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僕の職業がアイドルのマネージャーになりました。EP4

前回はこちら!

蓮加「あっはは!〇〇目が泳ぎすぎだよ〜笑。」

丹生「これは職質案件ですね〜笑。」

くっそ、、、

僕のコミュ障時代を丹生ちゃんに見られた、、、

もう誰にも掘り起こされないと思ってたのに。

〇〇「、、、蓮加?」

蓮加「なにー?」

〇〇「しばらく出禁な?」

蓮加「えー!やだよー!!」バタバタ

〇〇「、、、その動画消したら考える。」

蓮加「えっ、、、それもやだ!」

〇〇「じゃーしばらくは丹生ちゃんとデュオか。」

丹生「がんばりましょうね!」

蓮加「ちょっと!
   丹生ちゃんも見切りが早すぎるよ!
   分かったよ!ちゃんと消すから、、、」

〇〇「、、、他に持ってるやつは?」

蓮加「、、、いないよ?」

〇〇「おいこら。ちゃんと目を合わせろ、、、」ガシッ

僕は蓮加の肩を掴む。

蓮加「、、、3期はみんな持ってる。」

〇〇「蓮加が配ったの?」

蓮加「、、、すみません。」

〇〇「やっぱ出禁な。」

蓮加「わぁー!ごめんごめんー!!」


2020/04/09

今日から僕はマネージャーとして仕事を始める。

当初、姉の白石麻衣から言われていたのはメンバーのメンタルケア。

しかし、それ以外にもマネージャーとしての仕事は行う。

今日、僕が担当するのは4期生の皆さん。

えーっと今日の予定は、、

① 6月から始まる番組『ノギザカスキッツ』の初回稽古。

今日は田村さんと北川さんのお二人が稽古をするようだ。

② 遠藤さくらさんが雑誌の取材。

これは事務所で行うようだ。

この2つにマネージャーとして付き添う。


稽古場。

まずはノギザカスキッツの稽古。

僕は2人よりも早く現場に入り、衣装などの準備に取り掛かる。

スタッフ「〇〇くん!
     そこの衣装取ってもらっていい?」

〇〇「はい!」

スタッフ「ありがとう、、、ってやばい!
     この衣装少しほつれちゃってる、、、」

〇〇「ほんとですね、、、糸と針ってありますか?
   あやめに裁縫を教えてもらったことが
   あるのでこれくらいなら直せます!」

スタッフ「ほんと!
     今は衣装さんも忙しくって、、、」

〇〇「おまかせください!」

スタッフ「〇〇くんって何でも出来るのね、、、」


そうこうして30分。

田村さんと北川さんが稽古場に到着したようだ。

まず初めに田村さんが稽古場に入ってくる。

田村「あ〜〇〇くんだ〜💕」

田村真佑さん。

あやめからは4期の中で最年長のお姉さん。
だけど抜けてるところもある可愛らしいメンバー。
好きなものはフルーツタルトらしい。

声もアイドルらしい甘く、可愛い声。
何だか語尾にハートがついてるように聞こえる、、、


〇〇「田村さんおはようございます!」

田村「田村さんって硬い呼び方だなぁ、、、
   まゆたんって呼んで💕」

〇〇「あっはは、、、それは追々で笑。」

田村「1回だけ!!」

〇〇「、、、、、、まゆたん///」

田村「あー!かわいいー💕」ナデナデ

〇〇「ちょっ、、、スタッフの皆さんも
   いらっしゃいますので、、、///」

田村「そんな照れてるところも可愛いなぁ💕」

、、、大人の色気ってすごいな。

田村さんに少し遅れて北川さんも稽古場に入ってきた。

北川「あっ!白石〇〇くんですね!
   私は北川悠理っていいます!」ペコッ

北川悠理さん。

あやめからは4期生一番の不思議ちゃん。
だけど慶應大学に通うスーパーエリート。
好きなものは和菓子とグミらしい。

僕に向かって深々とお辞儀をしてくれた。
あやめの言う通りに不思議な雰囲気を持ってる人だ、、、


〇〇「存じ上げてます!今日からマネージャーとして
   の仕事を始めるのでよろしくお願いします!」

僕も北川さんに向けてお辞儀をする。

北川「わぁ!そうなんですね!
   これからよろしくお願いします!」ペコッ

北川さんがまた僕に向かってお辞儀をする。

確かになんか変わってる人、、、??

北川「あっ!
   私のことは悠理ちゃんって呼んでください!」

さっきの"まゆたん"よりはハードルが低い。

だけども年上の方をちゃん呼び、、、

〇〇「でも年上の方を、、、」

北川「呼んでください!」

意外と推しが強い北川さん。

〇〇「、、、ゆっ、、、悠理ちゃん?」

北川「はい!ありがとうございます!」ペコッ

僕に向かって3度目のお辞儀。

、、、礼儀正しいのか変わってるのか?


