リモートショッピング/妹ショッキング
ペアルックティーチャー:
リモートSHOPPING/妹SHOCKING
密を避ける為に単独買い出し。
司令塔のお姉ちゃんとリモート通話中。
そこに憧れの栗林先輩!……と、お父さん?
どーして二人が仲睦まじく
腕を組んで歩いてるのお?
「菖蒲、聞いてるの?
アーヤーメーったらん!」
「ああ……お姉ちゃん、ごめん……」
「なあにソフトクリーム地面に落とした時の
5才児みたいなリアクション取ってんのよ!
最初は野菜コーナーから回って行くからね!」
だんだん、スマートフォンから漏れる音声が
曖昧模糊になって行く。
栗林先輩とお父さんの会話に
周波数を合わせる。
「ねぇーえー、クリリンー。
アタシ、コフレドールの新色が欲しいなぁ」
「ムネムネは甘えん坊さんだなぁ。
わかった、わかった
8月のバイト代でプレゼントするよ」
「やったぁ! ムネムネ、うーれしぃー♪」
クリリンとムネムネ……ムネムネ……
コフレドールの新色……新色新色……
♪ゆめなーらばっ~~~どーれーほどっ
♪ゆめなーらばっ~~~どーれーほどっ
♪ゆめなーらばっ~~~どーれーほどっ
♪ゆめなーらばっ~~~どーれーほどっ
米津玄師の大ヒット曲のイントロのド頭が
脳裏で何度も何度もリフレイン。
「♪未だにあなたを夢に見る~ かぁ……」
え、不完全な歌詞を載せるな?
そうせざるを得ない事情を汲んでよ!
全く、もう!
危ない!
こんな所に居たら精神崩壊しそうだし
後輩として、娘として、二人のああ言うの
観たことにしちゃ、ダメだ!
「お、お姉ちゃん! 通話途切れてごめん!
事情があってお店、変えるね?」
「散々、ほっぽらかしておいて、ソレ?
まぁいいわ。私は楽ちんな司令塔だもん。
次の店に着いたら
指揮官の言うことを全うすんのよ?」