遅延理由

死ぬまでこんな仕事を続けるのかと思うと気が滅入ってきたので考えることを辞めた。
考えることを辞めると少しだけ楽になった、「死にたい」と言う割には全く死ぬ気のない自分に嫌気が刺すことも無くなった。

不謹慎な話ではあるが人身事故で電車が止まると男は少しだけ嬉しい気持ちになった。
会社に遅れて行くことが出来ると言う理由もあっただろうしどこかに自分といやそれ以上に苦しんでいた人がこの世にはいたのだと感じることができたからだ。

男は駅のホームに立ってこんな事を考えていた「結局、死ぬまでこの仕事を続けることになったのか。」

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