初めての学会発表で場を凍らせた私。HSPもMBTIも丸出し!?
30年前の事を当時になかった診断の特性を背景に書いてみます。
私の自己診断によるHSPとMBTI特性はこんな感じ。
(自己紹介の記事より)
・重度なHSPで、刺激を求める外向的な繊細さん「HSS型HSE」
・INFJ-T(提唱者)とINFP-T(仲介者)の出現率が半々
1 発表に至る経緯
(1)はじめに
当時、1年に1回のとある学会の年次大会が〇〇大学で開催されて、仕事で出張し、初めて研究成果を発表したんです。
(俗にいう学会デビューというやつです)
ちなみに1年で中退しましたが大学院に在籍したことがあるので、学会自体は参加したことがありました。
(この中退の件もいずれ記事になるかもしれません😊)
今回書かせていただく学会デビューでは質疑時間中の出来事が今も忘れられません。それほどに関わったお二人の先生が記憶に残っています。
(2)国の研究所で・・
就職して2年目、茨城県の筑波研究学園都市に住んでいた時期があります。国の研究所で研究室の室長から指導を受けて研究をやってました。
私が本来所属する地方の研究所に戻ってからも追跡研究を室長がされており、「学会発表しようか!?」と2年後、突然連絡が来たのです。
(ついに私も学会デビューかぁ・・と、承諾しました)
発表するプレゼン資料は全部室長が作ってくれるという。
当時はまだアナログ的な発表原稿で、OHPというプロジェクターと透明フィルムシートを用い、スクリーンに投影していました。
1週間前に届いた室長作成のOHPシート原稿は、図表などが印刷済み。
(この図表・・文字が小さくないか!?
会場の視聴者が見えるか微妙だな…)
という内容以外の部分でも心配事はあったけれど、修正自体に労力がいるので室長作成の資料をそのまま使うことにしました。
2 いざ学会デビュー
(1)研究成果発表
私の口頭発表が終わりました。OHPあるあるのシートの取り違いや、焦って手元シートが散らかりどれがどれだかわからなくなる・・なんてことも事前対策しておいたので起こることなく、持ち時間内で無事終えました。
(このシートはツルツル滑るので取り扱いにくいのです)
照明が照らされ、会場の客席が明るくなりました。
今から質疑の時間に入るわけです。
(いちばんドキドキ、ハラハラする時間です)
ババッと、5,6人から挙手がありました。
外向的HSP(HSE)モードな私がちょっと喜びました。
(ここで誰一人、手が上がらないのも残念な事なのです。
学会あるあるで、その場合は発表テーマに需要がない、
・・そんな評価をくだされたようなもの。)
しかし、喜んだのも一瞬でした。一番当ててほしくないって思った後方席の堅苦しい表情をした年配者を、座長(進行役)が指したのです。
(他の挙手された人たちは比較的に若そうな方々だった・・)
会場に緊張感が走る気配を感じました。
こういうのに敏感なHSPなので知りたくなくてもわかってしまう。
(イヤな予感がする)
(2)問題の質疑応答
「〇〇大学の〇〇(教授名)です。
質問より先にいくつか意見を言わせてもらいます。
まず図表の文字が小さくて見えない。
何を発表しているのかがわからない。
発表資料はもっと大きく作ってください。
次に実験結果ですが・・・、
統計処理をしたデータが見当たらなかったが、
統計処理をされていないのか!?
こういうケースでは必ず統計結果を示さないと。
グラフの該当箇所に本当に違いがあるかがわからない。
で、質問ですが・・・」
と、続けて3点も発言されました。
(出たよ、噂に聞いていた新人いじめだ)
会場が一気にどんよりした空気に変わったのを感じました。
それと同時に、もの凄く私の対応に注目が集まっている・・
そんな会場の熱視線までも感じました。
(相手の先生がどんな人かは知らないが・・・
こんなにも露骨に新人いじめするベテラン教授に
カチンと来た私。)
私はもう社会人なのでまだしも・・
(これが学生さんだったらたまったものじゃない!!)
