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同時期に連載を始めた鴻野くんの紹介です。「その男、バーテンダーなり」

「とくしまカクテルブック。まずは「King of Cocktail」(カクテルの王様)の称号を持つマティーニからいきましょう。なにしろ人気ナンバーワンのカクテルなんですから」

(徳島新聞デジタル版)

サヴォイを超えろ

徳島新聞デジタル版の鴻野くんの連載は、こんな書き出しです。徳島のカクテルブックを作っちゃおうよ、という意欲的な試みです。サヴォイカクテルブックって、有名なカクテルの書籍がありますよね。あれを超えますよ、という意気込みです。

実はボクと同級生。技術は折り紙付き。アジアチャンピオンを獲得したこともあります。バーテンダー協会の四国の役員を務めるなど、面倒見のよさでも知られます。彼の連載も読んでみてよ、というのが今回のお願いです。正直に言わせてもらいますと、一生懸命書いてもさ、なかなか読まれない同士、宣伝し合ってお客さんを増やしましょうや、という今回はかなり営業チックな試みであります。

マティーニとは

冒頭、ご紹介したように、連載はマティーニから始まります。

「元英国首相のチャーチル、元米大統領のケネディ、作家のヘミングウェーにモーム、実業家のロックフェラーも...。多くの著名人が愛したことで知られます。ドラマや映画にも度々登場し、あのマリリン・モンローが「7年目の浮気」で口にするのも、この一杯です」

(徳島新聞デジタル版)

「007」シリーズでは、主人公ジェームズ・ボンドのマティーニはちょっと変わっているそうです。ベースを一般的なジンからウオッカに変えて、さらにシェイク。ボンド・マティーニと呼ばれるそうです。知らんかったわ。「風と共に去りぬ」の名優クラーク・ゲーブルも好んだそうですよ。まさに「カクテルの王様」ですね。

 ハードボイルドだねえ

マティーニの原型と言われる「マルティネス・カクテル」は、米国のバーテンダー、ジェリー・トーマスが著した世界初の体系的カクテルブック「How To Mix Drinks」(1862年)に出てきます。残念ながら考案者は分かっていませんが、イタリアン(スイート)・ベルモットを使っており、相当甘口だったようです。

(徳島新聞デジタル版)

 客から「マルティネス(地名)への旅立ちのために、元気になる一杯を」と所望されたジェリーが、「ならば」と作ってみせたのがこのカクテルだった、との説もあるそうですよ。真偽は不明ですが、ハードボイルドですね。客は暗殺者だったりして。日本では幕末の血で血を洗うチャンバラ合戦の時期ですよ。

ボンドカクテルは異例中の異例で、マティーニは通常、シェイクはしません。ジンとベルモットを注いで混ぜるだけのシンプルさ。そのため、家庭でも簡単に作ることが出来ます。とはいえ、シンプルだからこそごまかしが利きません。おいしく仕上げるのが非常に難しいカクテルです。バーテンダーの力量や店の格が、そのまま味に現れるといっても過言ではありません。作り手のこだわりが随所に見え隠れするカクテルともいえるでしょう。

(徳島新聞デジタル版)

連載では、鴻野くんオリジナルのレシピも紹介しています。オリジナルレシピは売り物です。隠したいものでしょうが、プロですね。レシピは教えますが、分量通り作ったところで、プロの味にはなかなか近づかない。そんな自信があるんでしょうな。

こちらもごひいきに、よろしく、と愚僧チョークー、お願いしますぺこり、という訳なのであります。合掌。


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