芸術的発明品

その男は最新型のコピー機を開発した。黒、赤、青、黄色のインクで全ての色を完璧に再現出来た。その色の再現度は従来のコピー機の比較にならないほどで光の色や空気の微妙な温度の違いを色で感じられるほどに多種多様な色を作ることが出来た。
男は満足してこのコピー機に『ピカソ』と言う名前をつけて売り出すことにした。

その男は最新型のコピー機を開発しようとた。黒、赤、青、黄色のインクで全ての色を完璧に再現と言う様にはいかなかった。赤、青、黄色の色を混ぜ合わせるどころか全てを原色のままコピーをしてしまうので空は不自然なほど青く大地は赤く印刷された。コピー機としては完全に失敗作なのだがその原色だけで印刷された世界を男は甚く気に入った。
男はこのコピー機に『岡本太郎』と言う名前をつけて売り出すことはなかった。

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