見出し画像

【ちょいネタバレあり】両手いっぱいに芋の花を

 ウィザードリィライクなダンジョンRPGですが、最近のゲームらしくアップデートされています。価格もボリュームもお手頃で満足度は高いです。ダンジョンRPG好きなら、ぜひ。

 バトルの難易度は高いもののデスペナルティはほぼ無く、クラスが8種類あって、キャラクターも8人まで登録できるので色々試せます。敵とのレベル差で経験値が計算されるため控えキャラもすぐ育ちますが、逆に適正レベルを超えると育たなくなりますので、ボスの難易度が下がり過ぎることはありません。

 敵の姿はボス含めて見えていて、数も配置も変わりませんから、倒し方を模索しつつ何度もリトライするというソウルライクな攻略になります。

 それぞれのクラスには長所と、その長所を活かせなくなる場面があるという短所があります。色々なキャラクターを育てて試しながら遊ぶのは楽しいですが、ほぼ短所がなくなってしまう汎用性に優れた特定の組み合わせがあって、そこに行き着いてしまうと少しルーチンワーク気味になります。

 敵を倒してある程度進むと鉄格子や扉が開くようになり、次からは戦闘を回避してショートカットできるようになります。松明の燃料とMPは迷宮内で回復しないため、全体のリソース管理も必要です。他にも組み立て梯子を手に入れて段差を越えられるようになるとか、水門を操作して水位を調節しながら探索するなど、ギミックも用意されています。

 ドット絵の可愛い雰囲気とタイトルからポップなノリかと思いきや、世界観はわりと切実で、大災害による文明崩壊を生き延びた人類のために汚染された土壌でも育つ芋の種を求めて遺跡を探索するというストーリーになっています。背景やストーリーはNPCとの会話とアイテムなどの文字情報から得られ、イベントシーン的なものはほぼありません。

 終盤にはプレイヤーキャラクターたちの所属する組織でも一悶着あったりして……タイトルに込められた想いが結実するかはプレイヤーの頑張り次第です。


少しでもお心に触れましたら「スキ」して頂けると励みになります。