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井上道義氏        最後の8番交響曲     ショスタコーヴィチ

名古屋フィルハーモニー交響楽団の
出演者一覧表。当日配布される。表面
裏面。オケの出演者の配置図になっている

2022年3月12日土曜日
名古屋フィルハーモニー交響楽団
第499回定期演奏会 
愛知県立芸術劇場
  ·Haydn Cello協奏曲第2番
  ニ長調作品101
         Soloist 佐藤晴真
  ·ショスタコーヴィチ
  交響曲第8番ハ短調作品65
                  指揮 井上道義

下は参考まで
ムラヴィンスキー指揮
レニングラード交響楽団の演奏⬇️

向こう3年間のうちに引退表明している井上道義氏、ショスタコーヴィチの作品を演奏会に取り上げた場合、ひとつずつ終わる度にこれで最後と宣言しており、8番は名フィルで演奏後に「最後です」とやはり宣言された。
恐らくそうなるのではないかと、2日あるうちの二日目に行ってきた。
本番に向けて4日間のリハーサル、金曜日土曜日と2日間の本番、Orchestraはほぼ1週間8番に浸かり脳内爆発だったのではないかと推測。
それでも当日会場について早めに着席するとViolinの方がずうっとご自分のパートをさらっておられて、曲に対する意気込みを感じた。
演奏は戦争の阿鼻叫喚と哀しみを表現しているかのごとく弦楽器が管打楽器が深くて途切れない響きで訴えかけてくる。それはこちらもどこで息継ぎをしたら良いのかもわからないほど鬼気迫る凄い勢い。
1、3楽章は特にその状態が続いた。
譜面の通り演奏するだけでもたぶん充分に凄い演奏になるのだろうけど、中央で道義さんが振るタクトを見ていると、その美しさに曲の恐ろしさをしばし忘れる時もあった。2楽章はとても楽しめたし4、5楽章は究極の美に酔いしれた。

幼少の頃から見てきた井上さんの指揮。とても好きな振り方なんです。
学生時代に指揮の先生から教わった基本を、道義さんを見ていると、まずは基本はこうなんだよ、そのあと付け加えてこうやって広げるんだよって、確認させられているようなそういう振り方、わかりやすく美しさを持ったタクト、音楽は楽しいんだよと教えられている気がいつもしていました。
あと何回演奏会にいけるかしら。
お願いまだずうっと見ていたいです。

音楽の友より
音楽の友より

この日前半は佐藤晴真さんによるHaydnのCello協奏曲でした。
井上さんと晴真さんの共演もあと2年と少しの中でもう一度あるのかわからないと思い、名古屋へ駆けつけた要因となりました。
晴真さんも天才であられるお一人と思いますが、いつもながらの作品に真摯なお姿に加えて明るくて自由で伸びやか、遊び心も持ち合わせた素晴らしい演奏。
道義さんの指揮により、羽ばたくような表現で聴衆を虜にしていたと思います。
後半の演奏は客席で聴かれたようで、同じ空間で最後のショスタコーヴィチ8番を共有出来た事、感銘。

右手に指揮棒と弓😊