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母のそばで♡こんなことってあるのかな?篇

最近の母は絶好調。
私の家で療養を始めて4か月。
病院に向かうこともできずに緩和ケアの訪問診療を受けることになったのに。
もう、病院に自分で行けるかもしれない。


体重が増えた!

療養を始めたころ、食欲がなくて体重が一気に減った。1,2か月で10キロも減ったから心配した。

一緒にお風呂に入っているからわかることがある。ふくよかだった母の身体がどんどん細くなっていく。

ところが最近、風呂上りに体重計に乗ってニヤッと笑っていた。
「1キロ増えた」「2キロ増えた」と笑っている。
「あーら、しばらく死にそうにないね」といたずらが見つかった子どものように笑う。

食欲が増した。
以前はご飯を前に顔を曇らせて「減らして」と言ったものだ。
最近はよそう量を増やしても、何も言わず全部食べる。

おやつも食べる。
風呂上がりにビールを飲み、アイスを食べる。

「ご飯が美味しい」
「何を食べても美味しい」と嬉しそう。

私の料理の腕が上がったわけではない。
母の身体がご飯を受け付けるようになっている。

ある日の昼食はカツサンド。
近所のパン屋さんのカツサンドにハマっている。
けっこうなボリュームのサンドイッチをたいらげた。
大したもんだ!!
それにスープやプリンを添える。

天気の良い日は、畑に建てたテントで食事。
鳥の声を聞き、風を感じて食事する。
酸素ボンベから酸素を吸いながら。

「気持ち良いーーー」と眠くなったら部屋に入って昼寝。
あまり寝ると夜に差し支えるのが心配だけど。


お肌がつるピカ、しかも行動的


見舞いに来た人が言う。
「お肌がキレイ♡調子良さそう」

確かに、母は顔色が良いだけでなく肌がキレイになった。
洗顔後、何かクリームを塗っているけどそれだけだ。

肌がほんのり明るくてピカーっとしているのにベッドに居るなんて不思議な感じがする。
普段は椅子で過ごすことが多いが、見舞い客が来るとベッドに入る。
一応病人らしくするつもりらしい。

苦しいときは顔色が悪くて、もちろん表情も暗かった。
同じ人とは思えないくらいだ。

最近のように調子が良いと「ヒマ」と感じるらしい。
食事のあと茶碗を洗うようになった。
掃除機もかけるようになった。
今日はモップで床を拭いている。
からまりそうになる酸素チューブを気にかけながら。

まだある。洗濯物を一緒に干し、一緒にたたむ。

何も母にしてもらわなくても良いのだけど、本人が進んでする分には止めないようにしている。

庭を眺め、ネコと遊ぶ。

他にすることはないかと、見まわしている。

毎日、新聞を隅々まで読む。
それでは足りなくて私が図書館から借りた本も読む。

庭や畑の草を取れるようになったらヒマを感じることはないけどそこまではどうだろう?

腫瘍マーカーは増えている?


訪問診療で、ときどき血液検査をする。
もちろん家で採血。

1週間後の訪問診療で結果を私だけ見せてもらう。パッと見ると健康な人の検査結果のように見える。
ただ1か所、腫瘍マーカーが激増している。

この数値は人と比較できない。
数値が○○になったら危ない、とも言えない。
母より低い数値で亡くなる人もいるし
母より高い数値で生きている人もいる。

しかし、先月より今月が倍増しているから病気は進行している。

ではなぜ今のように元気でいられるのか?
不思議でならない。
嬉しいけど不思議!
こんなことってあるのかな?

病気は進んでいるけど、それに負けない丈夫な身体を持っているという事?

先生は「環境が良い」と仰る。
環境ーーー

・先生がすぐそばに居る
・苦しい時はいつでも先生や訪問看護に電話できる
・苦しくなった時に飲む薬がある
・酸素濃縮器で酸素を吸っている
・好きなもの食べることができる
・良い景色を眺められる
・いろんな人が会いに来てくれる
・24時間、いつもそばに誰かがいる

人生の最後に過ごす環境が良いなら、それを私たちがつくることができているのなら、嬉しい。

さて、ヒマそうだから明日は母の家に一緒に行って泊まってみようか?
たまには自分の部屋も良いだろう。
車で片道1時間ちょっと。
途中で食事や買い物にも寄るだろうから結構ハードかも。

調子が良い今のうちにいろんなところに出かけてみよう。
今は季節が良い。
そのうち梅雨になると動きずらい。
夏になると熱中症が心配。
秋になると・・・

まぁ、先のことは置いといて。
「今」を大切に!

95歳のファッション


これまではいつでも横になれるようにパジャマ姿だった。
せめて…と妹が可愛らしいパジャマをいくつも買ってきた。
家で過ごしたりドライブに行くぐらいはパジャマで良い。
しかし、最近は買い物にも行くから服が欲しい。

我が家に来たときは冬だったが、すでに夏模様。
涼し気な服が必要だ。
母の家に住む妹が、前ボタンの可愛いワンピースを買ってきた。
良く見つけたと妹をホメる。

通信販売で買おうとしたが、なかなか見つけられない。
95歳の母が着て違和感なく、脱ぎ着がしやすく、上品で、おしゃれで、安くて。
ないなぁ…。
高齢者もオシャレに可愛く過ごしたいのだ。

私が母の着物で作ったワンピースやチュニックを持って来て欲しいが、妹は探すのが苦手のようだ。

本人が行って持ってくるのが一番良い。
だから、母と家に行こう。

調子が良いのは見かけだけかもしれないけど、できることをできるうちにしていこう♪



最後まで読んでいただき、ありがとうございました♡

わが家のあじさい







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