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小林愛実ピアノリサイタルBeginning of the future  2022.3/17サントリーホール

2021年ショパンコンクール4位入賞、(2015年もファイナリスト)小林愛実さんのリサイタルへ行ってきました。

下は⬇️カーティス音楽院での卒業リサイタルの動画。4/8.2022。


当日の備忘録。
生演奏は初めて。
私はその日のホールの男女比年齢比等はあまり気にする方ではなく、普段は考えもせずコンサートに集中して帰宅するタイプですが、この日女性ピアニストのリサイタルに女性の聴衆が多めなことに気づきました。
今回のコンクールに出る前より人気のある愛実さんなので客席が満員なのは納得ですが、女性人気が高いのねえと久しぶりに客席をキョロキョロ見てしまいました。
最初に館内放送にて愛実さんのご挨拶があり、始まる前のお互いの緊張感が少しほぐれました。

当日の演目

シューマンとシューベルトは『この曲目をよく選びました!とても合っています!』と褒めたいくらいの選曲。
アラベスクは何も考えることなく曲が音がスーッと流れていく、そういう演奏。
シューベルトのソナタはただきれいなだけではなく、重厚な響きを要所要所に兼ね添えており、ただそれは愛実さん独特の重厚さで、柔和な重みと言えば良いのだろうか、失敗すると面白みのない演奏になってしまうところであるが、バランスの取れた素晴らしい出来上がりだった。

プロフィール

後半はコンクールで聴衆の心を鷲掴みにしたChopin【24のプレリュード】
15番目の雨だれまではほぼ想像通りの範囲内の出来、一糸乱れぬ感じで突き進む。
雨だれは聴衆も演奏者もここで一息といった所であろうか、会場に和やかなムードが漂う。
16番目からは気合モード全開になり、17番目愛実さんの好きな『調』のAs-durではもう完全に聴衆をその世界へ惹き込んだ。そこから24番までは一気に駆け上り、上昇気流のまま24番を物凄いPassionで弾きあげて終了。

コンサートではポリーニを筆頭に何人もの演奏会で聴いてきた24のプレリュードですが、それぞれの曲が短いので演奏者それぞれの個性が出やすい作品と言えるでしょうか。
15番雨だれ迄で飽きちゃう人のもありましたし、16番を爆裂なスピードで弾く人、17番をガチャガチャ弾く人、24番を乱暴に弾き叩きつける人、もう書き出したらきりがありませんが、愛実さんの演奏はまとまりがあり素晴らしかったと思います。

学生の頃試験でChopin24のプレリュードの時があり、全部は長いのでいくつか選ぶのですが7番と15番は除かれており、残りの番号で10分か15分だったか記憶が定かではないのですが、いくつか組んで演奏することとなっておりました。ただし24番は必ず入れることだったような、自身の記憶で24番は確実に弾いた記憶があります。皆で高点数をもらうには何番を弾くのが良いかと相談した記憶も……しかしこの話、古の昔の話で現在の試験でも行われているかは不明です。

さて話が愛実さんから逸れてしまい失礼しましたが、アンコールに3曲弾いてくださり(30分以上)これがまた大変素晴らしくて聴衆はスタンディングオベーションでした。女性が大勢立って拍手をしており、とても素晴らしい光景でした。
皆が自然に立ち上がるというのは日本では中々ない光景だと思います。
前日にファンクラブも出来て、愛実さんも今日ここからまたスタートという気持ちもあったと思いますし、重要な一夜に立ち会えて光栄でした。
アンコールの曲目など、下記のtweetを参考にして頂ければと思います。

音楽の友より特集
音楽の友よりreview

ショパンコンクール第三次予選より
24のプレリュードは7:00過ぎ頃から