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無職日記その12

 退職して5か月。
 現在の心境を書いていく。

1:涼しくなってきたので、どこかに行きたい

 やっと、まともに外に出られる気候になってきた。
 そもそも「暑すぎて危険だから外出するな」ってなんだよ、人間が生きる環境としておかしいだろと日々思っていた。それに去年の時点で史上最も暑い夏だとか言っておきながら、今年あっさり更新しなすったのはどういうことだ。

 もはや今後は7月後半~8月いっぱいは、夏とはまた別の季節になってしまうのかもしれない。夏といえば井上陽水の『少年時代』とか、久石譲の
『Summer』などがなじみ深い名曲として連想されるが、少なくとも今年の夏は、清らかなピアノの旋律で始まるような朝を迎えたことはなかった。もっとハードロックとかヘヴィメタルみたいなギターのジャカジャカ音がふさわしかったように思う。

 それもついに終わりそうだ。とはいっても9月中旬までは最高気温30度超えの日々が続きそうだけども。
 しかしやっと「外出が危険」ではない状態になったので、ぼちぼちどこか遠出をしたい。ただ、すっかり出不精が板についてしまったためにホテルや鉄道の予約方法を忘れかけてしまっている。イチからやるつもりでまた楽天トラベルや、えきねっとの画面と向き合わなければ。

 実は夏場も、どこかに逃げようと思っていたのだ。しかし家でクーラーをつけて引きこもっているのが最善の策だと気づいてしまって外に出られなかった。気温と近さを考えたら群馬県の草津にでも行けばよかったのかもしれない。でも金がなあ……ワーケーションをやろうと思ったらホテル代もなあ……みたいに考えてしまって踏み切れなかった。もったいないことをしたかな。酷暑をどう乗り切るかというのは、これからの人生の課題となりそうだ。

 いろいろ調べてみたら、今でも旅行割を結構やっているようだ。
 北陸応援割もあるし、愛知や大分でも独自のキャンペーンを張っている。せっかく時間はあるのだから、こうしたものを有効に利用してお得な旅をしたいもんだ。しかし要件がいろいろ面倒なやつも多いので、ブラウザをスクロールするだけでも疲れるなあ。仕方ないんだろうけど。

 ほかにも、スポーツイベントをいろいろ見たいと考えていたのだったが実行できていない。各地のJリーグスタジアムでも回ってみるか。それとも先日、北海道に旅行した際にエスコンフィールドで日ハムの試合を見たから、今度は福岡ドームにでも行ってみるかな。
 もしくはバスケのBリーグ、ラグビーのリーグワンなんかもある。プロレスを見に行くのもいい。とにかく気が晴れるようなことをしたい。いつもと違うことをして、いつもと違う感情を体の中に入れたい。でないと腐りそうだ。

2:『ゴールデンカムイ』を一気読みした

 自分も創作を始めようとしているので、参考になればといろいろな小説や漫画を読み返している。
 意識すべきなのは組み立ての部分で、決して物語に没入してはいけないんだろうけど、やっぱり自分が好きで買った本というのは再読しても面白く、気がついたら夢中で読み進めてしまうものだ。

 『ゴールデンカムイ』は、29巻目でずっと読むのをやめていた。これは自分の悪い癖で、漫画でも小説でもゲームでも、終わり際になると不意に止めてしまうのだ。決して飽きたわけではなく、恐らくだが「終わらせてしまうのが惜しい」のだと思う。いやそんなことをいっても仕方ないんだが、自分の中でドキドキ感を保っていたいというか、生活の中のメリハリが消えてしまうのが怖いのかもしれない。
 それを、意を決して最後まで読むことにした。1巻から読み進め、完結の31巻まで。そして一日中読み続けてやっと終わった。ああ、こういう終わり方だったのか。楽しませていただきました。

 やっぱり本っていいものだ。そして創作っていいものだ。自分もなんとかその枠に入りたくて頑張ろうとしているが、まだまだ踏み切れていない。サラリーマンとして費やした時間を無駄だとは思っていないが、出遅れた気分というのはどうしてもあるし、不安も募る。
 しかし、名作を生み出す人の思考ってどうなっているんだろうなと思う。
 白紙の状態から新しいものを生み出すわけだから、何を描くか、どう話を組み立てるか、どういう行動を登場人物にとらせるか、選択肢は無限のはずだ。それを一貫性をもって、あるいは意外な展開も交えて、ひとつの完成したものへと導いていく手腕には舌を巻く。それを達成するために必要なのは努力と積み重ねだというシンプルな答えなんだろうけど、純粋に、かつ実直に行動できるのがうらやましい。自分はどうしても気が散ってしまってフラフラする。それに名作を読めば読むほど、自分の作っているものが幼稚に見えて尻込みしてしまう。

 能動的に生きるっていうのも一種の才能なのかもしれない。
 自分は就職して、40代前半まで仕事をし続けて、すっかり受動的な人間になってしまったようだ。現場では仕事を仕切ってはいた。しかし会社から見れば自分はただの雇われだ。与えられた仕事という枠の中で大きな顔をしていただけ。大海を知らない蛙、いやミジンコぐらいかもしれない。
 それが嫌で辞めて、はい自分でこれからの人生を歩んでくださいという段階になって、それでもまだ迷い続けている。20代のときも踏み切れなかったし、今でも同じだ。しかしまた雇われに戻るのも拒否したい。であるならば能動的な自分というものをこれから作り出していかないといけない。こんなことをぐるぐる考え続けている時点で、ダメなのかもしれないけど。

 あ、『ゴールデンカムイ』はオススメです。WOWOWで実写ドラマ化もされてるみたいなので見られる環境なら見てみてください。もちろん原作漫画もとても面白いです。
 ……まあ登場人物の9割9分が変態みたいな漫画なので人によっては拒否感を覚えるかもしれないけど。結構グロいしね。

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