まずは衣装合わせから。

田村「〇〇くん!似合ってるかなぁ💕」

〇〇「はい!とてもお似合いです!」

田村「え〜どこら辺が似合ってるかなぁ💕」

〇〇「えーっとですね、、、」

答えるのに少し間ができてしまった。

すると、、、

田村「、、、適当に言ったの?」

〇〇「えっ?」

田村「適当に似合うって言ったの?」

さっきまでのホワホワした雰囲気とは一転。

急にピリついた雰囲気に。

〇〇「えっ!いやいや!その花柄のエプロンが
   田村さんの雰囲気にお似合いですし、設定
   の新婚さんにある可愛らしさが出てて
   素晴らしいです!!」

田村「え〜そうかなぁ〜💕」

、、、これ役に入り込んでないんだよね?

素の田村さんで完璧じゃないですか。

チョンチョンッ

僕が田村さんとお話ししてると後ろから背中を突かれた。

北川「〇〇くん!私はどうですか?」

北川さんも衣装に着替えたらしい。

映画のスーパーマン仕様の衣装だ。

北川「私も強そうに見えますか〜?」

〇〇「はい!とても強そうです!」

北川「えへへ〜そうですかぁ〜///
   シャキーン!」

北川さんはヒーローのようなポーズを決める。

はぁ、、、癒される、、、

さっきまでの緊迫した雰囲気と違い、北川さんのフワフワした雰囲気が癒しをくれる、、、

〇〇「ありがとうございます北川さん、、、」

北川「はい!私からもありがとうございます!」

会話は成立してないが、僕の精神状態はだいぶ回復した。


2人が稽古をつけてもらっている間、僕は近くのお店へ田村さんと北川さんの好物を買いに行く。

稽古で疲れた後には甘いものがいいだろう。

そして稽古が始まってから1時間。

休憩時間が取られた。

田村「あぁ、、、つかれたぁ、、、」
北川「初めての事って難しいね、、、」

〇〇「お2人ともお疲れ様です!
   こちらよかったらどうぞ!」

僕は先ほど買ってきた食べ物を出す。

田村「えー!私の好きなフルーツタルトだ!」
北川「私の好きなグミもある!」

〇〇「あやめからお2人について教えて
   もらっていたので!」

北川「ありがとうございます!」ペコッ
田村「うぅ、、、〇〇くん好きだよぉ〜!」

〇〇「ありがとうございます笑。
   休憩の後も頑張ってください!」


その後も集中力を切らさずに頑張った田村さんと北川さん。

いつ本番を迎えても大丈夫なラインまで到達。

監督の方からも太鼓判を押されたようだ。

僕は稽古の後片付けがあるため、2人に軽い挨拶だけをして仕事に戻った。


30分後。

ふぅ、、、意外とやることがあって大変だったな、、、

僕は次の仕事に向かおうとすると、、、

田村「あっ!〇〇くんお疲れ様!」
北川「おつかれさまです!」

〇〇「えっ!お2人とも何でここに、、、?!」

田村「だって〇〇くんはまだお仕事があるでしょ?」

北川「私たちも事務所でお仕事だから
   一緒に行きたいなぁって!」

〇〇「気を使わせてしまって申し訳ありません、、、」

田村「ううん!私たちが行きたいだけだから!」
北川「謝らないでください!」


僕は田村さん、北川さんと一緒に事務所へ向かう。

その移動車では、、、

田村「〇〇くんってアニメとか見る?」

〇〇「アニメはそんなに見ないですね、、、
   北川さんはアニメとか見ますか?」

北川「うーん、、、私もそんなに見ないかな?
   でもドラえもんは好きです!」

確か北川さんの夢は『ドラえもんを作ること』だったっけ。

北川さんらしい夢だ。

田村「もう2人とも!
   アニメを見ないって勿体無いよ!」

〇〇「でもどのアニメが面白いとかって
   分からないんですよ、、、」

北川「たしかに、、、」

田村「ふむふむ。じゃあ私たち3人でアニメ会を
   結成しよう!私が面白いアニメ紹介するから
   3人で一緒に見ようよ!」

〇〇「えっ!是非教えていただきたいです!」
北川「私も知りたい!」

田村「よーし!アニメ会の結成だぁ〜💕」


話をしているとあっという間に事務所に着いてしまった。 

〇〇「あっ、もう着いたんだ、、、」

田村「もっとお話ししたかったなぁ〜。」

北川「でもまた3人で集まる約束もできました!」

〇〇「ですね!楽しみに待ってます!」


僕は2人と別れ、取材を受ける予定の部屋へ行く。

ガチャッ

僕は部屋のドアを開ける。

すると既に1人の女性が椅子に座っていた。

遠藤「あっ、、、えっと、、、」モジモジ

遠藤さくら。

あやめからは引っ込み思案な女の子。その性格が理由でオーディションを受けたと聞いた。
読書家でもあり、高校時代には吹奏楽部でコンクールに出たらしい。多才な方だ。
好きな食べ物は和菓子らしい。


