

昼ごはんは食べる時間がないからと、途中でフルーツジュースを買ってもらっていたものの、それだけでは足りません。

看護師さんに「お腹空いたでしょうー、この診察で終わりだからちょっと待っててね」と言われ、その一言だけで疲れが吹っ飛びました。

・上下の顎を切り、上顎の親知らずも同時に取り出す
・切った部位はプレートで固定し、一年後には除去する
・後戻りを防ぐため、術後はゴムで上下の顎が固定される
・術後はドレーンと呼ばれる管が、傷口に差し込まれる
・翌日までICUにて管理する

病院と症例にもよりますが、説明された内容はこんな感じでした。


1日を終えて思ったこと。

矯正歯科の受付を担当しているクラークさんに、温かい一言をいただきました。

「お体に気をつけて頑張ってきてくださいね」

外来の予約を取る際に学校の予定と被らないか いつも気にしてくれる方で、日程の調整が難しい中、「その日は学校あるでしょう?この日ならちょっと遅い時間に取れるから」と親身になって提案してもらったことは一度や二度ではありません。

電話に応対したり、予約を受け付けたり。先生との連携はもちろん、私たち患者の生活のことまで考えてくれる、本当にすごい方です。

病院ではいろいろな人が働いています。

クラークさんはじめ、清掃員の方々、調理師さん、ボイラー技師さん、器具の洗浄をする人もいれば、全体の経営を支える方々もいます。
駐車場の交通整理を行っている人にもたくさんお世話になりました。

他にも今の自分が知らないだけで、もっと多くの職業があると思います。

病院は医療資格を持っている人だけで成り立っているわけではない。当たり前のことかも知れないけれど、これが普通だと思うことはもったいないのかも。
今日までの通院で何度も感じてきたことです。

そしてその感謝を忘れないようにしようって、
そういう思いでこのように書き残しておこうと思います。



もう一つ、私には忘れられない言葉があります。
まだ矯正歯科に通い始めたばかりの中3だった頃、その時の担当の先生がこう言いました。

「検査も楽しんでやってこうよ!」って。

ワクワクしてると表では言いながらも、実際は緊張でいっぱいだった当時の私を見越しての一言だっただろうと思います。

その当時から、先生面白いこと言うなあ…とは思っていました。でもこのnoteにも書いてきたように、私がワクワクを途切れさせなかったのは、もしかしたらその言葉のお陰かもしれない。

いや、絶対そうだ。

本当に何気ないたった一言が、ずっと自分の心を支えてくれていたことに、私は今日ようやく気づきました。

ここに書くだけではきっと届かないけれど、
次その先生に会った時は必ず、ありがとうを伝えるつもりです。


私はちゃんと楽しんでるよ。



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