見出し画像

21.癌

なんでこんなに世界が発達したのに
治せない病気があるのですか?

主人は 癌がわかって
2年
父は たった数ヶ月で亡くなった。

主人は、膵臓癌
手術のできないステージ2、
結局 ステージ4
父は肺癌ステージ4だった。

2人ともなんの症状もなく
健康診断で判明。

そして、同じ年の3ヶ月の間に
2人とも亡くなった。

そして、主人が長年隠していた秘密を知った年。


こんな年があるのか?
人生最悪の年。

私は 誰かに “お前が◯ね!”と言われている気がした。

この世には 
神も仏もいないと知った年だった。

思い出すだけでも
胸が詰まる。

ただ
主人が 膵臓癌になった事を
2年もの間 
子供(どの部分とは知らせず)にも親には(病気になったことも言わず)
誰ひとり話さなかった。
誰かに話して この状態が変わることはないとわかっていたから。

主人とのその約束を
やっと破ることができ、
口にできるようになったことは
救いになるのかもしれない。

癌になった事を知って
誰かに言う事で
少しは気持ちが楽になる部分が
あると思う。

でも、私と主人の考えは
そのことをを知った人は
主人だけでなく、
私の事も心配するようになる。

また苦しい思いをする人が
増えていく。
それなら
みんなには、黙っておこうと決めた。

癌を知る人は
主人の妹と主人の友達、会社の人
数名だった。

その日から
耐えた。ひたすら耐えた。

どんな自分がつらい気持ちになろうと、
何をしてても涙が溢れてしまう日があろうと、
眠れない夜が続こうと
耐え抜いた。

その中で 
親に会えなくなっていった。

いつも主人と私のことを
気にかけて心配してくれているのが
伝わるからこそ
ウソをつくことがつらくて
コロナを理由に
どんどん疎遠になってしまった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?