〇〇「お話しするのは初めてですよね?
   白石〇〇と申します!」

遠藤「あっ、、、よろしくお願いします///」

なるほどなるほど。

かなり消極的な性格のようだ。

まずは打ち解ける所から始めなければ。

〇〇「えっと、今日は遠藤さんのファッションに
   着いての取材です。同性からも憧れられて
   いる遠藤さんのこだわりについて、、、です!」

遠藤「はっ、、、はい、、、」

これはまだまだ道のりが長そうだ、、、

田村さんや北川さんは最初から心を開いてくれて
たくさんお話もしてくれた。

しかし遠藤さんは初対面との方と壁を作ってしまい、打ち解けるまで時間がかかるらしい。

打ち解けてからはよく喋るとあやめが言っていたがどうすればいいのか、、、


あれから10分間。

僕はいろいろ話しかけてみたが、会話が続くことは無かった。

、、、やばい。心が折れそうだ。

僕はあと何分で記者の方が到着するのか確認するためにスマホを取り出した。

しかしその時、誤タップで音楽を再生してしまった。

僕がさっきまで聞いていたリトグリの曲。

〜〜♪♪

〇〇「あっ!すみません!」

僕は急いで音楽を止めた。

遠藤「それって、、、」

遠藤さんが初めて自分から口を開いた。

〇〇「えっ?この曲のことですか?」

遠藤「リトグリの曲ですよね!
   私もよく聞くんですよー!」

〇〇「、、、えっ?」

遠藤「、、、あっ///」

遠藤さんが喋ってくれた、、、!!

それだけで僕は既に仕事を終えた気分になった。

遠藤「ごっ、、、ごめんなさい!私、初めての人と
   どう話したらいいか分からなくて、、、///」

〇〇「いえいえ!僕もこの前まではそうでした
   から!遠藤さんってリトグリが好きなん
   ですか?」

遠藤「はい!この前も高山さんと一緒に、、、」
〇〇「えーそうなんですか!」

僕たちは記者の方が来るまで話し続けた。

この部屋に入ったばかりの時には考えられない状況だ。


記者「それでは遠藤さんのファッションに
   こだわりなどはありますか?」

遠藤「そうですね、、、どちらかと言うとシンプルな
   服が好きなので重ね着とかはしないですね。」

記者「なるほど。」

遠藤「だから持っている服も一枚で着られる
   ワンピースが多いです!」ニコッ

記者「、、、今日の遠藤さんは笑顔が素敵ですね?」

遠藤「えっ?」

記者「あっ!いつも素敵ですが今日は特に
   魅力的な、、、柔らかい素敵な笑顔です!」

遠藤「、、、ありがとうございます///」

記者「1枚写真撮ってもいいですか?
   ぜひインタビュー記事と一緒に載せたい
   笑顔です!」

遠藤「はっ、、、はい///」


取材も無事に終わり、記者の方もお帰りになられた。

〇〇「遠藤さん!お疲れ様でした!」

遠藤「、、、〇〇さん!ありがとうございました!」

〇〇「いやいや、お礼を言われるような事は
   何にもしてないですよ!」

遠藤「〇〇さんとのお話しが楽しかったから、、、
   いつもよりリラックスして取材を受ける
   ことができたんです、、、///」ニコッ

〇〇「、、、っ///」

遠藤さんの笑顔に思わずドキッとした。

やっぱりアイドルってめちゃくちゃ可愛いんだな、、、///

遠藤「これからも私達のことをよろしく
   お願いします///」


その夜。

僕は約束通り、和に電話をかけた。

〇〇「もしもーし。」

和「おそーい!
  あやめちゃんはもう電話してくれたのにー!」

〇〇「いやこっちも忙しいのよ。
   、、、っていうか和!」

和「なになに?」

〇〇「和って遠藤さんのこと好きだったよね?」

和「もちろん!私の推しだよ〜!」

〇〇「僕も和からさ、写真とか見せてもらった
   ことあるじゃん。」

和「数えきれないくらいね。」

〇〇「、、、本物やばかった。」

和「えっ?!さくちゃんと会ったの?!」

〇〇「今日は遠藤さんの取材の付き添いでさ。」

和「えー!!いいないいな〜!!」

〇〇「ちなみに明日は姉ちゃんの卒コンの
   リハーサル。」

和「、、、一回〇〇をビンタしたい。」

〇〇「なんでだよ。」

和「もー!奈央ちゃんに慰めてもらうもん!!
  じゃあね!明日も電話してよ!」

ガチャッ

乃木坂が大好きな和。

、、、しばらくはマウントを取り続けられるな。


〈あとがき〉
ちなみにこの世界線にコロナウイルスは存在しません。いいなぁ、、、

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