コンサルタントの成長プロセス:守破離の哲学と実践


はじめに

前回の記事ではコンサルの価値提供方程式の話をしました。
じゃあ次は何書こう?と考えた時に、この能力を伸ばすためにどうすればいいのか?が当然きになるよなぁと思い、守破離を選択しました。

思考力を鍛える為の勉強法とか、スピードを上げるためのよく使うショートカット集とか、手段の話をしてもいいのかもしれません。
そういうnote書いてよ、と社内の人にも言われました笑
ただ、能力を伸ばすために何を勉強・実践するにしても、根底にある成長に対する考え方・概念を知っておいたほうがいいと思い、守破離について書くことにしました。

補足

  • これ以降の本文は時短のため伝えたいことをClaude 3.5 Sonnetに入力してまとめて貰っています。(多少の加筆修正はしています)

  • 感想、指摘、意見お待ちしてます。



導入

コンサルタントとしてのキャリアを歩む中で、私たちは常に成長と進化を求められます。この成長プロセスを理解する上で、日本の古典的な学習理論である「守破離」の概念が非常に有用です。今回は、この守破離の哲学をコンサルティングの文脈で解説し、各段階での重要なポイントを探るとともに、具体例として議事録作成の成長過程を見ていきます。

守破離とは

守破離は、武道や芸道の修行過程を表す言葉で、以下の3つの段階を指します:

  • 守(しゅ):基本を忠実に守り、模倣する段階

  • 破(は):基本を理解した上で、新しいアプローチを試みる段階

  • 離(り):基本から離れ、独自のスタイルを確立する段階

この概念は、スキル習得や個人の成長プロセスを理解する上で広く適用できます。

守の段階

「守」の段階は、基礎を学び、既存の方法論を忠実に実践する時期です。

  • 既存のフレームワークや分析手法を学ぶ

  • 先輩コンサルタントの仕事を観察し、模倣する

  • 業界標準のベストプラクティスを理解し、実践する

この段階では、自己流を避け、確立された方法論に従うことが重要です。基礎をしっかりと身につけることで、将来の成長の土台を築きます。

破の段階

「破」の段階では、基礎を理解した上で、新しいアプローチを試みます。

  • 既存の方法論の限界を認識し、改善点を探る

  • 異なる分野の知識や技術を組み合わせて新しいソリューションを生み出す

  • クライアントの特殊な状況に合わせて、従来の方法をカスタマイズする

この段階では、創造性と批判的思考が重要になります。基本を尊重しつつも、それを超えようとする姿勢が求められます。

離の段階

「離」の段階は、独自のスタイルや方法論を確立する時期です。

  • 自身の経験と洞察に基づいた独自のアプローチを開発する

  • 業界に新しい価値を提供する革新的なソリューションを生み出す

  • 後進の指導や業界全体の発展に貢献する

この段階では、基本から「離れる」ことで、真の意味での創造性と独自性が発揮されます。ただし、これは基本を無視するということではなく、基本を深く理解した上でそれを超越するということです。

コンサルタントとしての守破離

コンサルティングの文脈では、守破離は以下のように解釈できます:

  • 守:標準的な分析フレームワークやプロジェクト管理手法を学び、実践する段階

  • 破:様々な業界や状況に適用できるよう、既存の方法論をアレンジする段階

  • 離:独自の問題解決アプローチや、新たなコンサルティング手法を開発する段階

重要なのは、これらの段階が必ずしも直線的に進むわけではないということです。経験を積むにつれて、異なる領域や課題に対して、守破離のサイクルを何度も繰り返すことになります。

※大概の場合は「離」を必要とすることはありません。そして、実践できる人もほぼいません。

具体例:議事録作成の守破離

議事録は、会議の内容を正確に記録し、決定事項やアクションアイテムを明確化することで、プロジェクトの円滑な進行を支援する重要なツールです。新人コンサルタントにとって、議事録作成は主要な業務の一つであり、迅速にで高度なスキルを身につけることが求められます。

以下、議事録作成を例にして守破離の各段階を説明します。

守の段階

スキルレベル:基本的な文章力はあるが、構造化や要約のスキルは未熟

プロジェクト理解:表面的な理解にとどまり、議論の背景や文脈を十分に把握できていない

実践方法:

  1. 標準的なテンプレートを使用する

  2. 5W1H(Who, What, When, Where, Why, How)を意識して記録する

  3. 決定事項とアクションアイテムを明確に記載する

  4. 参加者全員の発言を漏らさず記録する

理由:

  • テンプレートにより、必要な情報を漏れなく記録できる

  • 5W1Hを意識することで、基本的な情報を確実に押さえられる

  • 決定事項とアクションアイテムの明確化は、会議結果の実行に直結する

  • 全発言の記録は、重要な情報の見落としを防ぐ

破の段階

スキルレベル:情報の構造化と要約のスキルが向上し、重要度に応じた取捨選択ができる

プロジェクト理解:プロジェクトの全体像と個々の会議の位置づけを理解している

実践方法:

  1. プロジェクト特性や会議の目的、性質に応じてテンプレートをカスタマイズする

  2. 重要度に応じて情報を整理し、優先順位をつける

  3. 議論の流れや文脈を理解し、要点を簡潔にまとめる

  4. 参加者の立場や意図を考慮し、発言の背景にある意味を捉える

理由:

  • 目的や特性に合わせたテンプレートにより、より効果的な情報共有が可能になる

  • 情報の優先順位付けにより、限られた時間で価値ある情報を提供できる

  • 要点の簡潔なまとめは、議論の本質を捉え、次のアクションにつなげやすくする

  • 発言の背景理解により、より正確な意図を議事録に反映できる

離の段階

スキルレベル:構造化と要約のスキルを持ち、複雑な議論も正確に整理できる

プロジェクト理解:プロジェクトの戦略的意義を理解し、個々の会議をより大きな文脈で捉えられる

実践方法:

  1. 議論の構造を明確に示し、論点や結論を体系的に整理する

  2. 会議中の暗黙の了解事項や、明示されなかった重要な前提条件を補足する

  3. 議論の過程で浮かび上がった課題や、今後検討すべき事項を明確に記録する

  4. 議事録の構成や表現を工夫し、読み手の理解と行動を促進する

理由:

  • 体系的な整理により、複雑な議論の全体像を把握しやすくなる

  • 暗黙の了解事項の補足は、後から議事録を読む人の理解を助ける

  • 潜在的な課題の記録は、将来の問題を未然に防ぐ助けとなる

  • 読み手を意識した構成は、議事録の活用度を高め、行動につながりやすくする

まとめ

守破離の概念は、コンサルタントとしての成長プロセスを理解し、計画する上で非常に有用です。基礎を学び、それを応用し、最終的に独自の価値を生み出すというこのプロセスは、継続的な学習の重要性を示しています。

議事録作成の例でも見たように、各段階で実践方法が変化するのは、コンサルタントの情報処理能力とプロジェクト理解度の向上に伴い、より高度な価値提供が可能になるからです。守破離の過程は、コンサルタントが基本的なツールを通じて、クライアントやプロジェクトにより大きく貢献できるようになる成長の軌跡を表しています。

コンサルタントとして、私たちは常にこの守破離のサイクルを意識し、自身のスキルと知識を磨き続けることが重要です。それによって、クライアントに対してより大きな価値を提供し、社会全体の発展に貢献することができるのです。

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