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おかあの弁当とか

めちゃくちゃおいしかった。
これは皆んなそうなんかな。

卵焼きとミートボールがあったら、もう大満足やった。
あとはカマボコが入っていたり、一番お気に入りなんは、桜の形したカマボコ(?)で切ると中からウズラの卵出てくるやつがすごい好き。
お弁当のおかずの中で一番華やか。チキチキボーンも好きやなあ。

という感じで、全部手作りってなわけではないけど、本当に有り難かった。

自分で似た感じのもを作るけど、やっぱちゃうねんなあ。愛情かな。亡くなる前にありがとうっていえてたらなあ。本当にありがとう。
もう死ぬってわかってたけど照れて言えんかった。今度線香あげた時に伝わるといいなあ。

それと敵わへんのはおにぎり。
母のおにぎりはフッカフカ、フッワフワだった。あのホロけるおにぎりは自分には作れないので修行あるのみって感じです。

ああ恋しい。
母も料理も。

水炊きが好きな母でした。
晩年の得意料理は、アボカドとマグロのサラダでした。

麻婆豆腐の作り方教えてもらっとくんだった。

亡くなる数週間前。ケンタッキー食べたいって言ってた。でも私がケンタッキーの気分じゃなくて買いに行かなかった。ごめんな。

こんなに死が近いってわかってなくて。
余命がわかった時は弟と冷静を保つのでいっぱいいっぱいやった。それでも涙が溢れ出て、声押し殺して泣いたこと鮮明に覚えてる。

病院で息をしなくなった。弟が子供の頃スポーツ教室に行ってたホームビデオを見ながらやった。

死亡確認の先生は母より年上で、完璧なおじいちゃん先生だった。
コントみたいなおじいちゃん先生が時計を忘れたり、聴診器を胸に当てるけど耳に入ってなかったり、グダグダした。
母の最期にそんなグダグダがあって、暫くしてちょっと笑いそうになったけど、母が笑って過ごしていきなさいとメッセージをくれたようで、それもいい思い出です。

母はよく笑っていた。

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