眺めの奥深く

「この眺望、いぜん見たことがある」
「あら、初めて来たのではなくて」
「思い出の彼方にかすかにあるんだ」
「前世の記憶かしら」

「既視感かな」
「似たような処へ行ったのよ」
「そっくりな眺めなんだけど」
「では来たことを忘れたのね」

「懐かしい風景なんだ」
「なにかで原体験したのかしら」
「心温まる心地なんだけど」
「どこかで胸を打つようなことが折り重なったのね」

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