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人生を送る土地を考えたい

北海道に住んでいた。学生時代、四年間だけ。
もともと首都圏出身で、大都会というわけではないけど、なんの不便もない場所で育った私は、なぜか北国に憧れた。
高校生の頃だったか、JRの「行くぜ、東北」の広告に惹かれて、幼馴染たちを連れて真冬の鳴子温泉へ、青春18きっぷで行ったこともあった。
だから、高校三年生の僕が北海道の大学に惹かれたのは当然のことだったと思う。

親の反対を押し切って(いま考えればただ単に息子が18歳にして家を出て行くということが寂しかったのだと思う)、一人で札幌へ移住した当時の僕は本当に世間知らずで、だからこそその時の自分を思い浮かべると、自分が何を大切にしていきたいのかがわかるような気がする。

とにかく、本当に幸せな四年間だった。
反対しつつも学費を出してくれた親に、働くようになったいまとても感謝している。
興味のある仕事が東京にしかなくて、大学を卒業した今はまた関東に戻って来ている。東京での暮らしもあっという間に四年が経とうとしていて、ああ、あの幸福で濃度の高かった四年間は、こんなに短かったんだなと感じることが増えた。そしてやはり社会に出てからのこの四年という期間を経て、自分がどう生きたいのかを考えるようになった。つまり、東京でこの仕事を続けて、一生を送っていきたいのかということ。

誰も読む人はいないだろうけど(いないだろうから)、ここで文章にして自分の気持ちを整理したい。札幌で生きていきたいと思っているこの気持ちが、ただの衝動なのか、今の仕事から逃げたいだけなのか、自分が人生に求める一番大切なことはなんなのか、文章にしながら考えたい。
実はこの土日も札幌に行っていた。もう、かつて僕が大学時代を送った街そのままではないし、そのときに一緒に時間を共有した大切な人たちもほとんどが東京に出て来ている。だけどその街には、その四年間の僕や、僕たちが今も歩いていて、笑っていて、楽しそうなのだった。
札幌のことや、大学時代の四年間のこと、卒業してからの札幌のこと、今の自分のこと、少しずつ書いていきたい。

毎日少しずつでも書けたらいいなと思っています。

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