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SEO対策の事例|小売業の「ブランドECショップ」の対策事例

過去の投稿で「北欧、暮らしの道具店」さんのECショップが、他のECショップと比較して、サイト構造が「SEO」の観点からちょっと変わっていたので事例に上げました。

ほとんどの小売業は、ECショップへの送客はインターネット広告や店舗からの紹介などを通して行われているため、あまりSEO対策は重要視されていない傾向があるかと思います。

ECユーザーは今後どのような行動変化するか

アフターコロナにおいては、初めてECショップの「便利さ」に触れたユーザーは、店舗営業が再開してもECショップを使い続ける「行動変化」が生まれてくると予想されています。

SEO対策は「インターネット網」と言う路面に出店したお店が、いかに広告費をかけないで集客をしていくか?と捉えると重要性がわかりやすいと思います。

筆者の本業の活動の中で(小売やサービス業の戦略コンサルやデジタルマーケ支援)、ECショップのSEO対策について有効に働いたと思われる施策をいくつかご紹介します。
※もちろんクライアント様の数字は出せないのであしからず、、

ECショップのシステム的な課題|【実話】SEO対策にとっては致命的

SEO対策は簡単に言うと以下のフローを構築します。

・ユーザーサイドの検索ワード(クエリ)を予想して、WEBサイトに仕込んでおく
・検索エンジンに、キーワード含めたWEBページをデータベースに登録してもらう(indexと言う)
・インデックスされたページの高い評価を獲得し、検索結果で上位表示されるようにする

GoogleがWEBサイトのキーワードを登録(index)する際の優先順位は、「hタグ」と言われる、タイトルや見出し・小見出しなどになります。

中身のテキスト情報よりも、まずはこの「hタグ」に含まれた情報を、優先的に拾い上げて検索エンジンに登録して行きます。

ところが古いECシステムになると、hタグを重要視したページ構成(システム構造的)になっていません。

そもそもユーザーはどのように検索してくるんだろう?

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ちょっとざっくりですが、ブログやホームページと同様、より具体的に商品を「買うつもり」で調べているユーザーから、ファッションのトレンドなどを「調べている」ユーザーのような分け方ができると思います。

例えば、靴のスニーカーに例えると、一番上段は既に「95エアマックス」を買う事を決めているので、言うなればスニーカー愛好家で既存顧客とも言えます。

これは商標キーワードブランドキーワード検索と言われています。

また2段目になると、スニーカーの中でも「ローカット」や「ハイカット」などの形状を比較していたり、ナイキやアディダスと言う複数ブランドで「白いスニーカー」を比較していたりしています。

3段目は、ちょっと運動不足だけど運動靴がないから「ジョギング_おすすめ」とかで情報を集めていたり、「スニーカー_おしゃれ」など情報を集めている「見込み客」とも言えます。

そもそもなぜSEO対策する事になったのか?

より多くのお客様に、インターネットを通して自社の商品や自社ブランドを認識してもらうためです=売上アップを狙う。

もちろん既存顧客がインターネットの検索を通して、ECショップにくる事も多いと思います。

しかしながら、本来は接点のある既存顧客には、メルマガやアプリのプッシュ通知、SNSでの告知など「優先的に早く情報を届ける事」が大事になってきます。

いわゆる「CRM:カスタマーリレーションシップマネジメント」と言う、顧客ロイヤリティやエンゲージメントを維持・向上させる類の施策です。

お話を戻すとSEO対策は、まだ見ぬ「見込み客」との接点を、「検索エンジン」と言うプラットホームを介して構築していく事ですので、「見込み客」にリーチできないサイト構造は、SEO対策としては致命的と言えます。

もう広告費を投下して集客するしかないのか?と感じるほどにです。

今できるECショップのSEO対策

上記でスニーカーを事例に出しましたが、Googleのキーワードプランナーで「アディダス」で関連キーワードを調べた結果になります。

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上記でお気づきでしょうか?

当たり前と言えば当たり前なのですが、ユーザーのほとんどは「英語」ではなく「カタカナ」で検索をしています。

ただし、メーカーから提供された商品情報を元に、そのままシステム登録をすると、英語登録してしまっている事が多いと思います。

余談ですが、特に日本アパレルの商品名は特殊で、越境ECを行う際には、商品名を英語に翻訳するのですが、「ゆるふわフェミニン愛されワンピース」などをどうやって訳せば良いんだ?と現地のパートナー企業やプラットホームから、半ば困惑気味に問い合わせが来るほどです。

このような形で、検索ユーザーである顧客は「メーカーが想定してない言語」を使って検索する事も多く、それに対応するキーワード設定の準備が、追いついていないEC運営者も多いのではないでしょうか?

どのように対策するのが現状のベスト?

まずは英語を直そう
システム上での入力構造をすぐに直せなくても、まずは平仮名や片仮を含めて、ユーザー検索の際に使う言語を追加してあげる事が重要です。

ECショップは「コンテンツ量産型」とも言われ、毎日、毎週のように多くのページが追加されていくので、そのうち検索に有利に働いていきます。

カテゴリやブランドトップのページを育てよう
また、LP(ランディングページ)やバナーなどを設置しているWEBサイトも多いと思いますが、LPやバナーに「hタグ」を入れたり画像に検索キーワードを設定したりしましょう。

上記のアディダスであれば「adidas YeezyBoost350」のような、商標名を軸にしたLPを作ってしまうと、商品が欠品して優先順位が下がると、そこでLPやバナーの価値が下がってしまいます。

ですので、カタカナ表記の商品名や「定番のスタンスミス」、「人気のパーカーやジャージ」などを盛り込んだ、ブランドやカテゴリトップのページを強化する事で、より多くの見込みユーザーにリーチできる可能性が出てきます。

前述の通り、実際の数字や事例はご共有できませんが、とあるプロジェクトでは、商標キーワード以外の検索流入を増加させるため、カテゴリーやブランドのトップページ強化をコツコツと取り組んできました。

その結果、検索順位ツールで100位以下だった順位が、検索結果の2ページ目くらいまで順位が上がってきたので、もう一歩で晴れて1ページ目に入るかも?と言うところまできています。

もちろん、順位をあげる事を目的にはしておらず、あくまで検索からの流入を増やして、検索からの売上実額を向上させていく事を目標にしています。

あとがき

ほとんどの小売業は、ブランド名に商標権などをとっており、屋号やブランド名が他社と重複や類似しないようなっています。

そのため、検索結果だけを見ると、ブランド名や代表商品がキーワードの上位に上がってきますが、本来はこれはあまり意味がありません。

なぜなら、既にお店やブランドの存在を知っている方が、検索エンジンを通して動いているだけです。

小売業やアパレル企業の根本的な課題

小売・アパレルの大きな根本課題は、国内人口の減少によるマーケットの自然縮小です。

そのため、根本的には新しい顧客を開拓しないと、客数自体は自然に減って行きます。

ですが、インターネットの世界では、ちょっとした運用の見直しで、インターネット上の「見込み客」にアプローチができて、新しいお客様との出会いが実現して行きます。

明日からでも少しづつSEO対策の運用を始めて、新規の顧客獲得をして行きましょう。

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