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人事とは「本当に面白い仕事」である

おはようございます。
地方の中小企業で人事を担当している宮里(ミヤザト)と申します。

前回の記事は自己紹介だったので今回からが初の人事の情報発信記事になります。
初めにどういう記事を書こうかと思った時に、一番最初は「人事という仕事の”面白さ”」について書いてみようと思いました。
同じように人事の業務に就いている人には「確かにそういうとこ面白いよね」と共感してもらえると嬉しいですし、もしかしたら「えっ、そこ?」ということもあるかもしれません。面白いと感じるところで私という人を再度紹介できるかなとも思ってます。
このnoteで人事情報を発信していくうちに人事の面白さが分かってもらえれば嬉しいのですが、なにせ始めたばかりのnoteで「暗に伝える」とか「小出しにして徐々に伝える」なんて自分らしくない(と言うか出来ない)ので、人事って面白いよ!と書いてしまえばいいという短絡的な発想です。

最初の記事“人事の面白さについて” いってみます。

人事の担当業務/担当領域

まず初めに人事の仕事にこれから就くかもしれない人に向けて、人事の主な業務について書いておきます。
いわゆる「人事部」が担当する業務は大きく以下の4つに分類されると思います。
①採用
②育成
③考課(評価)
④配置(異動)

経営資源である"ヒト"に関する業務全般が人事のお仕事です。

ここに「労務」を入れるかどうかと「(人事)制度設計」を入れるかどうかで意見が分かれると思いますが、個人的な経験として「労務」は「総務部」にいることが多い(私が所属してきた会社は全部そうでした。)、「人事制度設計」は頻度が少ないのでプロジェクトにしている企業が多い(=通常の業務ではない)という理由で除いています。
「人事労務」という言い方もしますし、労務のことも知っておかなければ人事の仕事はできないとも思うのですが、、一旦除きます。

反対に、「考課(評価)」をここに入れるのはどうか、と思う方もいるかもしれません。「人事考課」とは言うけど、考課(評価)は現場が行い、人事は取りまとめのみ、という会社も多いのではないでしょうか。
ただ、これまた個人的ですが、(狭義の意味で)人事制度とは「等級制度(職位や号棒など)」「評価(考課)制度」「報酬制度(賃金テーブルや賞与)」で成り立っていると思うので、考課は入れておいた方がいいという判断です。

中小企業の人事部は上の4つの業務の中のいくつかを、または全部を一手に担っていることでしょうし、大手であれば採用担当、研修担当というようにチームだったり課だったりにそれぞれ分かれていて、専門分野を持っている感じかと思います。

かく言う私は何度か転職をしてきているので、大手と中小(中小の中でも中と小の両方)で人事部の経験があり、書いたように大手の時は採用担当の中でも中途採用のみという専門を持ってやっていました。
中小企業だと中なのか小なのか規模によって兼務の具合は違うと思いますが、最初に入った会社では人事でもない営業担当が採用担当を兼業していました。
その後、主に採用と研修を経験し、考課と人事制度設計はちょっと経験して今に至ります。

上に書いた業務の中では「配置/異動」の経験は今はまだありませんが、「タレントマネジメント(システム)」を今まさに導入提案していて、人員配置についても携わっていこうとしている欲張りっぷりです。
なので人事の業務は一通り経験しているかなと思います。

書きたいことが多いので人事のキャリアについては別の機会に改めて書こうと思いますが、人事担当者とすると、採用や研修のみでキャリアを積むいわゆる「スペシャリスト」の人もいますし、人事を全般的に担当してキャリアを積んでいくいわゆる「ゼネラリスト」の方もいると思います。
どちらもアリで面白いキャリアだと思っていますが、個人的には、採用なら採用、研修なら研修がそれぞれ自身の領域だけを知っていても仕事やキャリアに限界があると思っているので、専門分野を持っている人も『山』の形になるように、どこかの専門分野は持っていても(特化していても)、他のことも知っている、というのが理想だと思います。
というかやっているうちに他の業務も知らないといけなくなってくるはずです。
採用担当者なら退職のこと⇒すぐ辞める人を採用してはいけないので、すぐ辞める人とは?(リテンション) なども考えなきゃいけなくなるでしょうし、
研修担当者なら異動のこと⇒今この部署に足りていないスキルとは?それを埋めるのは採用か研修か? も考えないといけない
という具合です。

大手のように担当が分かれていて専門分野に集中して業務が出来たらその分深く考えられるでしょうし、専門分野があるということは例えば転職なんかではわかりやすくていいですよね。
中小のように全般的に担当することも全体が見れるという意味ではいいと思っていますし、何より自分が知っている範囲が広いと、その分業務の中で考えが及ぶ範囲が広くなって”漏れ”が少なくなると思っているので、それはそれでやっぱり生きてくると思います。(転職前提では決してないです。)

人事部のイメージ

人事部のイメージを人事部に在籍している”中の人”が書いているので客観性に欠けると思いますが、人事部に在籍していると周りから思われていそうなイメージも書いておこうと思います。

