わたしの父は毒親なのか
わたしは物心ついたときからずっと、この上なく両親に愛されてきたと思っている。
もちろん「優しい」だけじゃなく、「厳しい」側面もあった。
でも、それは躾のためだ。
おかげでわたしは、手前味噌になるがどこに出しても恥ずかしくない人間になれたと思う。
そんな風にわたしを愛してくれた両親が、「毒親」ではないかと疑ったエピソードをひとつ、思い出そうと思う。
わたしの家庭はそこそこ貧乏であった。
両親の仕事は伏せるが、とにかく貧乏だったのだ。
そのため、高校と大学は奨学金を貸与して通っていた。
借りられる上限まで借りた。
ここまではいい。問題はこの先だ。
「お父さんが生活費のために学資保険や奨学金に手をつけたことがあるの」
母からの報せだった。
わたしは混乱した。
そんなことしていいの?罪には問われない?
わたしの不安は募るばかりだった。
それなら最初から言ってくれれば、高校は出たとしても大学には行かなかった。
今思い返せば、父に「大学の学費の延納願もらってきて」と何度か言われたことがある。
奨学金があるのにどうしてだろう?
その答えが母からの告白だったのだ。
"わたしの父は「学資保険と奨学金」に手をつけていた"
わたしが父を毒親認定するには十分すぎる材料だった。
いつでも優しかった父。
幼い頃からの楽しくてあたたかい思い出が、そのことで全部どうでもよくなってしまった。
次回は母について思うことを話そうと思う。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。
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