・・そう思いました。
妻が大学院生だった頃、学会発表から帰ってきて私と会ったときに真っ先に泣き出したことを思い出しました。この手の嫌がらせを受けたみたいです。
偶然だけど奇しくもその時の学会の会場はこの質問者の大学でした。
ご指摘を受けた発表資料は室長が作成したものですが、そんなこと言えるはずもなく、また、”わざわざ自ら相手を刺激しなくて良いよ・・”
と、もう一人の私の囁く声が聴こえました。だから・・
「ご意見ありがとうございます。そして・・・
不手際があったことお詫びいたします。」
と、謝りました。
しかし、ここでやめておけば良いものを・・・
提唱者タイプの私が出て、こんな発言を続けました。
「ですが、そんな後方の席にいて言われても・・
という気がしますので、見えないのであれば、
もっと前の席までお越しください。
一番前もけっこう空いてますよ。」
(えっ!?・・と驚いたような相手の表情を見逃さない私。)
そして、2点目に対しても続けて言い返すのです。
「もちろん統計処理はしていますが、
ここではあえて示しておりません。
このグラフを再度ご覧ください。
統計がわかる人なら・・・
これほどの傾向の変化に有意な差が認められることは
一目瞭然だと思います。」
(相手の先生は絶句しているようでした)
3点目の質問を本当に忘れてしまったことがきっかけで・・
刺激を求める気質(HSS型)がさらに出てしまった私。
「3つ目のご質問ですが、ところどころ・・・
先生のお声が小さくて聞き取れなかったので
(本当は聞こえていたけれど)・・
恐縮ですがもう一度ご質問をお願いできますか?」
(相手はもう苦笑いしながら・・)
「私ばかり時間をとってもあれですからもういいです。」と。
実は質疑時間がほぼリミットでした。この質問者は実際もっと嫌味ったらしく、グチグチとたくさん発言していたのです。
座長が「そうですか、ありがとうございました。」
・・と、仕切ってくれました。
(ここでホッとして、一瞬ひと息ついたんです私…。)
(3)本当に怖いのはこの人
「もうお時間が来ているのですが・・・、
私から一つだけ質問させてください。」
と、あれだけ挙手があったのに・・
わざわざ座長が割って入ってきた。
こんな行為・・座長は普通やらないし、普通の座長であれば・・挙手していた人からのクレームが怖くて、まずやろうと思ってもできないでしょう。
(また会場の空気が変わった気配を感じました。)
実は、この時がイチバン緊張しました。
この座長・・実績も申し分のない、
この業界ではおそらく頂点にいる超大物の京都大学の教授。
私もこの先生の文献をどれだけたくさん読んだことか!!
(マジか~ここで来なくても。
いや、この先生だからこそ来れるのか・・)
核心を突く質問でキレ味が鋭すぎて、もう堂々と降参した私。
これほどの質問ができるのはこの先生くらいじゃないかと。
(この時はもう普通のHSPが発現し・・
師である室長を意識した仲介者タイプの私でした)
「ご質問の考察部分は先生の文献も含めて、
色んな考察を参考に述べただけですので・・
さすがのご指摘のとおり、
今後の検証は必要と考えております。」
3 デビュー直後の反響
プログラムでは、私の発表後が休憩時間になっていました。
席に戻ると座る間もなく・・・
「ちょっといいですか?」と、
一人、二人、三人・・寄って来られました。
一人目の若者は某大手企業の研究者で、この分野はまだ素人らしく、基本に近い質問をされました。私の回答にご満足いただけたようでした。
そして、2人目の人で休憩時間を使い切りました。
彼は違う組織の人だけど私の同業者で10歳くらい年齢が上。
質問を後回しにされて第一声がこれでした。
「いやぁ~会場が凍りましたよ。
あの対応にはビックリしました。衝撃だった。
これが学会デビューなんですか!? 信じられない!!」
何だかずいぶんと興奮していらっしゃるご様子。
(私はひそかに感じていた疑問をぶつけました)
「あの・・最初の質問者をご存じなんですか?」
すかさずその人が答えました。
「知ってるも何も…ある意味では
あの先生は有名人です。そう・・
座長の先生とはまた別の意味で。
今回は露骨でしたけど、
それなりに一目置かれる先生ですよ。」
(やはりそういうタイプの先生か。
それを聞いて安心しました。)
「私も言い過ぎましたけど、これに懲りて
若い人への発言に気をつけてもらえるといいなと。」
そう答えると、彼は言いました。
「そうですね・・ブルってた私でしたけど、
あれはスカッとしましたーー。」
そのあと1つ質問を受けたと思いますが覚えていません。
その後、室長を見つけた私はまずお詫びしました。
「あんな対応になってしまい、すみませんでした。」
室長からはこう返事がありました。
「大丈夫だよ、間違ったこと言ってない。」
続けて私が尋ねる。
「○○先生(座長)の質問に対する答えはどうでしたか?」と。
室長:「誰が答えても、あれ以上は答えようがないよ。」
・・と、微笑んでおられました。
(良かったです~)
4 終わりに
文章が長くなってしまいました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました🥺
学会発表はその後何度も機会があってやらせてもらいましたが、今も鮮明に覚えているのはこの時の事だけなんです。
正反対なお二人の先生・・強烈なインパクトでした^^
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