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AM 5:30

友人と高めの時給設定の入る気もないキャバクラの体験入店をした。気合いなんかさらさらなくて、女の子の仲もボーイの仲も悪そうなもんだから居心地が悪いと愚痴りながらお客さんの動向を眺めていた。

終わってニコニコ話しかけて来るオーナーの顔にわかりやす過ぎる作り笑顔どうにかならないですかと悪態をつきたいが付けないのでそそくさと後にして体入よりも目当てであったすぐ近くのラーメン屋に駆け込んだ。

想像以上に酷い友人の恋人の話を聞きながら案外元彼は悪い人ではなかったのでは、と思い始めてきてしまって汗のかいたジョッキを慌てて飲み干した。
結論、恋人じゃなくて都合の良いパートナーが欲しいで纏まった。

ふと、帰りに寄ったコンビニで元彼の吸っていた煙草が目に入り特に迷いもなく127番お願いしますと店員さんに声をかける。
別れた彼氏が吸ってた煙草ってなんかエモくない?って馬鹿みたいなこと真面目に言ってるような人だったからきっと彼は本当にバカでちょっとばかり痛い。いやかなり痛い。

コンビニの自動ドアが開いて少し見上げた空の色は少し明るくて、彼の吸っていた煙草のパッケージに似ていた。

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