まず主観たっぷりでお伝えしますが、人事=「人事"異動"」というイメージが強いのか、他部署から警戒されたり、お堅いイメージを抱かれることが多いように思います。
「ジンジ」という響きが既に堅そうですよね。
だから、と言うわけではないと思いますが最近は「HR」と言う文字をよく目にするようになったなと思います。人事とHRだと領域はあまり変わらないと思いますが意味の違いとかで突っ込まれそうなので多くは語らないでおきます。

「人事部」という部署名じゃなく、人材開発部とかHRD部門とか別の名前だったとしても人事的な業務に就いている=人事の人というイメージがあるのか、「人事の宮里さん」と言われることが多かったです。
今でこそ人事業務を全般担当しているので間違っていないのですが、当時は採用のみ担当していたりしたので、人事と言われるとムズがゆかったというか、ちっちゃなプライドなのか(人事ではないんですけどね)なんて思っていました。

確かに業務上、組織情報や個人情報を扱うので、パソコンの画面が簡単に見れないような処置をされていたり、パーテーションで区切られていたり、別部屋だったりしましたが、「採用」や「研修」に携わっている部署とすると、”お堅い”イメージじゃいけないなと思っています。

例えば採用担当者は社内外への”広報”の役割も強いので、近寄りがたいイメージは持たせたらいけないだろうと感じます。
(「採用とは広報である」という記事はまたどこかで書きたいです。)

その他の人事部のイメージには「”ヒト”に関する何でも屋」というイメージもあるのではないかと感じています。

お堅いイメージから脱却すると、人事は採用や研修をやっている人が多いでしょうから、社内の情報に長けている・社内のコミュニケーションに長けていると思われがちではないでしょうか。
採用した人が現場でうまくいっていないと、上司ではなく、研修担当でもなく採用担当に相談されることもありますし(ありがたいことです。)、新しく作る部署の組織編成についても打ち合わせに入ることがありました。

また、前職での話になるのですが、前職では心になんらかの傷を負った社員が短期間~中期間で”療養する”場所でもありました。
これについては同じ部署内で賛否がありましたし、様々な意見があると思いますが、採用した人が少なくとも”今は”辞めないでいてくれる、復帰しようと頑張っている以上、心に傷を負った社員の受け入れについて私自身はウェルカムでした。なのでちょっと危ないかなという社員は拒まず受け入れましょうよ!というスタンスで、今も変わらないです。

”ヒト”に関することはまず人事に、というのは何にせよ嬉しいことだと思っています。

人事の仕事の面白さ

前置きが長すぎることで有名になっても嬉しくないので、いよいよ本題の人事の仕事の面白さについて。

いくつかあるのですが、3つぐらいに絞る方がいいと他のnoteに書いてあったので3つにします。
まず1つ目に、社内外の(特に社内の)様々なヒトと関われるのが面白さかなと。
例えば社内でタテヨコの関係は他の部署でもありますが、ナナメの関係を使い倒すのは人事が他を圧倒しているのではないかと思っています。
採用は新卒も中途もやっていれば若手社員やベテラン社員の協力も必要ですし、研修を内製化していれば役員に協力を仰ぐでしょうし、考課を担当していれば課長や部長・役員など役職者とのやり取りが多いでしょうから、人事部の中で役職に就いていなくても早い段階でナナメの(経営陣や役職者との)関係が必要になってくるでしょう。
また、採用や研修は内製だけでは済まない時代になってきているので、社外の人ともやり取りが多くなるはずです。ただでさえ採用は応募者が学生~若手~ベテランまで幅広いわけですからいろんな人に会いますし、その方々の志望動機やキャリアといった考え方や価値観を聞くことになります。
それの何が面白いの?という方は説得するのが難しそうですが笑、例えば人事考課の件で部長陣何人かに連絡しても(相手の)反応の仕方は違いがいくつもあって、スピーディに返してくる人もいれば、丁寧に返してくる人もいれば、雑な人もいます。経営層なのにめちゃ謙虚に接してくれる人もいれば、年下なのに横柄な人もいます。(社会人だから年齢は関係ない、とも思いたいですが、そんな菩薩のような出来た人間じゃないので、さすがに年下社員に横柄な態度を取られると仕返ししたくなりますが、そこはギリギリですが「みんなの人事」と言い聞かせてグッとこらえます笑)
学歴や社歴などを聞くのも人それぞれで面白いですよね。例えばうちでは最近専門学校出身の人を採用し始めましたが、専門学校に行くということは高校生の時に専門性を身に着けるという決断をしたわけですし、他にもずっと一社で20年以上務めてきた企業から40半ばで突然転職してくる人もいます。
どんな動機であれ、そこに選択と決断があり、人生があると思うとそれを仕事で聞けるって面白いなぁと思っています。

