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『明日は明日の風が吹く』(主演:石原裕次郎 1958年4月29日公開)個人の感想です


明日は明日の風が吹く

ヤクザがテーマの映画なのによくよく見てみるとどこか青春ドラマみたいな映画です。最初にヤクザの親分(石原裕次郎の父親)が殺されますが、それ以外、死ぬ人はいません。発砲は1回限りです。ロケ地は木場なので、木場の名前の由来の風景を見ることが出来ます。「あそこは昔、木場だったんだよ」ってやつですね。今時聞かない「女の意地よ」なんて発言が出てきます。そう言えば、そんな歌があったなと調べてみると、1976年に西田佐知子さん(関口宏さんの妻)が歌われてますね。

石原裕次郎の兄の女の家に乗り込むシーンがあるんですけど、そこに置いてあるマガジンラックにLIFEの雑誌がありました。1936年から2007年までアメリカ合衆国で発行された雑誌のようで、女は、キャバレーの女で神秘的な雰囲気を出していたので、その女の家ということで、海外の雑誌でも置いたのでしょう。石原裕次郎がズボンのポケットに両手を突っ込んで肘を張っている格好が映像や写真で良く見かけますけど、スラックスなのに、ジーンズのように前のポケットが手を上から入れるように作られているんですね。思わず、だから手を入れるとあの格好になるのかと思いました。ラストシーンでは、石原裕次郎の兄と弟が3人で横に並んで歩いて来るのですが、まさにGメン75って感じの雰囲気が出てました。ここからGメン75はきてますね。
昭和昭和33年は、東京都の学校給食に牛乳が加わった年のようです。田舎者の37年生まれの私は、小学校1年まで脱脂粉乳でしたので、東京から遅れること11年後にようやく牛乳に変わったということですね。
ヤクザの構成員のピークは1963年のようで、ピーク直前の映画になります。抗争や血、殺人が嫌な人でも見れるヤクザ映画だと思います。
やさしいヤクザ映画の「時空の旅」を楽しんでいただきたいです。

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