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台風と長崎平和式典から一夜明けて

台風の影響で長崎平和式典の中継のあと
長崎のニュースはすぐ台風情報でいっぱいになった。電車は新幹線は止まり、避難所の開設情報がひっきりなしだった。
幸いにも目立った被害はなく、一夜あけた10日は昼頃には青空が広がっていた

台風は深夜に長崎を通り、翌日の昼は快晴に

私がやっと長崎原爆について思いをめぐらすことができたのも昨日の昼からだった。

録画していた長崎原爆関連の番組に目を通す。

長崎では、民放のどの枠でも式典の中継が放送される。

どの番組でも、長崎の原爆被害を伝える伝承者の育成が危急の課題だといっていた。
長崎原爆をその身に受け、いままで語り継いできた被爆者の方々があいついで亡くなっているからだ。

けれども、番組に出演していた若き伝承者たちの姿を見て希望はまだあると思った。

ただ、関東にかつて住んでいた身からすると
やはり原爆ときくと広島をイメージする人が多く、長崎はついでに覚えてる程度の人が多い気がする。

それはやはり広島原爆は「はだしのゲン」や「この世界の片隅に」というマンガ・アニメによって認知度が高いと思う。

もちろん、長崎にも永井博士の「長崎の鐘」があり映画化もされた。しかしやはり文学と実写映画はなんというか浸透率が低いのかもしれない。

もしかすると文学や実写は視聴者や読者にとって難しいという先入観があるのかもしれない。ましてや「原爆」という世界史の大事件、得体の知れない大量破壊兵器のことを書いてある文学を読んだところで話し合う友人もネットの掲示板もない。

読んだところで理解ができるのか?それが一番の心配ごとだとおもう。

事実、私も「長崎の鐘」を読むまえはだいぶ構えていたように思う。
そして、読みながら「はだしのゲン」の原爆投下の状況と照らし合わせていたように思う。

私ははだしのゲンの原爆の知識があったから
長崎の鐘を読み進めることができた。

そのため、なにも知識もなく長崎の鐘から読むと少し難しいかもしれない。

作者の永井博士は物理学者でもあるため
核反応などかなり専門的な内容でも描いているので文系や理科が苦手だという人はその部分で本を閉じてしまいそうな気がする。

けれども、そういう冷静な科学的、医学的視点から原爆を書いた文学はあまりないと思うので
原爆というもの、原爆がどういうメカニズムで破壊し人体に影響するのか?という疑問に答えてくれるものだとおもう。

原爆はダメ、と頭ごなしにいうだけでは現代の若い人や子供たちは理屈っぽいのでそっぽ向くだけだ。そして理屈ぽいわりには、強い武器を持てば防衛になると単純な思考回路になりがちな気がする。

原爆は人に落としてはいけないし
持つ方にもリスクがありすぎるということを知るにはやはり原爆のメカニズムというものを知らなければいけない。

それを知る作品として「長崎の鐘」は
最適だと私はおもっている。
なぜなら作者は医師だから原爆が人体に与える影響をしっていて、
さらに放射線医学の専門だから物理学者として原子力についても詳しい人なのだから。

その「長崎の鐘」は電子書籍でいろんなサイトで無料でダウンロードできる。
あんまり知られていないがもっと知って欲しい。

もっとよくをいえば、だれか、「長崎の鐘」をマンガかアニメ化して国内外に発表していただきたいと思う。

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