それから2つ目に、先に書いたように人事はその分野のことだけ知っていてもできません。(出来るかもしれませんが限界は近いと思います。)
そのため、人事としての他分野もそうですが「会社のことを知る」ことが求められます。
会社のことを知れるのも実は人事の仕事の魅力だと思っています。
知りたくなかった情報もたまに知ることはありますが笑、それは過去のこととして割り切ると、会社のことを知れるのはやっぱり面白いです。
例えば、子会社を作って失敗して畳んだことがある、などは部署によっては全く知らなくていい情報ですし、現に知らない社員も多いんじゃないかと思いますが、そういう失敗については採用説明会の格好のネタになりますし、評価制度で評価指標を考える際、「挑戦」がキーワードになるかもしれません。
この会社にもそういう過去があったんだなと思うとどんな過去であれ(今であれ)面白いんですよね。
ちなみにですが、これは歴史がある会社ばかりではなく、スタートアップの会社とかもそうです。私自身、会社が出来て間もない企業にいたこともありますが、そういう場合はやはり創業時の話とか事業が軌道に乗るまでの苦労した話は本当に面白いです。


最後の3つ目ですが、これは事例も交えた人事の面白さを。
センシティブな内容なので詳細は書けませんが、以前こんなことがありました。

ある時、人事部宛に
「●●さんが仕事していないので異動させるか辞めさせるかしてほしい」
という匿名の封書が届きました。いわゆる”告発”です。
封書には他にも「●●さんが辞めない(異動しない)場合は私が辞めます」ということも書かれており、人事として早急に対応しなければいけない案件でした。

●●さんの勤務態度については前から噂になっており、封書が届いた時も実は「来るときが来たな」という感じで驚きはなかったのも事実です。

この件について上司から「どう対応するか考えてみてほしい」とバトンを受け取ったので自分なりに対応方法を考えてみました。
みなさんならどのように対応するでしょうか?

これが正解ではないことは分かってもらえていると思いますが、私が考えたのは以下の対応でした。

<対応>
●●さんを含めた部署のメンバー(数名)からヒアリングし、事実と事実ではないことを整理。
ヒアリングを通して得られた情報に応じて「注意勧告」や「異動」などを判断する。
<ポイント>
特に第三者へのヒアリングの際、注意することとして、「●●さんが現職場に残ること」も想定した聞き方をすること。

(noteの機能の使い方が間違っていたらすみません。試してみたくなるタイプです。)

ポイントに書いた通りですが、こういった”告発”の場合、①主観があるだろうと思って対応する②「言ったもん勝ち」になってしまわないように公平な判断をすることが重要だと思いました。
そのため、第三者にヒアリングする際も「●●さんってどう?」とあまりにも直接的に聞いてしまうと、●●さんに何かあったことが明白になり、万が一、●●さんに何もなかった場合、同じ部署に居づらくなってしまうだろうという可能性を考えました。

もう一度言いますが、これが正解だとは思っていません。
ですが、こういう考え方は人事として必要だと思っています。
(ちなみに上記のような流れで対応することになりました。)

こういうケースを通じて、つくづく人事は”ヒト”についていろいろと考える仕事だなと思います。

「社会に出る以上、人と関わらない仕事なんてない」とよく言われますが、「人事という仕事に就く以上、人について考えない日なんてない」とも思います。

そして、ヒトのコトである以上、100%の正解もないと思っています。
制度を作る際によく言われる「公正」「公平」なんかもそうですが、人それぞれ価値観や考え方、人生に違いがあるのだから、万人に平等な制度なんてない!と思っているので、正解なんてないですよね。(諦めているわけではありません。)
なので、出来るだけバランスを意識し、考えられるところまで考えた上で判断するようにしています。

人ってわからないじゃないですか。
予想していた通りになんていかないじゃないですか。
でも、答えが分かることやっても面白くないじゃないですか。
答えが分かることやって簡単に稼ぎたいというのもわかりますが!笑
でも、答えが分からないことをやるなら、考えて、考えたことが形になることを仕事にしたいじゃないですか。

人事の仕事は「企業の将来を担う」「経営との両輪」などと言われ、経営層に近いからやりがいがあるというのもわかりますしそれも面白さだと思いますが、
個人的には、『人に触れる』『考えを知る機会が多い』ので、「自分自身の引き出しが増える」「考えの幅が広がる」こと、それによってまた更にヒトについて考える選択肢が増えて、人についてよく考えるようになること、に面白みを感じています。

もうほんっっっっっっとうにいろんな人がいます!本当に!
ですよね?人事の皆さん!笑

今まで一番インパクトがあったのは、入社日に入社予定者が会社に来なくて、その他にも悪いことが重なって激高した「役員」が怒ってペンを床にたたきつけた時

さすがに驚いて思考停止してしまって、(うわぁこんな人いるんだぁ。)とポカンと口を開けたままただただ見てしまいました笑

そんな人がいるなんて考えもしなかったところから、そういう人に触れると、こういう人もいる、に変わるんですよね。
それが面白いと思っています。
書いていて伝わらなそうだな笑と思っていますが、勢いに任せて書くとこんなものかなと思っています。

また記事を書き進めるうちに伝えられるようにしていきます。
ご覧いただきありがとうございました。

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